持続可能な世界を実現する17のゴール
更新日:2023.02.24スタッフブログSDGs。読み方はエスディージーズです。持続可能な世界を実現するために、17のゴールと169のターゲットから構成されています。日本での認知度はまだまだ低いです。では、SDGsとは何なのか。今回はSDGsについて紹介します。
「SDGs」(エスディージーズ)
SDGsとは「Sustainable Development Goals(日本語では、持続可能な開発目標)」の略称です。正式な名称は「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。2015年に国連で開かれた、国連持続可能な開発サミットで世界のリーダーが決めた国際社会共通の目標です。
2016年から2030年までの15年間で世界が達成すべきゴールを表しています。2030年迄に世界の貧困を終わらせ、不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和と公正などのグローバルな諸問題を解決していくというコンセプトです。17の目標と169のターゲット(具体目標)で構成されています。
SDGsは2000年の国連サミットで採択された「MDGs」エムディージーズ(ミレニアム開発目標)に代わる新たな世界の目標として定められました。MDGsには以下の8つのゴールが掲げられていました。
ゴール1:極度の貧困と飢餓の撲滅
ゴール2:初等教育の完全普及の達成
ゴール3:ジェンダー平等推進と女性の地位向上
ゴール4:乳幼児死亡率の削減
ゴール5:妊産婦の健康の改善
ゴール6:HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
ゴール7:環境の持続可能性確保
ゴール8:開発のためのグローバルなパートナーシップの推進
上記のように、貧困や健康、生死に関わることなどの基礎的な目標が設定されています。MDGsは開発途上国に要点を置いた目標で、先進国が途上国を支援するのが中心の内容でした。そのため、途上国は先進国の決めた内容で進めるしかなく、途上国から色々な意見が出ていました。それをふまえて定められたSDGsは、誰ひとり取り残さないことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標で構成されています。
SDGs 17の目標
1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ。
2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する。
3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する。
4.質の高い教育をみんなに
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。
5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る。
6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する。
ここまでの目標では、貧困や飢餓、健康や教育、安全な水など開発途上国の基礎的な目標を中心に構成されています。但し、5のジェンダー平等に関しては開発途上国だけでなく先進国でも達成すべき目標であると言えます。
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する。
8.働きがいも経済成長も
すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセ ント・ワークを推進する。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る。
10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の不平等を是正する。
11.住み続けられるまちづくりを
都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする。
12.つくる責任つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する。
先進国や企業でも取り組むべき課題である、働きがい、経済成長、技術革新、クリーンエネルギーなどが目標として掲げられています。持続可能な世界を実現するための責任が、国や企業だけでなく一人の消費者にもあるということが12のつくる責任つかう責任で分かります。
13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る。
14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
15.陸の豊かさも守ろう
森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る。
16.平和と公正をすべての人に
公正、平和かつ包摂的な社会を推進する。
17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する。
グローバルな課題が目標として掲げられています。気候変動や海の話、陸の話など開発途上国や先進国だけの話ではなく、もっと包括的な目標になっています。
SDGsのロゴ使用について
ロゴは国際連合広報センターのサイトからダウンロードすることができます。ロゴを使用する際には申請や許可が必要なケースと不要なケースがあります。資金調達目的や商業利用をする際には申請と許可が必要です。それ以外の目的で使用する際には申請や許可は不要です。
申請や許可は不要でも、色の変更やロゴの形やデザインを変更することは認められていません。他にも細かなガイドラインが設定されています。SDGsのロゴを使用する際には事前に、ロゴ使用のためのガイドラインをしっかりと確認してから使用してください。
SDGs 169のターゲット
17の目標にそれぞれ平均して10個ぐらいのターゲット(具体目標)が設定されています。全部で169個のターゲットがあります。例として1.貧困をなくそうのターゲットを見てみましょう。
1.1:2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2:2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3:各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4:2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5:2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a:あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b:貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。
ターゲットには、半減させるや確保するなどの言葉はありますが、具体的な数値目標が示されていません。そこでターゲットの進捗を具体的に把握するため、2017年7月の国連総会で全244(重複を除くと232)の指標が採択されました。SDGsには17の目標の下に169個のターゲットがあり、その下に232の指標があります。総務省のホームページに仮訳された対応表も掲載されています。
日本でのSDGs状況
2016年5月に持続可能な開発目標(SDGs)推進本部が設置されました。内閣総理大臣を本部長とし、各国務大臣がメンバーとする組織です。2017年には第1回ジャパンSDGsアワードが開催され企業や団体などが表彰されました。町や大学、企業など行政、教育機関、企業などの枠組みを超えて表彰されています。
2018年には29の自治体がSDGs未来都市として選定されています。自治体SDGsモデル事業としては、29の自治体から10事業が選定されました。しかし、2018年7月に発表されたSDGs達成ランキングでは、156ヵ国中15位でした。17の目標のうち達成しているとされたのは4.質の高い教育をみんなにだけでした。そのほかの目標は未達成です。
SDGsについて紹介しました。2030年になった時に持続可能な世界を実現できているかは、今生きている私達にかかっています。一人一人ができることもたくさんあります。SDGsを私達の活動や生活の中に取り入れていくことが大切ではないでしょうか。
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