クールビズのマナーや押さえておきたい定番の服装

更新日:2023.03.01ビジネス豆知識

暑い季節の半袖着用でクールビズ

いよいよ暑さが本格化するなか、環境庁による運動で5月1日~9月30日まで実施されるクールビズ。スーツ姿での出勤が辛くなり始めたら、軽装での勤務がおすすめです。とはいえビジネスシーンでのクールビズには一定のマナーがあり、ラフ過ぎる格好は望ましくありません。そこで今回は、暑さを緩和しつつビジネスシーンにふさわしい装いのポイントや定番の服装をご紹介します

クールビズの概要とメリット

クールビズは環境省が推進する国民運動「COOL CHOICE(賢い選択)」の主要施策に含まれます。ほぼ毎年、開始時期は5月から6月頃です。

そもそもクールビズとは

そもそもクールビズとは、地球温暖化対策の一環として政府により提唱された施策のひとつです。クールビズは、2005年から提唱され始めました。主な目的は、暑い日々の続く夏場を快適に過ごすライフスタイルの推進です。具体的な取組としては、適度な冷房温度の設定、気温に適した服装の選択、冷房に頼らず室内を涼しくする工夫が挙げられます。

冷房を設定する時の目安は、室温28度です。服装に関しては、屋外や室内の気温に応じて素材や色使いを柔軟に選びながら軽装で生活することが促されています。過度に冷房を使わず室内を涼しくする工夫には、ブラインドや緑のカーテンの設置があります。日常生活で軽装を心がけると、冷房温度をあまり低く設定しなくても済むでしょう。ブラインドは西日よけになり、緑のカーテンは日射により生じる熱エネルギーの遮蔽に効果的です。これらを実践すれば、冷房の使い過ぎの防止につながります。

クールビズがもたらすメリット

クールビズがもたらすと期待される主なメリットは、「地球に優しい」「身体に優しい」「お財布に優しい」の3点です。涼しい衣服を心がけ室内設備を工夫すると、冷房の温度設定を低く調節する必要がなくなり使い過ぎを避けられます。各職場や家庭で軽装をはじめとする取組を実践すれば、エアコンからの二酸化炭素の排出量は抑えられ、地球温暖化対策にも有効です。

冷房の温度を外気温程度に設定すると、身体の自律神経やホルモンバランスの崩れを防ぐのにも効果的となります。冷え過ぎにより汗腺の働きや体温調整機能が衰えるリスクが減り、健康的な生活の維持につながります。冷房を使い過ぎなければ、それだけ出費はかかりません。帰宅後、すぐスイッチを入れず部屋の窓から室内の熱気を逃がすと、エアコンの冷却効果は高まります。冷房の使用を控えることには地球温暖化対策以外のメリットもありますので、上手に使うことをおすすめします。

どんな装いがふさわしい?

暑い日々を快適に過ごすためのクールビズですが、涼しければよいわけではありません。ビジネスシーンにふさわしい清潔感のある装いがマナーです

環境省が示すガイドライン

環境省によれば、クールビズ期間の服装の可否について以下のガイドラインが示されています。5月から始まるクールビズの服装として、ノーネクタイ、ノージャケット、半袖シャツ、かりゆしシャツ、チノパンは「可」です。そのうちノージャケット、かりゆしシャツ、チノパンは、まだ十分に浸透していません。

6月以降のスーパークールビズになると、さらにポロシャツ、アロハシャツ、スニーカーも加わります。Tシャツ、ジーパン、サンダルも、TPOに合わせた節度の感じられる範囲であれば「可」です。いずれの場合にも、ランニングシャツとハーフパンツは原則不可になっています。何を着るか迷った時は、こちらの情報を参考にして下さい。

