中堅社員の役割は?社員教育のポイント
更新日:2023.03.01ビジネス豆知識現場のリーダーとして、将来的には役職も視野に入れる立場にある中堅社員。企業における重要性は高いものの、実際には十分に役割を果たせていないケースが多く見られます。中堅社員に自分の役割を自覚してもらえず、苦労している職場は少なくないかもしれません。そこで今回は最初に中堅社員が職場で求められる役割を解説し、中堅社員を悩ます現状や社員教育のポイントをご紹介します。
目次
中堅社員に求められる役割
中堅社員が職場で求められる役割は、大まかに担当業務の遂行、後輩の指導、リーダーシップの3点です。多くのニーズに応える必要があり、どれだけ企業において重要性をもっているかを物語っています。
担当業務の遂行
通常、中堅社員は入社から3年以上が経過した立場にあり、周りから仕事を一通り覚えたと認識されます。ひとつの業務を任されたら、最後まで遂行する姿勢が欠かせません。多くの職場では入社してから1~3年まで新人や若手社員と見なされ、担当業務を1人で進められなくても許されます。
中堅社員は、基本的に周りのフォローを期待できません。問題が起きても、まず上司を頼らず自分で解決することを求められます。勤務期間が長いと、それだけ背負う責任も大きくなります。中堅社員が最初の数年とは立場が異なると自覚すれば、それまで抱いていた新人気分はなくなるでしょう。勤務姿勢に責任感が増し、職場や企業全体への貢献度も高まると期待できます。
後輩の指導
中堅社員の仕事は、自分の担当業務だけにとどまりません。勤務開始から3~5年が経過すると、後輩の指導を任されることが一般的です。入社して間もない新人は、たいてい仕事の進め方が分かりません。仕事を教わったばかりの若手社員は、いろいろな場面でミスするでしょう。それでも限られた時間のなかで仕事を終わらせるには、後輩の指導が不可欠です。
3~5年の中堅社員は、ベテランに比べると新人や若手だった頃の記憶が鮮明に残っていると考えられます。後輩が問題を起こした時、自分の経験を思い出しながら上手にフォローできるでしょう。企業から見れば入社5年目頃までの中堅社員は指導役に適した存在であり、人材育成の点でも貴重な戦力になってくれると見込めます。
リーダーシップ
さまざまな経験を積んだ中堅社員にとっての重要な役割が、リーダーシップです。これまでに磨いた能力を活かし、職場の中核として働くことが望まれます。中堅社員は、多岐にわたる業務を1人で進めるなかで数々の経験を重ねます。一通りの作業手順を覚えているといっても常に成功できるわけでなく、ミスはつきものです。何度も失敗しながら解決策を探るなかで、円滑に業務を進めるノウハウを習得していきます。
経験豊富な中堅社員は新人や若手に限らず周りを手助けできるため、職場のリーダーにふさわしいと評価されます。チームのまとめ役、あるいは現場と管理職との架け橋としてリーダーシップの発揮が期待されるわけです。個人で仕事を遂行するだけでなく職場の中核としても働く立場にある中堅社員は、企業にとって重要性が高いと考えられています。
中堅社員を悩ます現状
職場内で重要な役割を担うはずの中堅社員ですが、担当業務が忙しい、後輩がいない、あるいは明確な役職を与えられないことは大きな悩みです。
担当業務が忙しい
近年、多くの中堅社員は手に余るほどの仕事を抱えています。担当業務に追われ忙しく、後輩の指導やリーダーシップを発揮する余裕はありません。現在、中堅社員が多忙になっている背景には、人手不足の問題があります。国内では少子化の流れが止まらず、企業は人材確保に苦労する日々が続いています。仕事量は従来と変わらないまま、新しい人員はなかなか補充されない状況です。
中堅社員は一通りの仕事を覚えているので、次々に新しい業務を任される事態に見舞われています。1人あたりの担当業務は増え、定時に作業を終えられないケースも珍しくありません。職場によってはサービス残業が日常化し、社会的に問題視されるほどです。そんな状況のもと、数多くの中堅社員は担当業務の処理で精一杯になっています。
後輩がいない
人材確保が難しいため、自分の職場やチームに後輩がいない中堅社員も増えているといわれています。かつては、ほとんどの企業で4月に新卒者が入社するのは当たり前の風景でした。1年が経てば、たいていの社員は先輩です。まだ仕事を十分に覚えていなくても、後輩からは頼られ、面倒を見る機会に恵まれていました。
近年は、1年を通じて新人が入らない企業が多くなっています。人材育成の手間を減らすため、業務経験の豊かな即戦力を採用する傾向も強いといわれています。職場に仕事の分からない後輩がいなければ、指導の必要性も生じません。中堅社員は後輩を世話しない分だけ担当業務が増えることもあり、自分が指導する立場にあると意識することは少なくなっていると指摘されています。
明確な役職を与えられない
仕事のできる中堅社員は、周りからリーダー的存在として見られがちです。自分の業務に加え、周りにも目を配るとなれば負担は重くなります。とはいえ、職場での立場にもとづき明確な役職が与えられるとは限りません。仕事上のポジションがはっきりしなければ、リーダーとしての自覚はなかなか芽生えないでしょう。
期待や要求は増大しても役職が伴わず、大勢の中堅社員は社内で自分がどんな役割を担っているのか認識しにくい状況に置かれています。仕事のスキルがある中堅社員に指導者やリーダーとして力を発揮してもらうには、その役割が理解できる教育を企業で進める必要があると考えられます。
中堅社員教育のポイント
中堅社員にどんな役割があるか自覚を促す教育で、重視したいポイントは成長モデルの提示です。
役割だけ強調しても効果は薄い
中堅社員の立場について理解を求める場合、役割だけ強調しても効果は薄いと指摘されています。後輩のいない中堅社員に、指導者として自覚をもってほしいと力説しても説得力はないでしょう。リーダーシップについても同様であり、それに見合った役職を与えなければ納得してもらえないと考えられます。もちろん、指導内容そのものは間違っていません。ただ中堅社員の置かれた現状とギャップが大きいため、容易には受け入れられないわけです。そんな事態を打開するには、別の方法を選んだほうが有効かもしれません。
成長モデルを提示するメリット
中堅社員を指導するうえで、高い効果を見込める選択肢が成長モデルの提示です。あくまでビジネスパーソンとしての成長段階を示すことで、現状とは関係なくスキルの向上を促せます。成長モデルの一例を挙げると、社会人、ひとり立ち、一人前、主力、専門家、第一人者、マネジメント、変革主導、事業変革、企業変革の10段階に分けられます。一般的に、中堅社員は一人前から主力に該当する立場です。
自分の現在地や次のステージが明らかになると、課題を設定しやすくなります。一人前の段階では自分で業務目標を達成する必要があり、主力は周りも牽引する立場と分かれば、担当業務と並行しつつリーダーシップも発揮してくれるでしょう。成長モデルがあると、これから何をクリアしなければいけないか明確になります。はっきり目標をもちながらスキルアップを目指せるため、高いモチベーションで業務に励める意味でもおすすめの方法です。
優秀な中堅社員にさらなる成長を促すなら、ビジネスパーソンの成長モデルも有効活用してみて下さい。
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