プレミアムフライデーの現状は?

更新日:2023.03.31スタッフブログ

プレミアムフライデー

消費を増やすことや、働き方改革を進めることを目的に、2017年からプレミアムフライデーの導入がはじまりました。実際にプレミアムフライデーを利用した方には、有意義な時間を過ごせたと答える方が多いようです。しかし、はやく退社した分ほかの日に残業することになったり、業種によっては実施が困難だったりと、いくつかの問題点もあります。さまざまな理由から、導入できていない企業も多いのが現状です。こちらでは、プレミアムフライデーの現状についてお伝えします

プレミアムフライデーとは?

プレミアムフライデーとは、2017年2月から実施された個人消費喚起キャンペーンです。毎月末の金曜日は午後3時までに仕事を終え、夕方の時間を買い物や旅行に充てることを推奨しています。消費を増やして経済を活性化させる目的のほか、働き方改革を目指す意図もあります。

プレミアムフライデーは、アメリカの「ブラックフライデー」を参考に発案されました。ブラックフライデーとは、アメリカの11月の第4木曜日に行われる感謝祭の翌日の金曜日を指します。

この日は正式の休暇日ではないものの、休暇になることが多い日です。クリスマス商戦開始の日であることから、一年でもっとも消費が活発となる時期です。どのお店も黒字になることから、ブラックフライデーと呼ばれるようになりました。日本でも、ブラックフライデーを参考にしたプレミアムフライデーを導入することで、消費を活性化させようという目的があります。

企業の導入状況

ゼネラルリサーチが2019年2月に行った調査によると、プレミアムフライデーを導入している企業は全体のわずか10%でした。プレミアムフライデーを導入している企業に多かったのは、従業員が50名以下の中小企業です。設立間もなくまだ従業員数が少ない企業は、動きが柔軟になるため、比較的プレミアムフライデーを導入しやすいことが分かりました。

反対に従業員500名以上の大企業も、ほかの企業に比べて導入率が高くなっています。規模が大きい分仕事の調整がしやすく、導入しやすいようです。しかし、従業員数が50名以上の中小企業では、ほとんどプレミアムフライデーを実施できていないのが現状でした。月の後半は忙しい場合が多く、月末の金曜日にはやめに退社するのは難しいという企業が多くを占めています。プレミアムフライデーはまだ浸透するまでには至っていません。

プレミアムフライデーの効果

プレミアムフライデーを実施したことで、経済や働き方に変化は現れたのでしょうか?プレミアムフライデー推進協議会が2017年4月に行った調査によると、プレミアムフライデーを利用した方の9割が「豊かな時間を過ごせた」と回答していました。過ごし方は家族と過ごした方がもっとも多く、旅行や買い物、スポーツをした方も多くいらっしゃいます。退社後の時間を有意義に使えた方が多いという結果でした。

しかし、経済効果については大きな変化はなかったといいます。DeNAが2018年1月に発表した調査によると、プレミアムフライデー実施後に出費が増えた方は15.2%、やや増えた方は14.1%という結果が出ています。69.7%の方は変わらないと回答していました。プレミアムフライデーには出かけるよりも自宅でゆっくり過ごす方が多く、現時点では大きな経済効果は表れていません。

プレミアムフライデーの問題点

プラミアムフライデーにはいくつかの問題点があり、改善が求められています。

ほかの日の負担が増えてしまう

月末の金曜日にはやめに退社すると、その分ほかの日の仕事が増えてしまいます。プレミアムフライデーとは別の日に退社時間が遅くなってしまうケースもありました。プレミアムフライデーを実施する際は、仕事量や労働時間を調節しながら行う必要があります。

実施できない業種もある

業種によってはプレミアムフライデーの実施が困難なところもあります。小売業や飲食業は、消費活動の受け皿になるため、はやめに退社できません。業種による偏りをなくすことが今後の課題になっています。

日程的に導入しにくい

プレミアムフライデーは、消費を促すために給料日の後である場合が多い月末の金曜日に設定されています。しかし、月末はどの企業も多忙になりやすく、導入は難しいのが現状です。プレミアムフライデー推進協議会では、月末導入が難しい企業に、別の金曜日に振り返る「振替プレミアムフライデー」の導入を呼びかけています。

企業側にメリットがない

プレミアムフライデーの導入は、企業側にとってほとんどメリットがありません。フレックスタイム制ではない企業の場合、勤務時間を変更するには就業規則を根本から変える必要があります。変形労働時間制を導入したり、半日分の有給休暇を追加したりといった具合です。規則の変更には大きな負担がかかりますが、企業側にメリットは少なく、導入率を下げる一因になっています。

お金が手元にない

プレミアムフライデーの大きな目的は個人消費を増やすことです。プレミアムフライデー実施の背景には、「国民はお金を持っていても時間がなくて使えない」という考え方があります。しかし、賃金が以前より飛躍的に上がったわけでもなく、時間があっても消費しにくい状況です。プレミアムフライデーの導入が進んでも、大きな消費増加は期待できないかもしれません。

プラミアムフライデーはどうやって過ごす?

プレミアムフライデーにはいくつかの問題点がありますが、有意義に過ごせた方も多くいらっしゃいます。社員はプレミアムフライデーをどのように過ごせば有効活用できるのでしょうか?

買い物をする

プレミアムフライデーに合わせてセールを行っているお店も少なくありません。時間があってショッピングを楽しみたかったら、このタイミングでお店に立ち寄るのもよいでしょう。休日よりも空いている場合が多く、ゆっくり買い物を楽しめます。

病院に行く

忙しくてなかなか病院に行く機会がないという方も多くいらっしゃいます。その様な方は、ぜひプレミアムフライデーを利用して病院に行きましょう。休日は締まっていたり、午前中までだったりする病院が多いため、金曜日の退社後は通院に最適です。

旅行する

金曜日に帰宅してすぐに出かければ、少し遠いところまで旅行できます。夜行バスや夜行列車を使えば、交通費を安くすることも可能です。また、プレミアムフライデー専用プランを用意している旅行会社もあるため、ぜひ利用してみましょう。

自己啓発

金曜日の退社後の時間を、自己啓発に使う方もいらっしゃいます。平日の夕方は資格の勉強や読書、美術館の鑑賞などをするのに最適な時間です。また、ビジネスセミナーや異業種交流会に参加して視野を広げるという方も多くなります。

プレミアムフライデーの今後

現在はプレミアムフライデーを実施できる企業が多くない状況です。浸透させるためには、以下のような課題があると考えられています。

日程的に導入しにくい

月末は特に忙しい時期です。そのため、15時に退社するのは難しいという企業が多くなります。月初めの金曜日や2週目の金曜日といった、比較的余裕のある時期に変更して欲しいという声が上がっています。

小売業や飲食業の方は参加できない

プレミアムフライデーは、仕事をはやく終えて、空いた時間に買い物や食事をしてもらい経済を活性化させようという目的で作られました。そのため、小売業や飲食業の方は参加できないことになってしまいます。今後、小売業や飲食業の方もプレミアムフライデーを利用できるように対策が求められています。

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