ビジネスに適したスタイル 男性編

男性の場合、クールビズの一般的なスタイルは、ノーネクタイ・ノージャケットです。通常のスーツ姿からネクタイとジャケットを取り除いただけのパターンがよく見られますが、これはクールビズを誤解した服装と指摘されています。クールビズの基本となるポイントは、涼しげな印象です。単にジャケットを脱いで首からネクタイを外しても、涼しさをアピールできるとは限りません。

無造作に襟元を開くと、清潔感が失われマナー違反になる場合もあります。ジャケットを着用しない時、シャツは涼しく見える素材を選ぶとよいでしょう。インナーにVネックを着ると、襟元からはみ出さず安心です。シャツの素材が薄手であれば、インナーが透けないか配慮も忘れてはいけません。

ビジネスに適したスタイル 女性編

女性の場合、いまのところ男性と異なりビジネスに適したスタイルは明確に定義されていません。とはいえ涼しげな印象=過度な露出ではないと押さえ、清潔感ある服装が大切です。ビジネスシーンにおいて、露出過多はマナーに反します。ノースリーブ、キャミソール、極端に短いスカート、はだしと見間違える様なデザインのサンダルはNGです。

胸元の大きく開いたトップスも、周りに不快感を与える可能性があり望ましくないといえるでしょう。露出せず清潔感と涼しさをアピールするなら、色合いは目を向けたいポイントです。水や雪を連想させる青系や白、また木陰を思わせる緑は見た目に涼しいといわれます。同じデザインの服でもクールビズを意識するなら、色合いに着目してみて下さい。

定番はこんな服装

ビジネスシーンにふさわしいクールビズの定番スタイルは、年齢や性別により違いが見られます

フレッシャー~入社2年目

入社したばかりのフレッシャーから入社2年目くらいまでは、いきなり自分なりのクールビズを実践するのは難しいかもしれません。周りの目が気になる時には、上司や先輩を参考にしましょう。男性の定番を示すと、おすすめのコーディネイトはクールビズ用のシャツに紺やグレーのスラックスの組み合わせです。

シャツは長袖でも半袖でもかまいませんが、汗のシミを目立たなくする清涼素材が適しています。女性なら、ブラウスにパンツやスカートを合わせたオフィスカジュアルが定番です。ブラウスの色味は、濃い目より淡い感じのほうが清潔感や涼しさを演出できます。くれぐれも、素材はインナーが透けないタイプを選びましょう。

入社3年目~アラサー世代

入社3年目からアラサーと呼ばれる世代は、仕事関係にとどまらずオフィスで責任ある立場も任されます。クールビズの服装についても、フレッシャーの手本となるスタイルが望まれます。男性のコーディネイトは、フレッシャーでも見習える長袖シャツに紺やグレーのスラックスが定番です。最近はポロシャツやコットンパンツも容認されていますが、ラフになり過ぎると周りからの信頼を損ねる場合もあるので、注意しましょう。

女性にとって、アラサー世代はいろいろな生活スタイルを選べる時期といわれます。服装を見ると、人気のスタイルは仕事とプライベートともに使える装いです。通勤時の電車内やオフィスの冷房対策にカーディガンを用意すると、コーディネイトの幅も広がります。

アラフォー世代

アラフォーと呼ばれる世代になると、管理職に着任するケースが増えます。職場の部下だけでなく、社外にも配慮が欠かせません。カジュアルであってもラフにならず、端正な服装が望まれます。男性は、衣類の素材やブランドをこだわるとシャツにスラックスを組み合わせる定番スタイルに高級感を与えられます。

襟を開いた時にだらしなく見せないため、インナーにも気を使って下さい。女性のアラフォー世代は、仕事もプライベートも非常に忙しくなるといわれる年代です。この年代の定番は、着心地と見た目のいずれも考慮した才色兼備のスタイル。オンオフともに使える服装は、多忙なアラフォー女性に適しているといえます。

職場では年齢や肩書きによってクールビズに求められる服装も異なるため、涼しさを追い求めるだけでなく立場に見合ったスタイルを心がけましょう。

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