インターナルコミュニケーションで事業成長を目指す
更新日:2022.11.08ビジネス豆知識インターナルコミュニケーションは、従業員同士あるいは会社に対する理解の向上を促す広報活動です。社会的な価値観が多様になるなか、時代の変化に合う新たな広報のスタイルとして注目されています。上手に活用すれば従業員の一体感が育まれ、会社の事業成長を目指せるでしょう。そこで今回は、インターナルコミュニケーションの主な目的、メリット、代表的な導入方法や導入時の注意点などをご紹介します。
目次
主な目的やメリット
インターナルコミュニケーションは、組織が従業員向けに実施する広報活動です。さまざまな分野で価値観が多様化するのに伴い、適切な情報発信で従業員の一体感や会社との結びつきの強化を目指します。
社内で導入する目的
社内でインターナルコミュニケーションを導入する主な目的は、職場のチームワークを育むとともに会社に対する従業員の理解を深めることです。仕事の多くは単独では成り立たず、チームで進められます。それぞれの業務をスムーズに処理するうえで、チームワークは不可欠です。インターナルコミュニケーションは、各種広報活動を通じて従業員同士の相互理解を促します。
同時に、会社側の意思を従業員に伝える役割も担っています。従業員は会社の一員であり、収益向上に貢献する働きを怠れません。インターナルコミュニケーションは企業理念や経営ビジョンを職場に伝え、すべての従業員への浸透に努めます。また現場の声も重要と考え、それぞれの職場や従業員から会社への要望を届けることも大切な業務目的に掲げています。
実施がもたらすメリット
インターナルコミュニケーションの実施がもたらす大きなメリットは、従業員のモチベーションアップです。社内でインターナルコミュニケーションが適切に機能すると、従業員同士あるいは会社側と従業員との意思疎通は活性化します。経営トップや上司から部下へ、トップダウンで一方的に情報発信されるスタイルにはなりません。
従業員は、会社側の意思を把握したうえでチームのメンバーとも相互理解を深めながら自分の担当業務に取り組めます。何を目指せばよいか明確に分かり、良好な職場環境で作業を進められるため、モチベーションアップには効果的です。さらに現場で何か問題が起きれば経営陣と情報共有しながら対処できるところも、インターナルコミュニケーションに期待されるメリットのひとつに挙げられます。
いま注目される理由
最近、インターナルコミュニケーションが注目を集める理由はビジネスシーンを取り巻く環境が大きく変化したためです。近年は、社会的な価値観の多様化により個人の生活を重んじる意識が強まりました。仕事だけではなくプライベートの充実や家族との時間も大切と考えられ、政府は働き方改革を推進しています。
仕事についての考え方の変化は、組織と従業員との関係性にも影響を及ぼします。かつては組織に対する従業員の帰属意識が強く、縦の関係が一般的でした。最近は従業員の帰属意識が薄まりつつあり、フラットで並列な横の関係が増えています。これまで主流であったトップダウン式の広報活動が時代に合わなくなり、インターナルコミュニケーションは新たな広報のスタイルとして注目を集めています。
代表的な導入方法
インターナルコミュニケーションを導入する際、高い効果が見込まれる代表的な方法は社内報やブログ運営による情報発信です。職場の勉強会をはじめ社内イベントを開催すると、従業員同士の親睦を深めるのに役立ちます。
社内報やブログ運営
社内報は、以前から広く用いられている社内情報の発信方法です。最近は、ブログを運営するケースも増えています。以前から多くの会社では、社内向けの各種情報を社内報で知らせてきました。記事の内容は、紙面幅が限られるなか会社や従業員にとって必要な情報を一通りバランスよく掲載する傾向が見られます。
一方、ほとんどの職場でネット環境が整備されるとともに、新しく登場した方法がブログ運営です。とくにテーマ設定の決まりはなく、よく従業員の興味やニーズに応じたコンテンツが選ばれています。社内報は業務関係で必要な情報を幅広く扱う印象があるのに対し、ブログ配信は身近な存在として従業員の関心に目を向けるところが特徴的といえるでしょう。
職場の勉強会
ひとつの職場やチーム内で開く勉強会は、同僚やメンバー同士の親睦を深めるのに効果的です。テーマの選び方は、大きく分けると職場の仕事に直結するか参加者の好奇心を優先するかの2パターンがあります。参加者の好奇心を優先する場合、ビジネスと無関係のものは避け、日々の業務に活かせる題材が妥当といわれています。
いずれにしても勉強会を開くなら、できるだけ多くの従業員に参加してもらうことが重要です。日々の業務に直結していると堅苦しく感じられる時は、実用性の高い語学や金融関係、あるいはペン字講座などが適していると考えられます。テーマによっては業界の第一人者や著名人を講師に招くと、参加者全員の意欲を刺激するのに有効です。
社内イベントの開催
社内イベントの開催は職場や所属チームに関係なく、会社全体で従業員が交流するのに効果があり、インターナルコミュニケーションの定番ともいわれます。通常、社内向けのイベントは職場やチーム単位ではなく会社レベルで開催される事業です。従業員は、いずれの部署に在籍していても自分の所属先を気にせず参加しやすい雰囲気があります。
とくに普段から職場や部署の間で距離感が生まれている場合、会社全体の風通しをよくするのに役立つでしょう。イベントを通じて所属先の異なる参加者同士が活発に交流すれば、それぞれの職場や部署の間にあった距離は縮まると考えられます。また、イベントを準備する際、インターナルコミュニケーションでは各部署が協力しながら広報活動することも大切になります。
導入時の注意点
インターナルコミュニケーションの導入時に覚えておきたい注意点は、価値観を強要しない心がけです。会社や仕事に対する考え方について、人それぞれ多様であると受容する意識も欠かせないと指摘されています。
価値観の強要はNG
社内でインターナルコミュニケーションを導入する際、従業員に価値観を強要するのは避けましょう。インターナルコミュニケーションの主な目的は、広報活動を通じたチームワークの育成や会社に対する理解度の向上です。これらの目的を遂げるには、勉強会・イベントを開催する意味や重要性について明確に伝える必要があります。
ただ従業員に参加を強要しても、なぜ参加する必要があるのか理解を得られなければ、本来の役割を果たしたとはいえません。さらに、従業員が職場や会社に不信感や不満を抱いたら逆効果です。インターナルコミュニケーションの効果を高めるには、上手な広報活動により従業員の自発的な行動を促す姿勢が求められます。
多様な考え方を受容
実際にインターナルコミュニケーションを導入する場合、価値観の強要を避けるとともに注意したい点は、多様な考え方を受容する意識です。会社や仕事に対する考え方は、たいてい従業員ごとに異なります。同じ職場やチームに所属していても、個々の意見には違いが見られるはずです。現場では仕事の進め方について従業員の意見が一致せず、チーム内で衝突するケースも起きています。
インターナルコミュニケーションが広報活動で従業員同士の相互理解を促すなら、多様な考え方を受容する意識は不可欠です。さまざまな意見を受け入れることで従業員の一体感は育まれ、会社への理解も高まると期待できます。これから職場で導入する予定などがあれば、これらの注意点を心がけながら実施することをおすすめします。
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