中小企業診断士・社会保険労務士・コンサルタントの違い

更新日:2023.04.19スタッフブログ

コンサルタントへの相談

コンサルタントは、的確なアドバイスによって会社の経営を助けてくれる頼もしい存在です。どんな手順によってアドバイスするか知っておくと、勤務先の経営について意見を述べる際に役立つかもしれません。そこで今回は、コンサルティングを専門とする職種をいくつかピックアップし、それぞれのアドバイス方法や業務の特色をご紹介します。

コンサルティング業務を行う職種とその特色について

中小企業診断士のアドバイス方法や特色

中小企業診断士は、中小企業の支援を主目的とした職種です。基本的には中小企業が業務対象であり、その経営状態の診断などを実施します。

アドバイス業務の流れ

一般的に中小企業診断士は、中小企業から相談を受けるとアドバイスに向けた業務を開始します。一連の作業は、大まかに「1.各種データの収集」「2.データの調査・分析および現状把握」「3.経営改善のための提案書作成」という流れです。

まず「データ収集」では、売上を始めとする日々のお金の流れから資産の運用方法まで経営全般に関わる情報を集めます。次は、これらのデータを踏まえながら現在の経営状態が抱える問題点について検討します。最後は、課題を解決する具体的な改善方法の提示です。

中小企業診断士資格の特色

中小企業診断士の相談業務は、経営に関する幅広い知識が求められる点に大きな特徴があります。同時に、依頼を受けた会社の実情に合わせて効果的な経営戦略を助言・指導する能力も欠かせません。

そのため、資格取得のための試験は2段階に分かれています。第1次試験では、この業務に必須となる基本的な知識が選択式で問われます。これに合格すると、第2次試験です。こちらは、筆記と口述により知識を実務に活かせるか応用力が試されます。

中小企業診断士は、必要があれば金融機関との橋渡し役も果たすなど中小企業にとっては心強い味方です。自分の提案が経営改善につながれば大きなやりがいを感じられるので、資格を取得する価値は決して小さくありません。

社会保険労務士のアドバイス方法や特色

社会保険労務士は、文字通り社会保険と労務管理に関する業務の専門家です。必要書類の作成代行だけでなく、各種の相談にも応じます。

各種保険や労務の問題に関して幅広くアドバイス

社会保険関係では、厚生年金保険と健康保険に加えて雇用保険なども業務対象です。とりわけ年金については、現在の仕組みだけでなく退職後にきちんと受け取るための注意点などについても助言します。

一方、労務に関しては、人事や就業規則の作成を助言するケースが少なくありません。また労働関係の紛争が生じたら、あっせん手続きを担当することもあります。この場合、社会保険労務士は当事者を代理して和解交渉を進めていきます。

社会保険労務士によるアドバイスの特色

社会保険労務士の業務は、経営陣と労働者側の双方を支える点が特徴的です。就業規則の作成では、労働に関する諸法令にもとづいてサポートします。経営陣は法令違反のリスクを避けられ、労働者側には法令にしたがった快適な労働環境の提供が可能になります。

とくに紛争が起きた時、この特色は顕著にみられます。当事者の代理を務める社会保険労務士は、雇用主と働く人のいずれが傷付くことも望みません。あくまで両者の利益を考え、関係改善のために裁判でなく調停や仲裁といった手段による解決を図ります。

なお現在、紛争解決のための代理業務は「特定社会保険労務士」でなければ扱えません。この資格を取得したいと考える人は、一般の社会保険労務士になったうえで厚生労働大臣により定められた条件をクリアする必要があります。

コンサルタントのアドバイス方法や特色

コンサルタントとは、各種の相談に対してアドバイスする専門家です。とくにジャンルが特定されているわけではなく、企業でも幅広い部門で活動しています。

コンサルタントの現状と業務の流れ

一口にコンサルタントといっても、「経営コンサルタント」だけではありません。現在、「○○コンサルタント」と呼ばれる職種は、人事・投資・IT関連や医療など多種多様です。コンサルティング会社によっては、いろいろな分野を扱っているケースもみられます。

実際の業務は、基本的にヒアリングから始まり最終的に助言・指導を行います。経営コンサルタントであれば、まず経営者や関係各所から情報を集めて経営実態を把握。その結果を踏まえて問題点を明らかにしたら、具体的な改善プランを提案するわけです。

各種コンサルティング会社の特色

昨今、コンサルティング業界ではさまざまなジャンルが扱われ、いくつもの系統が生まれています。コンサルティング会社によっては複数系統にまたがる場合もあり明確な分類は難しいものの、各系統はある程度の特色を持っています。

主だった系統の特色は、以下の通りです。

  • 戦略系・・・主に企業の経営戦略についてアドバイス
  • 総合系・・・経営戦略に加え、人事や法務関連も業務対象
  • IT系・・・IT戦略やITシステム構築に関わる業務が得意
  • 人事系・・・報酬制度の作成や人材育成関連が中心
  • マーケティング系・・・社内のマーケティング部門を支援

これら以外にも多くの系統が知られていますが、いずれの場合もコンサルタントとして活動するためには専門分野の幅広い知識が不可欠です。

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