コールセンターのAHT(平均処理時間)とは

更新日:2022.03.29コールセンター

PC画面を見ながら応対する女性スタッフ

コールセンターでの効率性を左右する重要な項目のひとつに「AHT(平均処理時間)」があります。少ない人数で効率よく電話対応するにはAHTの短縮が必要不可欠であり、各企業がさまざまな方法でATH短縮に取り組んでいます。ここではAHTの概要や短縮するための重要性、ポイントについて紹介します

AHTとは?

AHTはAverage Handling Timeの略であり、オペレーターが電話対応をする平均処理時間のことを言います。AHTは、ATT(平均通話時間)とACW(後処理時間)を合わせた時間ではかることができます。ATTとACWについて以下で詳しく見ていきましょう。

ATT

ATTは平均通話時間のことで、オペレーターがお客様と実際に会話をしている時間を指します。用件の内容やお客様のタイプによって通話時間が変わってきますが、理論上は平均通話時間が長ければ長いほどコストがかかることになります。

ACW

ACWは後処理時間のことで、電話が終わった後にオペレーターが処理をする時間を表します。例えば、電話で話した内容や顧客情報をパソコンに入力したり、ほかの部署やスタッフへ内容を転送することなどがACWに含まれます。たとえ早く電話を終わらせても、後処理に時間がかかりすぎていると、同じようにコストがかかることになります。

このようにオペレーターが電話を取って(かけて)から、次の電話にスタンバイできるまでの時間がAHTであり、この時間が短いほど1人で電話対応できる件数が増える計算になります。

AHTを短縮する重要性

AHTが短くなれば、それだけ1人のオペレーターが対応できる電話の件数が増えるため、AHTの短縮はコールセンターの人件費削減に直結します。1件の電話に対する処理時間が10分の場合と20分の場合では、かかる人件費は単純計算で2倍になります。人件費だけでなく、電話代などの通信費もかかるため、その費用はインパクトが大きいものとなるでしょう。

しかし、あまりにもAHTの短縮にこだわりすぎてしまうと、電話対応の品質を下げてしまう可能性も考えられます。確かに効率を上げることは大切ですが、お客様の質問や要望に対して十分な対応ができないまま電話を終わらせてしまうと、クレームが発生したり、信用を失ったりすることになるため、電話対応の品質を保ちながらAHTを短縮することが重要と言えるでしょう。

ATHを短縮するには

上述したように、ATHは平均通話時間と後処理時間の合計で求められるため、短縮するにはそれぞれ分けて考える必要があります。

まず、平均通話時間はお客様や電話内容によっても左右されますが、たとえば商品知識やよくある質問に対する答えをあらかじめ覚えておけば「少々お待ち下さい」とお客様を待たせて調べる必要もありません。その場ですぐ対応できるように、しっかりとした対応マニュアルの作成が重要でしょう。

また、お客様への質問の仕方や説明の方法に無駄がないかなど、通話内容を録音しておき、後から分析する方法も効果的と言えるでしょう。

次に後処理時間の短縮には、無駄を省くことが重要です。たとえば、電話で話した情報の入力方法が複雑になっていないか、他部署への取り次ぎ、転送方法が効率よく機能しているかなどを見直します。

これらを統括し、効率良く対応するためのシステムとして、CTIが挙げられます。CTIとはComputer Technology Integrationの略で、コンピューターの支援システムです。CTIの一般的な機能の1つに、顧客情報の表示が挙げられます。かかってきた電話番号が登録されている場合、顧客の名前や住所などが即座に表示されます。

また過去に何を買ったか、どのようなやり取りがあったのかなども同時に表示されるケースもあるため、お客様から情報を聞き出す時間が大幅に短縮できると言えるでしょう。

このように、一定の電話品質を保ちながらATHを短縮することが、コールセンターの経費削減につながります。AHTを短縮するために、上記の対処をしっかり行うようにしましょう。

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