FAXはまだ現役?ビジネスシーンでの利用状況

2020.04.01ビジネス豆知識
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インターネットが普及する以前、画像情報の伝達手段は「ファックス(以下、FAX)」が主流でした。今から90年近く前に誕生したFAXですが、日本国内での保有率・利用率は、未だ高い水準を維持しています。

それは国内企業も例に漏れず、FAXで受発注処理などを行う現場は少なくありません。“ペーパーレス化”が囁かれる時代において、なぜ国内企業の多くは、FAXを使い続けるのでしょうか。今回は、日本のビジネスシーンでFAXが活用される理由を掘り下げます。

FAX

日本人にFAXが支持される理由

総務省が公表した「平成30年通信利用動向調査の結果」によると、2018年時点における一世帯あたりのFAX保有率は、34.0%となりました。2008年時点の保有率は53.5%であったため、10年間で約20%低下した形です。

FAXが日本で生まれたのは、1928年のことです。当時は“写真電送”という名称で呼ばれ、新聞社を中心にさまざまな業界・業種で活用されました。後に一般家庭にも普及しましたが、2000年代に突入してから保有率が低下します。その背景には、パソコンとインターネットの普及があります。

インターネットが普及する以前、FAXは画像情報を伝達する貴重な手段でした。それがインターネットとパソコンの登場により、画像情報をメールで送信できる様になったのです。また、家庭用デジタルスキャナーやデジタルカメラの登場も大きく、これらを併用することでFAXの代替が可能となります。

しかし、2018年時点におけるFAXの保有率は34.0%と、高水準を維持しています。その理由について有識者は、「日本人は手書き文章を好むため、あえてFAXを使う」と話しています。

高齢者やITリテラシーの低い人ほど、FAXでのやりとりを好む傾向にあります。従って、「使い慣れている」「パソコンを持っていない」などの理由から、FAXを保有・利用する人が多いと考えられます。なお、先述の調査結果は一般世帯を対象としており、企業は含まれていません。国内企業においては、全事業所の約9割がFAXを利用していることが分かっています。

参考:平成30年通信利用動向調査の結果

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf

ビジネスシーンでFAXを活用するメリット

撤廃する海外企業が増える中、なぜ国内企業はFAXを使い続けるのでしょうか。ここでは、ビジネスシーンでFAXを活用するメリットを考えます。

メリット1.到達確認ができる

多くのFAXは、到達結果の確認機能を搭載しています。FAX番号さえ間違えなければ相手に確実に届くため、メールよりも正確性の高い通信手段だといえます。また、端末に送信履歴が保存されるのもポイントです。履歴からデータの送受信トラブルを防げるため、未だ注文処理や受発注をFAXで行う企業は少なくありません。

メリット2.開封率に優れる

メールの場合、何らかの理由で迷惑メールフォルダに分類されたり、そもそも開封されなかったりする恐れがあります。FAXは送信すれば確実に相手へ届くため、メールでいう「開封率」においては100%となります。情報を認知させる目的ならば、メールよりも優れる伝達手段です。

メリット3.セキュリティ性が高い

各種データをインターネット経由で送信する場合、セキュリティリスクを考慮しなければなりません。とりわけ近年は、企業を狙う標的型攻撃、それにともなう情報漏えい問題などが発生しています。FAXは古典的な通信手段ですが、インターネットに比べてセキュリティ性が高く、その部分が企業に評価されている印象です。

FAXにおけるビジネスマナーとは?

FAXの送信においても、守るべきビジネスマナーが存在します。ここでは、相手に失礼のないFAXの送り方をご紹介します。

送信前に連絡を入れる

FAXを送信する際、相手に「これからFAXで資料をお送りします」と伝えるのがマナーです。通常はメール、急ぎの要件であれば電話で連絡を入れましょう。また、FAXの送信後に連絡を入れると、親切な印象を与えます。仮に送信エラーが発生しても迅速に対応できるため、送信前後のやりとりは欠かさず行いましょう。

1枚目は送り状にする

送信書類の1枚目は、送信日や送信枚数、発信元情報を明記した送り状にします。自社で専用フォーマットを用意している場合、それをもとに送り状を作成しましょう。なお、急ぎの要件で送り状を付けないならば、書類の端に発信元情報や送信枚数などを手書きで明記します。

一度に大量の書類は送信しない

一度に大量の書類を送信するのはマナー違反です。長時間にわたって相手の回線を塞ぐほか、コピー用紙を必要以上に消費させてしまいます。基本の送信枚数上限を10枚として、それ以上になる場合はメールや郵送で送ると良いでしょう。また、FAXで機密情報を送信するのは避けて下さい。送信相手以外の目に触れたり、番号のかけ間違えから無関係な方に送ったりするリスクがあります。

FAXが現役で活躍する業界とは?

FAXが現役で活躍する業界をご紹介します。各業界には、FAXを使わなければならないさまざま事情があるようです。

マスコミ業界

テレビ局をはじめ、マスコミ業界では頻繁にFAXが使われています。その理由は大きくわけて2つ、「情報の正確性を高めること」「視聴者による“いたずら投稿対策”の一環」です。例えば、ニュース番組の製作現場では、昼夜問わず取材活動が行われます。その際、FAXで取材申請し、最後までやりとりするケースは少なくありません。取材記録が書面に残ることから、対面でのインタビュー取材よりも、情報の正確性が高まるわけです。

また番組内において、視聴者からのお便りを紹介するコーナーがあります。多くがFAXで募集している背景には、視聴者による“いたずら投稿”の増加があります。SNSで募集する方が効率的に思える反面、いたずら投稿も多く、信憑性に欠ける情報ばかり集まるようです。従って、番組へのお便りはFAXで募集するのが主流となっています。

不動産業界

不動産業界においては、資料請求や物件情報の共有にFAXを用いるのが一般的です。こちらはマスコミ業界とは違い、意図的にFAXを使っているわけではありません。ITリテラシーの程度を問わず、幅広い方と効率的にやりとりできるためです。また電話での物件問い合わせに対し、間取り図を送信する際にFAXは重宝します。

近年注目される“ペーパーレスFAX”

政府推進の「働き方改革」には、オフィスの“ペーパーレス化”も含まれます。それにともない、紙を消費しないペーパーレスFAXを導入する企業が増えています。

ペーパーレスFAXには、パソコンと複合機などを接続する「PC-FAX」と、インターネット経由でデータの送受信を行う「インターネットFAX」の2種類があります。それぞれの特徴を解説します。

PC-FAXとは?

PC-FAXとは、パソコンと複合機などを直接接続し、各種データのやりとりを行うペーパーレスFAXの一種です。従来のFAX機とは異なり、書類管理が容易になったり、印刷コストを削減できたりします。ただし、利用には電話回線が必要となるため、これまで同様の通信コストが発生します。

インターネットFAXとは?

インターネットFAXは、インターネット回線でデータを送受信するのが特徴です。これまでのFAX機とは違い、電話回線による通信コストが発生しません。FAXの運用コストを大きく削減できる理由から、今日ではさまざまな企業で導入されています。また、利便性においても、従来のFAX機より遙かに優れます。

例えば、相手のFAX機に関連資料を直接送信する、受信したFAXデータをパソコンで閲覧する、といったことが可能です。インターネット環境があれば外出先でも送受信できるほか、海外送信にも対応します。

FAXの使用頻度はいまだに高いものの、数年後にはどうなっているのか分かりません。もしかすると、ほかの通信手段がメインとなっている可能性もあります。ただし、FAXにはメリットも多数存在します。職種や業界などに応じて、適した通信手段を使い分けていきましょう。

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