ネガティブ思考を味方につけてできる人材になろう
更新日:2023.03.31ビジネス豆知識一般的には好ましくないと考えられているネガティブ思考ですが、仕事においてはプラスに働くこともあります。ネガティブ思考を味方につけられれば、今以上に会社に貢献できる人材へと成長できるはずです。こちらでは、ネガティブな方の特徴やネガティブ思考が活きる業務、ネガティブ思考との付き合い方についてお話しします。
目次
ネガティブな方の特徴
通常、「ネガティブ」という志向性はあまりよくないイメージでとらえられがちです。ここでは、ネガティブな方の特徴をご紹介します。
心配症すぎる・慎重すぎる
ネガティブといわれる方の多くは、失敗や不測の事態を過剰に警戒しています。そのため、ひとつの作業に対して時間がかかりすぎてしまうことも少なくありません。一般的に、「石橋を叩いて渡る」というタイプです。もちろん、失敗を警戒すること自体は悪いことではありません。しかし、どれだけ慎重かつ丁寧に作業を行ったとしても、失敗は起きてしまいます。作業に時間がかかり、さらに結果が失敗という事態は誰もが避けたいはずです。
時には過去の失敗から作業に時間がかかり、再度の失敗でさらに時間がかかってしまうネガティブのループに陥ることもあります。慎重さがなければ仕事はできませんが、何事も「ほどほど」が一番といえるでしょう。
自分への過小評価
「自分は仕事ができない」「今の評価は自分に合っていない」「今のポストは自分にふさわしくない」など、自分を低く評価している方も多いようです。そうした自己評価により自信がなくなり、自分の行動を制限してしまうこともあります。ふとしたチャンスに対して身を引いてしまうことも少なくありません。
そうした自己評価は周りの方からの評価と一致していないことがあります。よくいえば「謙虚な姿勢」ですが、モチベーションが下がってしまうほどの過小評価は考え物です。少なくとも、自分を必要以上に低く評価しながら仕事を続けるのはストレスになってしまうでしょう。
気持ちの切り替えができない
仕事にミスはつきものです。多くの方はミスを経験して成長していきいます。特に、仕事を始めたばかりの場合、周りの方も過度にミスをしてすることはないでしょう。
しかし、ネガティブな方は、自分自身のミスを気にしすぎてしまう傾向があります。さらに、一度してしまったミスからの立ち直りがなかなかできません。気持ちを切り替えることができないため、その後の仕事にまで後悔が尾を引き、集中力を欠いてしまうこともあります。
時には周りの人にとってはとても些細なミスをいつまでも気にしてしまうことも。もちろん、失敗は誰にとっても避けたいものですが、過去のミスを後悔するあまり過度のストレスを感じながら仕事をするのは良いこととはいえません。
ネガティブ思考がビジネスで活きるシーン
上述したとおり悪いイメージがつきまとうネガティブ思考ですが、仕事においては必ずしも悪いこととはいえません。むしろ、ネガティブ思考がプラスに作用することもあります。ネガティブ思考が仕事に活きるシーンをご紹介しましょう。
重要な契約時
契約書へのサイン時には本来慎重さが求められます。特にプロジェクトの今後を決める重要な契約であれば、即決というわけにはいきません。スピード感だけを重視してサインすると、その後に不利な条件が発覚して苦しめられてしまう事態も考えられます。
ネガティブ思考な方に共通するひとつの特徴は、「否定的な予測を徹底していること」です。契約書に関しても「不利な条件があるのではないか?」と疑いを持つことができます。時間をかけて契約書の内容を再検討することで、プロジェクトに関わる全員のリスクを回避することにつながるのです。
営業
営業において重要なポイントは、相手の反応に応じて話題や表現を変えること。少なくとも、自社サービスや商品にマイナスイメージを抱かせることは避ける必要があります。自分に自信があるポジティブな方の場合、話し相手の感情の変化に対して鈍感になってしまうことがあるようです。
対してネガティブ思考の方の場合、相手の表情の曇りや受け答えの鈍りなど、感情の変化に対して敏感な傾向があります。いち早くこうした感情の変化に気づけば、対策を講じることも可能です。コミュニケーション能力がともなってさえいれば、ネガティブ思考は営業スタッフにとってプラスに働く素質といえます。
ネットワーク形成
個人の力だけでは大きなプロジェクトを成功させることはできません。ビジネスの規模が大きくなるほど、複数人の力を束ねることが重要になっていきます。実力がある人材がいたとしても、その人材がひとりで成し遂げられる成果には限界があるのです。ただ、自信があるポジティブ思考な方ほど、自分の力を過信してひとりで大きな仕事を成し遂げようと無理をしてしまいます。
その点、ネガティブ思考の方は自己評価が低い傾向にあります。言い換えれば、「自分より優れた人がいるのを知っている」ということです。それぞれの能力や多様性を素直に認めることができれば、ポジティブな方以上にスムーズなネットワーク形成ができるかもしれません。
重要なのはネガティブとポジティブのバランス
上述したとおり、ビジネスにおけるネガティブ思考には良い面と悪い面があります。しかし、少なくともネガティブ思考を持っている当人にとっては、あまり良い心理状態とはいえないでしょう。過度にネガティブ思考を抱いたままでいると、ストレスから精神的に不安定になったり、仕事を続けられなくなったりすることも考えられます。
大切なのは、ネガティブとポジティブのバランスを意識することです。上述したとおり、ネガティブな方にはポジティブな方にはない優秀さがあるため、その点は自己評価すべきといえます。ネガティブな自分をほめてあげるポジティブさも、時には必要です。
そもそも、ビジネスにおいてポジティブであれば、あるいはネガティブであれば成功するといった保証はありません。優れたビジネスパーソンは例外なく、ポジティブな面とネガティブな面を両方持っています。まずは、ネガティブな自分に対して悲観的になりすぎないポジティブさを身に着けるべきかもしれません。
時には仕事から離れる
ネガティブ思考によってストレスを感じている場合や著しく仕事のモチベーションが削がれている場合は、可能な限り仕事から離れてみましょう。ネガティブ思考もポジティブ思考とのバランスによっては仕事に活きてきますが、精神状態に余裕がなければそのバランスを保つこともままなりません。一度仕事から離れ、思考のリセットを図るのです。
毎日の業務が終わった段階で、その日のミスやストレスを忘れてしまうように習慣づけましょう。仕事のストレスをプライベートに持ち越しても好影響はありません。それよりも、心身ともにリセットして、ポジティブとネガティブのバランスが取れる精神状態で翌日の仕事に臨むことのほうが大切です。
第一に覚えておいていただきたいのは、「仕事においてネガティブ思考は必ずしも悪いことではない」ということです。今回ご紹介したとおり、ネガティブ思考がプラスに働くシチュエーションもあります。大事なのはネガティブ思考に心が支配されないためにバランスを保つことです。「できる人材」になるために、ネガティブ思考との付き合い方を身に付けるましょう。
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