最新技術も活用!進化するコールセンター

更新日:2022.05.06コールセンター

システムを監視する女性

最近は様々な分野で話題に上がっているAI(人工知能)は、コールセンターではこうした最新技術も取り入れ、顧客満足度を向上させているケースがたくさん存在します。

今までのコールセンターはオペレーターが顧客の話を聞き、尋ねられた項目に該当する資料を検索して回答する流れが主流でした。しかし場合によっては時間がかかり、お客様を待たせてしまい不満を募らせることも多くありました。AI技術を取り入れることによって、これまでよりも大幅な時間や労力の短縮が実現しました。今回は、コールセンターの採用するAI技術について説明します

最新技術「AI」を使って情報解析

AIがオペレーターの回答を支援

既にメガバンク数行でも採用されている、AIシステムを利用した例として、言葉を理解して学習・予測する「人工知能型の意思決定システム」があります。

顧客からかかってきた電話を、音声認識で文字データに変換しシステムに取り込み、回答の候補をシステムに蓄積されているデータから照会し、オペレーターが使用するディスプレイ画面上に表示します。オペレーターはそれを見て回答するので、自分で調べる時間が要りません。

他にも、過去の音声や文章データを分析して、新たな知識としてシステムに取り込むこともできるようになりました。顧客をタイプ別(年代・性別・家族構成など)に分類し、問い合わせ傾向を把握するという、人が同等の業務をこなすとしたらかなり時間を費やすものについても、対応することができます。

集められたデータから導き出される回答によって、1件あたりの問い合わせ時間は短縮され、顧客満足度も向上されます。

効率的な電話の振り分けとオペレーターのトレーニング強化

大手保険会社のコールセンターが採用しているシステムは、顧客からの電話番号による振り分けをより高度にしたものです。

発信者番号でかかってきた相手が高齢者であると電話番号で判断すると、音声自動応答システム(IVR)を経由せずに直接オペレーターに繋ぎ、IVRに不安や苦手意識をいだきやすい高齢の契約者に高評価を得ています。

他にも、2回目以降の問い合わせと判断されると、IVRを経由せずに前回の問い合わせ時と同じオペレーターに繋がります。これも、同じオペレーターであれば、前回の説明を最初からすることなく会話できるので便利です。

またAIシステムによる統計情報を活用している例もあります。従来は、オペレーターの中でより会社に貢献しているのは誰か、といった給与査定に関する事は、契約者アンケートや聞き込みなどで人力を使って判断するしかありませんでした。AIを使うことにより、こういった統計が数値化されて見た目にわかりやすくなりました。

さらにオペレーターごとの得意・不得意分野が分かりやすくなったので、トレーニングを効果的に行えるようになり、業務の効率化に役立っています。

完全機械化の可能性も?!コールセンターの未来

脳内の情報

日々進化していくAI技術ですが、近い将来、「人間ではなくロボットなどの機械ができる職業が多数存在するようになる」というニュースを見かけることが増えてきました。

AIの活用が先行しているアメリカの金融機関では、「相手が人間だとプライベートなお金の相談がしづらいけれど、AI相手だと安心できる」という顧客の意見もあるそうです。反対に「機械よりも、信頼ができる担当者に話したい」という意見もあります。しかし、それはAI技術が進んでいるアメリカだからできる状況であり、そこまで進んでいない日本語では、AIの対応もそこまで万能にはなっていません。特に日本語は同音異義語も多く複雑なので、言語判別がかなり難しいとされています。

また、イントネーションや滑舌・方言の判別になると更に難しいものとなるでしょう。人工音声の質も人間の肉声とは明らかに異なっており、違和感を覚える人も多いです。将来、高齢化社会が進むにつれ、聴覚をはじめ、機械での応対に不安を感じる人が増える可能性が高いです。

将来的にAIの技術が格段に進化を遂げたとしても、コールセンターのように直接お客様と接する業務を完全に機械化するのは難しいようです。それでも簡単な業務であれば、AIが難なくこなせる時代がいずれやってくるのは間違いないでしょう。

AIによって人の言葉の抑揚や端々に隠れているキーワードから、感情の起伏すら解析して数値化するという技術が進んでいます。人間でも直接話している相手に対して模範的な回答を短時間で導き出すのは、難しいことです。

AIを有効活用し、従来の方式とともに顧客のニーズにあわせて進化し続けるコールセンターは、今後ますます便利なサービスへとなっていくことでしょう。

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