大事な仕事の前日は眠れない?緊張をほぐすコツ
更新日:2022.12.14ビジネス豆知識ビジネスパーソンは、大事な仕事の前日に緊張で眠れないことがあります。寝不足のまま翌日に出勤すると、頭が回らず仕事中にミスするかもしれません。そんな事態を防ぐには、十分に睡眠を取ることが大切です。安眠を得るには、緊張をほぐすコツを知ることが大切です。そこで今回は寝不足に伴うリスク、安眠に役立つリラックス方法や眠れない時の注意点をご紹介します。
目次
寝不足に伴うリスク
寝不足に伴う代表的なリスクは、脳で情報処理が追いつかず容量オーバーになることです。夜に睡眠を取らないと、古い情報を処理するため仕事中も本人の意図と関係なく脳が寝てしまう恐れがあります。以下では、寝不足から生じるリスクの概要を解説します。
脳が容量オーバー
脳の容量オーバーは、夜間などに睡眠が足りないと生じる状態です。数日にわたり寝不足が続いた場合、この状態は深刻化します。通常、脳が日中に蓄積した情報は夜の睡眠時に処理される仕組みです。就寝中は脳内で情報整理が行われ、必要な情報は記憶として定着します。不要な情報は消去され、脳の空き容量が増えます。
夜になっても眠らないと、脳に蓄えられた情報は整理されません。必要性の有無に関係なく、すべて脳内にとどまります。翌日、未処理の情報が残ったまま新しい情報が追加されると、脳は容量不足で追加情報を受け入れられなくなるリスクがあります。何日も夜遅くまで起きていると容量不足は解消されないため、脳が適切に情報整理を進めるうえでは望ましくありません。
仕事中も脳が睡眠
脳が容量不足で追加情報を受け入れられなくなった場合、仕事中も本人の意図に反して寝てしまうリスクが発生します。脳内に新しい情報を受け入れるには、空き容量の確保が不可欠です。古い情報は、そのまま残しておけません。また脳が空き容量を増やすため古い情報を整理する時は、睡眠を取る必要があります。
そのため昼間に仕事するなか脳に新しい情報が流れ込んでくると、オーバーフローした脳は情報整理を急ぎ始めます。すぐ空き容量を確保する必要があると判断し、仕事中でも自動的に睡眠状態へ入るわけです。日中に脳が自動で短時間だけ眠る現象は「マイクロスリープ」と呼ばれ、判断力や記憶力の低下によるミスを引き起こします。
その他のリスク
寝不足は、ストレスホルモンの分泌量が増えるうえ身体の疲れが取り除けなくなるリスクも伴います。睡眠時間が足りない時に増えるストレスホルモンは、不安障害などの原因として知られるコルチゾールです。脳に備わる感情調節の能力が下がり、精神面で健康を害する恐れがあります。
また十分に睡眠が取れないと、日々の疲労を取り除くことは困難です。寝不足で身体が疲れたままでは、仕事にも差し支えるでしょう。心身ともに調子が崩れた場合、勤務を続けられなくなるかもしれません。寝不足はビジネスパーソンにとってマイナスに作用する可能性が高く、心身の健康のために安眠することが望まれます。
安眠に役立つ方法
夜、安眠するには、居心地のよい空間を用意したうえで身体をリラックスさせると効果的です。以下では、快適な空間づくりのポイントと簡単に実践できるリラックス方法を解説します。
快適な空間づくりのポイント
快適な空間づくりで大切なポイントは、室内の温度と明るさです。それぞれ、自分にとって居心地のよい設定を選びます。室内の温度は、体温の変化に大きく影響する要素です。暑いと皮膚は熱を逃がしにくくなり、寒いと血管の収縮により体温が保たれ、いずれも寝つきが悪くなります。それに対し適温設定で体温が効率的に下がると、気持ちよく眠りに入れます。
部屋の明るさは、不安を感じない程度に暗くするのがおすすめです。これらの準備が整ったら寝床に入り、身体をリラックスさせましょう。
リラックス方法1:脱力法
