超高齢社会で注目したいシルバー人材センターとは
更新日:2023.03.17電話代行シルバー人材センターは、高齢者の支援と地域社会への貢献を主な活動目的に掲げる組織です。同センターでは、企業などからの仕事の請負や人材派遣を主に行っています。労働意欲のある高齢者に仕事を提供できるため、国内で注目を集めています。企業が利用すれば、即戦力となる人材の確保にもつながるでしょう。そこで今回は、高齢化が進む日本の現状をふまえ、シルバー人材センターの概要や企業で利用するメリットをご紹介します。
目次
高齢化が進む日本の現状
現在、日本は高齢化の流れが止まらず、「超高齢社会」といわれる状況です。今後も高齢者の人口は増えると見られ、介護者不足の問題などが深刻化すると懸念されています。以下では、国内の年齢別の人口比や超高齢社会に伴う問題をご紹介します。
国内の年齢別の人口比
2022年9月現在、国内の年齢別の人口比は15歳未満11.6%・15~64歳59.3%・65歳以上29.1%です。総務省統計局のデータによると、2022年9月15日現在の日本の総人口は推計12,471万人と発表されています。年齢別に見た場合、15歳未満1,452万人・15~64歳7,392万人・65歳以上3,627万人です。
あくまで推計値ですが、総人口は前年より82万人減少しています。一方、65歳以上の高齢者は6万人増えました。また、総人口に占める割合は0.3%上昇し、29.1%に達しています。65歳以上の高齢者人口と総人口に占める割合はいずれも過去最高を記録し、日本における高齢化の流れは続いています。
「超高齢社会」といわれる理由
国内人口の現状が「超高齢社会」といわれる理由は、総人口に占める65歳以上の割合が20%を超えているためです。現在、「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」は、65歳以上の人口割合により区別されています。まず65歳以上の人口割合が7%を占めると高齢化社会、14%に及ぶと高齢社会、さらに20%を超えた時は超高齢社会と表現されます。
総人口に占める割合を算出する計算式は、年齢別の人口÷総人口×100です。総務省統計局が示したデータを当てはめると、65歳以上の割合は3,627(万人)÷12,471(万人)×100=約29.1%になります。過去のデータに目を向けると2000年の17.4%から2005年には20.2%まで上昇し、すでに20年ほど前から日本は超高齢化社会になっていたと理解できます。
超高齢社会に伴う問題
今後、超高齢社会の継続に伴い懸念される問題は、介護者不足・老々介護・高齢者の貧困などです。ここ10年ほど日本の総人口は減少傾向にあり、一方で65歳以上の人口割合は増え続けています。要介護になる可能性の高い65歳以上が増えるなか、介護の主力となる64歳以下が減り続ければ介護者不足は深刻化すると指摘されています。
介護者不足の深刻化により不安視される問題が、高齢者同士で介護する老々介護の増加です。同時に、社会保険料の値上げが続くと予想され、退職後に収入が減る高齢者の経済的負担は重くなり貧困化を招くとも心配されています。近年、医療技術の進歩もあり日本の平均寿命は延びているため、高齢者に対する支援や手当はこれまで以上に充実させる必要があると考えられています。
いま注目のシルバー人材センター
いま超高齢社会の日本で注目されるシルバー人材センターは、高齢者の生活や収入面を支援する組織です。以下では、当組織の概要や国内で注目を集める理由などについてご紹介します。
シルバー人材センターの概要
シルバー人材センターは、高齢者が生きがいを感じられる社会の実現と地域社会への貢献を主目的とした組織です。人の体は、年齢を重ねるにつれ体力や免疫力が低下します。それでも近年は、医療技術の進歩や健康志向の普及により、要介護の可能性が高まる65歳以上の高齢者も健康的に生活できるケースが増えました。
現在、多くの企業は、65歳を定年退職の年齢に設定しています。それに対し、心身ともに健康な65歳以上の高齢者からは、「定年退職後も働きたい」と希望する声が少なくありません。シルバー人材センターは、労働意欲のある高齢者に生きがいを感じてもらうため、働く場所を提供しています。同時に高齢者の能力・スキルを有効活用し、地域社会へ貢献することも目指しています。
国内で注目を集める理由
国内でシルバー人材センターが注目を集める理由は、働く意欲のある高齢者のニーズに応えられるためです。シルバー人材センターは、定年退職した高齢者が働きたいと希望した時、就業条件として何を希望するか確認します。そのうえで、希望条件に合わせ臨時的あるいは短期の仕事を提供することが可能です。
また、高齢者が起業を希望する場合、相談窓口の役割も果たします。起業時に必要な手続きについて高齢者から相談を受け付けるとともに、開業に向けた初期費用の調達もサポートします。高齢者のニーズをふまえ求人情報を提供するため就業に結びつきやすい点が、国内で注目されている大きな理由です。
基本的な業務内容や手続きの流れ
シルバー人材センターの基本的な業務内容は、次の通りです。
- 仕事の請負
- 仕事の委任
- 人材派遣
- 人材紹介
「仕事の請負」は、シルバー人材センターが仕事の発注者から業務依頼を請け負うスタイルです。行政機関や民間企業から仕事の依頼を受けると、同センターに会員登録した高齢者に請負業務を提供します。「仕事の委任」は、シルバー人材センターが受注した仕事を高齢者の会員に委任するパターンです。同センターは就業条件の見合う会員と委任契約を締結し、契約内容に沿って業務を実施します。
「人材派遣」は、シルバー人材センターの高齢者会員が仕事の発注者のもとへ派遣される方式です。この方式の場合、同センターは仕事の発注者と「労働者派遣契約」を交わすとともに、派遣する会員と「雇用契約」を結びます。「人材紹介」は、シルバー人材センターに会員登録した高齢者が仕事の発注者に紹介されるケースです。このケースでは、同センターの管轄地域に在住する高齢者も人材紹介の対象に含まれます。
なおシルバー人材センターは全国の市区町村に設置され、「原則60歳以上」などの条件を満たすと会員登録できます。
企業が利用するメリット
企業がシルバー人材センターを利用する主なメリットは、仕事の知識・経験が豊かな人材を確保できるところです。また、同センターは収益が目的でないため、経費節約にもつながります。以下では、これらのメリットについて具体的にご紹介します。
即戦力を確保できる
シルバー人材センターは高齢者の人材情報を多量に蓄積しています。企業が利用すれば即戦力として活躍できる高齢者を探しやすくなるでしょう。高齢の方々には、これまで多岐にわたる状況を乗り越えてきた知識と経験があります。ビジネス領域にとどまらず人生経験そのものが豊富であり、さまざまな業種で即戦力として活躍してもらえると期待できるでしょう。
経費の節約にもつながる
企業によるシルバー人材センターの利用は、人材採用に伴う経費の節減にも効果的といえます。シルバー人材センターは公益団体であり、収益を目的に活動していません。企業が利用する場合は国からの助成金や税制上の優遇措置を受けられるため、コスト面の負担が軽くなります。
また、企業側はシルバー人材センターの高齢者会員を直接雇用しません。仕事を発注した時は、同センターと委任契約や労働者派遣契約を締結します。社会保険料を負担する義務は発生せず、コストを抑えやすくなります。以上のメリットから、人手の足りない企業が多くの経費をかけず必要な人材を確保するなら、シルバー人材センターを利用する方法はおすすめです。
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