キャリアアップは組織にとってプラス?マイナス?

2019.12.18ビジネス豆知識
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終身雇用制が崩れたことにより、個人でキャリアップを目指す方が増えました。キャリアアップのためにセミナーに参加したり、資格取得を目指したりする方は多くいらっしゃいます。社員の能力が上がれば、企業側にもメリットがあります。そのため、企業がプログラムを設けてキャリアアップを推進しているケースも少なくありません。しかし、場合によってはキャリアアップにより人材の流失を招くおそれもあるため、注意が必要です。こちらでは、キャリアアップの重要性や、社員流失を防ぐポイントをご紹介します。

キャリアアップ

 

キャリアアップの重要性

キャリアアップとは、特定の分野でより専門的な知識と能力を身につけ、経歴を高めることです。キャリアアップすることで、労働者はポジションを上げられたり、収入を増やせたりといったメリットを得られます。企業にとっても、組織の活性化や生産性の向上といったメリットがあります。

企業が社員のキャリアアップを支援するためによく行っているのが、「キャリア開発」です。キャリア開発とは「キャリアディベロップメント」の訳語で、労働者の職業能力を中長期的、体系的に開発するための考え方を指します。キャリア開発のための施策を仕組み化したものを、「キャリアディベロップメントプログラム(CDP)」と呼びます。プログラムには、目標設定・適正判断・研修・人事異動・昇格といったキャリアアップに関する一連の流れが組み込まれていなければなりません。

計画を立ててキャリア開発を行うことにより、社員の能力が高まり、結果的に企業の成長につながります。

 

キャリア開発は内と外のバランスを重視して行おう

社員のキャリアアップを推進することは、企業にとってもメリットがあります。しかし、キャリア開発はバランス良く行わないと、社員が離れてしまうおそれもあるため、注意が必要です。

キャリアアップすることは、自立を意味しています。自立すると自分のことは自分で決めるという意欲が湧き、心身の状態を考えながら自己管理を実践する様になります。最終的には、組織に依存せずに仕事を遂行できる様になるのです。

この様な能力が高く自立した人材が増えることは企業にとってプラスになります。反面、労働者が精神的、能力的に自立することは、企業を離れるリスクを高めることにもつながります。キャリア開発を行う際は注意が必要です。

社員の流失を防ぎつつキャリアアップを推進するには、内と外のバランスが取れたキャリア開発を行わなければなりません。キャリア開発では、内面の分析に重点を置くケースが多く見られます。しかし、取り組みが内面分析に偏ってしまうと、個人の成功のみを重視する方が増える可能性があります。流失リスクを高めることにつながるため、内面分析に偏ったキャリア開発はおすすめしません。

キャリア開発では、外界との関係の中で自分がどう関わっているか考えられる様な「外側の分析」も必要です。外界との関係を意識するには、企業の戦略や事業環境、労働者自身の位置付けを伝える必要があります。

内と外のバランスの取れたキャリア開発を行うことで、社員一人ひとりが組織との接点を見い出せる様になります。組織で体験を積みながら自立を目指したいと考える方が増え、流失リスクの軽減が可能です。キャリア開発を行う際は、ぜひ内面と外側とのつながりをバランス良く考えられる様なプログラムを用意してみて下さい。

 

企業で行われているキャリア開発の例

キャリア開発の方法はさまざまです。実際に企業で行われている例をご紹介します。

 

自己啓発プログラム

ある企業では、上司との面談の時期に合わせて自己啓発プログラムを用意しています。社員自ら進んで学びに来てくれることを重視しているのが特徴です。

自己啓発のメニューには、通信研修・CDP研修・チャンレンジプログラム・留学研修制度があり、自分が学びたい講座を選ぶ仕組みになっています。プログラムには意欲の高い方が集まっており、キャリアアップの助けになっています。

 

キャリアデザインワークショップ

社員にキャリアデザインを勧める企業も少なくありません。ある企業では、30~40代を対象にしたキャリアデザインのワークショップを行っています。過去の出来事やこれからの目標、目標達成を阻んでいるのは何かを考えることで、未来が明確になります。

30代は企業の中心として働く時期で、40代はブレーキがかかりがちな時期です。30~40代を対象としたワークショップを実施することで、企業の生産性アップにつながっています。

 

社会人交換留学

自社の社員と他者の社員を一定期間交換する取り組みを行っている企業もあります。交換を通して、組織体制や社風、業務の進め方が自社とどの様に違うのか気づきを得るのが目的です。

会社交換留学をした社員は、自社の強みと弱み、取り入れるべき点が分かったと語っています。ずっと同じ企業で働いていると見えにくい自社の特徴が分かるのが最大のメリットです。

 

介護セミナー

社員がキャリアやライフプランを考える際に活かせる様に、介護セミナーを行っている企業があります。介護を自分事としてとらえることを目的とし、介護の基礎知識や仕事と両立する方法を学びます。

こちらの企業の組合にはパートタイマーが多く、介護に関わる方が多くいらっしゃいました。労働者の関心が高い事柄をテーマに選んでいます。また、介護と仕事の両立方法をセミナーで考えることで、人材の流失防止につなげています。

 

キャリアコンサルタントを活用しよう

企業でキャリア開発を行うのが難しい場合は、キャリアコンサルタントを活用してみてはいかがでしょうか。キャリアコンサルタントとは、個人の適性や職業経験をもとに職業設計を行い、それに応じた職業選択や能力開発をサポートする存在です。企業を取り巻く状況の変化から重要性が高まり、キャリアコンサルタントの資格は2016年に国家資格化されました。

キャリアコンサルタントは企業で、人事・教育・人材開発部門で採用や定着支援を行ったり、労働者の能力開発や意欲向上に取り組んだりしています。また、カウンセリング室で直接社員のカウンセリングを行うケースもあります。

社内ではどの様なキャリア開発を行えば良いのか分からない場合は、ぜひキャリアコンサルタントに依頼してみましょう。

 

キャリアアップ助成金とは?

厚生労働省では、キャリアアップ助成金を支給しています。こちらは、有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを目的とした制度です。正社員化や待遇改善といった取り組みをした事業者に対し、助成金が支給されます。

キャリアアップ助成金を申請するには、「有期契約労働者等のキャリアアップに関するガイドライン」に沿ってキャリアアップ計画を作成しなければなりません。計画には、労働者のキャリアアップに向けて大まかな取り組みを記載します。対象者・目標・期間・事業主が行う内容を書けば、管轄労働局に提出可能です。

計画は大きく「正社員化コース」と「処遇改善関係コース」に分かれています。「正社員化コース」で行うのは、就業規則等の改定やそれに基づく正社員等への転換、転換後6カ月の賃金の支払いといった取り組みです。

 

「処遇改善関係コース」の場合は、就業規則の改定等の取り組みと取り組み後6カ月の賃金の支払いを行います。審査で取り組みが認められると助成金が支給されます。非正規労働者のキャリアアップに取り組んでいる企業は、ぜひ助成金を申請してみましょう。

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