もしもし検定過去問 2級技能第八問「バイト敬語を指摘し修正」

更新日:2022.10.31スタッフブログ

パソコンを操作する男性

「もしもし検定の過去問を電話代行サービス(株)のオペレーターが解説」のコラムです。今月は真夏企画「あなたはこの問が解けるか!?」と題しまして、日頃は3・4級の問題を出すところを、上位級である1・2級の問題を紹介し、皆様をさらなる高みへ導こうと考えています。

今回で真夏企画「あなたはこの問が解けるか!?」は終了となります。1ヵ月、長いようで短い期間でした。全部で八問。実際の試験ではまだまだ問題が出てきますし、今回だけで問題区分すべてをまかなうこともできませんでした。しかし、企画の最後を締めくくるのに、なんとも普通の問題を紹介しては面白味がありません。

今回は1級・2級の上位級で追加される「記述問題」を取り上げさせて頂きたいと思います。前回2級からとなりましたが、今回は2級の記述問題にさせて頂きます。少々問題の文量が多い上、明確な解答というのも難しいので、変則的な形となりますが、その点はご了承ください。

では、今回の特集第八問の問題はこちら

▼もしもし検定 二級技能問題8

設問

下記の5つの文例には、各問にそれぞれ2ヵ所、いわゆるコンビニ敬語、バイト言葉、マニュアル敬語な

どと言われる独特の言い回しがあります。2ヵ所を指摘しビジネスにふさわしい言い方に直しなさい。

  1. 「今後の私の後任の高木は、私より2コ下なのですが、結構やる気があるのです、わたし的にはいい形で引き継げると思っています」
  2. 「このままで提案するのですか?マジすか?これ、ダメっぽいなあ」
  3. 「お支払いは、カードとかからのお引き落としというかたちになっております」
  4. 「お使いになる方のお名前様を頂戴してもよろしいでしょうか」
  5. 「なにげに聞いていましたけど、課長!それはヤバイすよ」

電話応対技能検定専門委員会(編)(2013年)
『電話応対技能検定(もしもし検定)2/1級過去問題集』(公益財団法人日本電信電話ユーザー協会)

電話代行のオペレーターによる徹底解説

今回は「アプローチ」も明確な「解答」も省略させて頂きます。この問題の目的としては、しっかりと言葉の使い方を理解し以前紹介した問題でもあったように、新人や後輩へと指導できるように、誤った部分をどのように直すのが正しいののか、そこを理解しているか、を確認することが狙いです。次に紹介するのはひとつの解答例であり、これが全てではありません。別の言い回しであったり、別の角度から言葉選びをすることも可能です。

1.今後の私の後任の高木は、私より2コ下なのですが、結構やる気があるのです、わたし的にはいい形で引き継げると思っています

ひとつめは、「2コ」を「2年」に修正します。コというのは年齢を表現するのには適していないと言えます。年数を表すなら「2年」「2歳」「2つ」などになります。

ふたつめは、「わたし的には」を「わたしとしては」に修正します。「わたし的」というのは最近使われ始めた言葉の為、年配者などにはなかなか伝わりにくくあります。

2.このままで提案するのですか?マジすか?これ、ダメっぽいなあ

まずは「マジすか?」を「本当ですか?」に修正します。言うまでもなく若者言葉の代表です。「本当」「本気」という意味を持っていますが、現在の日本語としては、正しい敬語とは言えません。

ふたつめは「ダメっぽいなあ」を「これでは通りそうにありません」に修正します。独り言なら問題ありませんが、「ダメ」な可能性があるということなので「通りそうにない」というのが正しい答えと言えます。

3.お支払いは、カードとかからのお引き落としというかたちになっております

まずは「カードとかから」を「カードから」に修正します。「とか」という言葉を用いると、断定することが難しくなります。支払いは重要な要素なので、しっかりと伝える必要があります。もし、断定できない場合は「とか」よりも「など」で表現すると良いです。

ふたつめは、「お引き落としというかたちになっております」を「お引き落としでお願いしております」に修正します。「~のかたち」は、サービス業や小売店などで頻繁に使われてはいますが、正しいと言えません。「~のかたち」と入れるよりも、しっかりと断定して発言を明確にした方が正しいです。

4.お使いになる方のお名前様を頂戴してもよろしいでしょうか

まずは「お名前様」を「お名前」に修正します。「お名前様」というのは、見かける可能性があるかもしれませんが誤りです。「お名前」には「お」という尊敬語があるので、「様」を付けると二重敬語になってしまいます。

もうひとつは、「頂戴してもよろしいでしょうか」を「教えて頂けませんか」に修正します。「頂戴する」という言葉は、一般的には物をもらうために使われますが、お名前などは貰ったりできないものに「頂戴する」という言葉は正しくありません。普通に「頂く」が正しいです。

5.なにげに聞いていましたけど、課長!それはヤバイすよ

「敬語が使えない人の見本」として教科書などに書いてあるような表現ですが、まずは「なにげに」を「なにげなく」に修正します。正しい使い方としては「なにげなく」となります。ふたつめは「ヤバイすよ」を「問題があります」に修正します。「やばい」という言葉はもともと、危険な状態の時に使うものですが、最近では様々な意味で用いられるようになっていますので、前後の発言(文章)から意味を推測する必要があります。

併せて読みたいオペレーター推奨のもしもし検定過去問

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