睡眠前に身体をリラックスさせるには、全身の力を抜いて筋肉の緊張を和らげる方法が有効です。寝床で仰向けになり、両腕は身体から少し離して伸ばします。手のひらを上に向け、拳を握り5秒ほど力を入れたら脱力します。足は肩幅に開き、足首を同じく5秒程度ギューッと曲げてアキレス腱を伸ばし、力を抜く流れです。手足を脱力した時は、それに合わせ全身の力も抜いていくことが大切なポイントです。
リラックス方法2:呼吸法
身体のリラックスに効果のある呼吸法は、お腹を使う腹式呼吸です。息を出し入れする時は、深い呼吸を心がけます。腹式呼吸する時は寝床で仰向けになります。顎を引いて口から息を大きく吐き出したら、鼻から吸い込む流れです。息を吐く長さは吸う時の2倍程度、お腹の動きを感じながら深呼吸を繰り返します。不快な記憶がある場合、すべて呼吸と一緒に吐き出すイメージで頭のなかを空にするとよいでしょう。
リラックス方法3:ツボを刺激
ツボの刺激も、睡眠時にリラックスできる方法です。頭頂部にある「百会」は、心を落ち着かせるのに役立つといわれています。百会は、指先や手のひらで押します。力の強さは、気持ちよく感じる程度です。息を吐きながら5秒ほど押した後、軽く息を吸います。この流れを数回繰り返し、心をリラックスさせます。快適な室内環境で以上の方法を実践すれば、心身ともにリラックスして安眠を得るのに役立つでしょう。
眠れない時の注意点
いろいろな方法を試しても眠れない時、無理は禁物です。その場合、寝床を一度離れる選択肢もあります。ただし興奮状態になると寝つきは悪くなるため、静かに過ごすことが大切です。以下では、なかなか眠れない時の主な注意点をご紹介します。
無理すると逆効果
寝床に入ってから長々と眠れない時、そのまま無理に目を閉じていると逆効果になる可能性があり注意が必要です。何日も寝床で眠れない状況が続いた場合、脳は寝床を眠れない場所として認識するといわれています。実際の状況が脳に誤認されることを考えると、無理に横になっているのは逆効果です。
また睡眠関係の専門家は、暗いなか目を閉じていると脳内にネガティブな考えが浮かびやすいとも指摘しています。不快な記憶が呼び起こされれば、安眠を得るのは難しいでしょう。脳の誤認やネガティブな思考を避けるには、無理に寝ているより一度起き上がったほうが得策と考えられます。
興奮状態はNG
いつまでも眠れず寝床を離れた際、興奮状態になるのはNGです。リラックスするため飲み物を摂取する場合、どんな作用が伴うか注意する必要があります。お茶・コーヒー・アルコール類などは、安眠を妨げる恐れのある飲み物です。お茶やコーヒーには興奮作用を伴うカフェインが含まれ、夜遅くまで寝つけない時の摂取に適しません。
アルコール類は、入眠を促す効果があります。ただし眠りは浅くなる傾向にあり、睡眠中に目が覚めやすくなりがちです。また飲み続けると入眠効果は薄まるため、寝る前の摂取量が増える事態にもつながります。これらを飲んでリラックスできるとしても、さまざまなリスクを考えれば避けるのが賢明といえます。
読書の内容も要注意
寝床を離れている間に読書するなら、本の内容にも要注意です。選択を誤ると、脳は興奮してしまうかもしれません。自分が好きなジャンルの本は、好奇心を刺激するため不適切です。面白い内容を読んでいると、目は冴えてきます。ミステリー作品も、謎が解けないままでは結末が気になり安眠できないと考えられます。
眠りを誘いたい場合、おすすめは退屈な本です。とくに興味がない、また難解な内容であれば少し読んだだけで眠くなると期待できます。寝不足が続いた時は、退屈な本を枕元に1冊用意しておくとよいでしょう。
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