もしもし検定過去問:第十七問「電話を交代する時の敬語」
更新日:2022.04.27スタッフブログ「もしもし検定の過去問を電話代行サービス(株)のオペレーターが解説」のコラム、第十七回目となります。
前回に続き、今回ももしもし検定を実施している「日本電信電話ユーザー協会」様のお話をさせて頂きます。こちらの協会は、もしもし検定だけをやっている訳ではありません。
実はこれ以外にも、「電話応対コンクール」というものを毎年実施しています。このコンクールは、毎年設定される競技問題を元に、全国から電話対応の技能を知りたい皆様が参加されます。特に目を向けて頂きたいのが、競技問題です。
毎年、しっかりとした企業情報を制作し、自身がその企業のオペレーターとして電話対応をすることになります。もしも、電話対応の練習をしたいとお考えの場合には、こちらの競技問題を参考にされるのもよいかもしれません。
では、今回の第十七問の問題はこちら
▼もしもし検定の問題17
設問
取引先の会社の課長から、あなたの上司の課長に電話がかかってきました。始めは席を外しているようでしたが、タイミングよく席に戻ってきました。どのように相手に告げて電話を交代しますか。敬語の使い方で一番ふさわしいと思うものを、次の中から1つ選びなさい。
- 「ただいま、ちょうど戻ってこられましたので、お電話代わります」
- 「ただいま、ちょうどお戻りになりましたので、お電話代わります」
- 「ただいま、ちょうど戻ってまいりましたので、お電話代わります」
- 「ただいま、ちょうど戻ってきましたので、お電話代わります」
公益財団法人電信電話ユーザー協会(編)(2013年)
『電話応対技能検定(もしもし検定)3・4級公式問題集』(日本経済新聞出版社)
問題へのアプローチを電話代行のオペレーターが解説
今回は日本語の敬語に関してですが、取引先の会社の課長に対しては尊敬語を使います。ここは既にご存じかとは思います。そして、自社の課長ですが、自分の上司に対してどうするかです。自分自身が自社の課長とどのような関係であっても、取引先の課長から見れば身内となります。上司であっても、他社から見たら1人の社員です。そのため、謙譲語を使うことが正解です。
もしもし検定の解答
正解:3
電話代行のオペレーターによる徹底解説
日本語の問題では、当然出てくる尊敬語の問題です。学生の時にしっかりと国語の勉強をしていないと迷うかもしれませんが、これから個別に解説をしますので、一緒に勉強をしましょう。
1.ただいま、ちょうど戻ってこられましたので、お電話代わります
「こられました」というのは自社の課長に対して尊敬した言葉を使うことになります。アプローチで書いたように自社の人間に対して謙譲語を使用することになるので、間違いと言えます。
2.ただいま、ちょうどお戻りになりましたので、お電話代わります
「お戻りになりました」というのが、尊敬語にあたります。ということは、選択肢の1と同じようにこちらも間違いということになります。
3.ただいま、ちょうど戻ってまいりましたので、お電話代わります
正解です。ここでの「まいる」は、「来る」という言葉の謙譲語であり、へりくだった表現となります。
4.ただいま、ちょうど戻ってきましたので、お電話代わります
選択肢3と似ており、自社の課長が上になる言葉は使われていない点は同じです。親しい仲での会話ならこちらの表現で問題ありませんが、電話の相手は取引先の人間です。謙譲語が使用されていないため、間違いです。
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