接遇マナーを押さえて会社のイメージをアップ!
更新日:2023.04.06ビジネス豆知識接客とおもてなし。両面のマナーレベルを磨き上げることで、その会社に対するイメージは向上します。しかし、接客マナーやおもてなしの心得を学んでおかなければ、いざ必要な場面になった時に、相手を不快にさせてしまいかねません。秘書としてお客様をお迎えする時は、しっかり接遇マナーを押さえておきたいところです。
目次
接遇マナーとは?その心得について
秘書による接遇とは、相手の方にとって最良のサービスや心遣いを提供することです。単に、その場限りのビジネスマナーを守って応対していれば十分というわけではありません。見た目や言葉使い、さらにオフィス環境を快適に整えるというところまで、可能な限り配慮を欠かさず、相手の方にできるだけ満足感を抱いてもらうことを目指します。秘書の地道な努力が、良好な人間関係を築き上げることにつながるのです。
その際、秘書は「自分が会社の顔である」と自覚することも大切。秘書の印象が、上司ならびに会社のイメージを大きく左右すると認識しておく必要があります。自分の何気ない行動でも、ほかの社員や会社全体の評価につながると考えて差し支えありません。
普段、どうすれば相手の方に好印象を持ってもらえるか意識しておかないと、いざ接遇する場面になって自然に振る舞うのが難しくなるでしょう。その場しのぎの言動は周りに違和感を与え、イメージダウンにつながるかもしれません。そんな事態を招かないためには、日頃から接遇の心得について意識することが大切です。
好印象を与える要素とは?
接遇において好印象を与える基本的な要素は、大きく外面的なもの、内面的なもの、環境的なものの3つに分けられます。
外面的な要素について
外面的なものとは、見た目に関わる表情と身だしなみ、あいさつにはじまる言葉使い、それらにともなう具体的な所作です。表情はいつでも親しみやすい笑顔を心がけ、身だしなみは清潔感とともに仕事の邪魔にならない機能性も考えます。言葉使いは、正確性だけでなく優しさも欠かせません。所作では、落ち着きある態度ときびきびした動作が基本です。
内面的な要素について
内面的なものとは、人柄や資質に関わる部分を指します。仕事でもプライベートでも、さわやかで明るい性格の人は基本的に歓迎され誠実であれば信頼されます。とはいえ杓子定規になり過ぎると堅苦しく思われるので、適度な柔軟性や愛嬌は不可欠です。また、どれほど仕事の能力が高くても、謙虚な姿勢を忘れてはいけません。
環境的な要素について
環境的なものとは、職場内の状況や雰囲気です。オフィス内がきれいに片付いていれば、仕事もきちんと処理できると信じてもらえるでしょう。室内をこまめに掃除し、各自のデスク周りも整頓しておくと職場の評価向上をもたらします。
取り次ぐ際の基本
来客があった時、上司に取り次ぐ際の基本は正確な情報確認です。お客様がどんな要件で会社に訪れたか、来訪目的を正しく把握する必要があります。取り次ぎで正確さに欠けると、それだけでお客様から不快に思われることも。これでは、「相手の方にできるだけ満足してもらう」という接遇の目的を取り次ぎの時点で果たせなくなります。
確認ミスの防止に、復唱は必須です。相手の方がどれほど急いでいても、この作業を怠ってはいけません。落ち着いて相手の言葉を繰り返し、聞き間違いがないかしっかりチェックします。必要があればメモも取りながら、正確な情報把握に努めます。
同時に、真心のこもった応対も大切です。荒っぽい言動は論外ですが、確認作業に集中するあまり態度が冷たく事務的になるのも好ましくありません。いくら言葉使いを丁寧にしても、それだけでは満足してもらえないでしょう。接遇と呼ぶにふさわしい最良のサービスを提供するのであれば、表面的な言葉にとどまらず思いやりのある態度で接することも望まれます。
正確だけではダメ!迅速さや公正さも大事
来客を取り次ぐ場合には、正確であるうえに迅速さも大事です。場合によっては緊急の要件で来訪している可能性もあるので、どんな時にも速やかに処理する必要があります。迅速に行動するには、会社の業務状況や仕事の取引先など会社内外の動向について、日常的に情報を集めておくのが効果的と考えられています。
接遇のマナーとして、公平であることも重要です。相手の方の身分や服装に応じて、態度を変えてはいけません。自分がどれほど親密にしていても、優遇措置やなれなれしい言動は控えます。誰に対しても、その立場や身なりに関係なくマナーをわきまえ分け隔てなく平等な態度で接します。
相手の方の性格を考慮することも、接遇で心がけたいポイントのひとつです。のんびりした人は急がせず、口うるさい人であれば素直に話を聞き、無口な人には自分から率先して話しかけるなど、いろいろ工夫するのがよいといわれています。
なお、実際に取り次ぐかどうかは上司の仕事の状況や健康状態、来客の予約・紹介の有無、用件の重要性や有益性をふまえて判断します。判断に迷った場合は、上司に連絡して指示を仰いで下さい。
相手を待たせる場合の心構えとは?
来客を取り次いでも、すぐ指名された社員が会えるとは限りません。その社員が社内にいなければ最初に不在をお詫びするとともに、その理由や会社に戻る時間を伝えます。次に相手の都合を確認し、そのまま待ってもらうか伝言を預かるか、あるいは改めてアポイントを取ってもらうか確認します。
指名された社員が会社にいるものの別件のため来客を10分以上待たせる場合は、その理由と待ち時間を告げてお詫びするのが基本です。上司や同僚が動ければ代理人として応対してもらい、その社員の手が空いたら改めて取り次ぎます。
30分以上にわたり来客を待たせる時でも、基本的な対応方法は変わりません。ただし相手の方が代理人を望まず、本人が来るまで待つといわれるケースもあります。その際には、上司や同僚が応対するわけにはいきません。秘書が責任を持って一定時間ごとに状況報告するとともに、お茶や雑誌をサービスするといった心配りが必要です。
応接室への案内の仕方も大切
来客時には、応接室への案内の仕方も大切です。廊下の歩き方、階段の歩き方、エレベーターの乗り方・降り方、応接室の入り方には、それぞれ注意点があります。
廊下では、応接室に案内する旨を伝えた後、秘書が先に歩き出します。通常、お客様は廊下の中央を歩くので、自分自身は右側のななめ前を歩くのがマナーです。歩く速度は相手の方に合わせ、あまり間隔を空けずに進みます。曲がり角では、手で方向を示しながら「こちらでございます」と案内して下さい。
階段の歩き方は、基本的に廊下と同じです。昇り降りの前には、「階段ですので、お足元にお気をつけ下さい」と注意を促します。
エレベーターに乗る時は何階に行くか告げてから呼出ボタンを押し、エレベーターが到着するまで待機です。エレベーター内には秘書が先に入り、来客が乗るまで「開」ボタンを押しておきます。降りる時は、来客に続いて自分もエレベーターを出ます。
応接室の入り方は、まず「こちらでございます」と伝え、ノックしてからドアを開けて来客をお通しするという流れです。室内では帽子や傘を預かり、お待たせする場合は雑誌などを用意します。退室時には「間もなくまいります。少々、お待ち下さい」と告げ、一礼して部屋を出ます。
なお、歩き方や部屋の入り方は形式上のマナーであり、いずれの場合もお客様に対する思いやりの気持ちを忘れてはいけません。
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