バリューチェーンとは

2020.07.28ビジネス豆知識
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バリューチェーンという言葉を耳にする機会が多くなりました。バリューチェーンを活用すれば、どの工程でどのくらいの付加価値が生まれているのかを知ることができます。バリューチェーンで自社の強みや弱みを知ることもできます。今回はバリューチェーンについて紹介します。

バリューチェーン

 

「バリューチェーン」

バリューチェーン(Value Chain)は日本語で「価値の連鎖」という意味です。アメリカの経営学者でありハーバード大学経営大学院の教授でもあるマイケル・E・ポーター氏が提唱しました。1985年に発行した自身の著書「競争優位の戦略(Competitive Advantage)」で初めてバリューチェーンという言葉を使用しました。企業の活動である原材料や部品の調達活動、商品の製造や加工、出荷配送、マーケティング、顧客への販売、アフターサービスなどが最終的な付加価値にどのくらい貢献しているのか。個々の工程の集合体として考えるのではなく、価値の連鎖として捉える考え方です。

競合他社と比較して自社の強みや弱みを分析し、事業戦略の改善策を探るフレームワークでもあります。原材料を調達して商品やサービスが顧客に届くまでに企業が行う活動の連鎖がチェーンです。商品を供給する流れを意味するのがサプライチェーンです。日本語では供給連鎖という意味です。物がどのように供給されているのかを見るのがサプライチェーンです。物の流れだけでなく、どこで価値が生まれるのか、価値の連鎖として捉えたのがバリューチェーンです。このようにして付加価値に着目することで自社の優位性を探ることが可能になります。優位性が分かれば基本戦略を考えたり、競争分野を決めたりすることができます。

バリューチェーンの構成要素

バリューチェーンは、主活動(主要活動)と支援活動(副次的活動)に大別することができます。主活動とは、商品やサービスがお客様に届くまでの一連の流れに直接的な活動のことです。具体的には、購買活動、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスの5つです。支援活動とは、商品やサービスがお客様に届くまでの一連の流れに直接的な活動を持たず、商品を届ける流れを支える活動のことです。具体的には、全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動の4つです。主活動の5つのプロセス、支援活動の4つのプロセスにおいて、価値(バリュー)を付けていくのがバリューチェーンの基本的な考え方です。また、バリューチェーンは個別に分析することによって、どのプロセスでどれくらいの付加価値が生まれているのかを明らかにしてくれるフレームワークです。

ただ、付加価値は何でもいいから付け加えればいいというものでもありません。付け加えることによってデメリットが生じる機能やサービスの追加は無駄なコストを発生させます。また、使用感の悪さやデザイン性の低下に繋がります。メリットどころかデメリットになってしまいます。ニーズがない機能やサービスは付け加えるメリットがありません。付け加えることで顧客満足度が上がるもの、実用性が高まるものが付加価値です。

バリューチェーン分析のメリット

バリューチェーン分析は活動ごとに切り分けて分析するフレームワークです。活動ごとに強みや弱みを明確にしていくことで、重要度の高い課題が見つかります。また、競争優位性を高める差別化戦略の構築にも役立ちます。

強みと弱みの洗い出しをすることができる

バリューチェーン分析をすることで、自社の強みと弱みを知ることができます。強みが分かればそれを全面に押し出すなどの大胆な施策を打ち出すこともできます。バリューチェーン分析によって、成功するための条件を洗い出すことができます。強みを最大限に活かすことで弱みをカバーすることも可能です。

競合他社の戦略を予測し差別化することができる

バリューチェーン分析によって競合他社の施策を予想することができます。それができると、消費者のニーズや市場の状態を見ながら今後の戦略を立てることができます。競合他社との差別化を図る施策も打ち出せます。

リソースを効果的に配分することができコスト削減につながるバリューチェーン分析によって優先的にするべきプロセスが分かります。優先度の低いプロセスも分かります。それが分かることによって経営資源である、ヒト、モノ、カネ、情報、ノウハウを再配分することができます。経営資源を最適なプロセスの分配することによりコスト削減につながります。

バリューチェーン分析のステップ

バリューチェーンの内容を把握する

バリューチェーンを主活動と支援活動に分類して内容を把握します。

各プロセスのコストを把握する

洗い出した各プロセスにかかっているコストを把握します。一つの表にまとめると全体把握や情報共有が容易になります。

強みと弱みの分析をする

自社の強みと弱みだけでなく、競合他社の強みと弱みも分析します。その上で、自社が競合他社よりも強い点、弱い点を明確にします。強みと弱みを分析する際には、様々な立場の人から意見を集めるのが良いです。

VIRO(ヴェリオ)分析をする

価値、希少性、模倣可能性、組織の順に分析します。「価値(Value)それは組織に利益をもたらせる価値があるものなのか」「希少性(Rarity)それは希少性の高いものなのか」「模倣可能性(Imitability)それは真似をされにくいものなのか」「組織(Organization)それを活かせる組織であるものなのか」

VIRO分析用の表を作成して各担当者に記入してもらうのが良いでしょう。これにより、価値が高く、希少性があり、模倣困難な経営資源が何なのかを把握することができます。

バリューチェーンについて紹介しました。バリューチェーンを分析することで自社だけでなく競合他社の強みや弱みを明確にすることができます。バリューチェーンを最大限に活用すれば、差別化戦略や集中戦略など多彩な戦略を展開することができます。この機会にバリューチェーンを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

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