オフィスの緑視率を高めて集中力をアップ!

更新日:2023.03.24スタッフブログ

観葉植物

従業員のパフォーマンスを高めたいならば、観葉植物をうまく活用しましょう。昨今の研究により、観葉植物が人の集中力を高めることが分かっています。本記事では、緑視率と集中力の関係性や、おすすめのオフィス観葉植物5選に加え、維持管理コストがかからないフェイクグリーンの特徴を解説します。これから快適なオフィスを整えていきたいとお考えの方は、ぜひご参考下さい。

緑視率と集中力の関係は?

緑視率とは、人の視界を占める緑(植物)の割合を指す言葉です。近年はオフィスデザインの分野で注目されており、室内の最適な緑化を図る指標となっています。そんな緑視率ですが、人間の集中力と深い関わりがあることをご存じでしょうか。
「パソナ・パナソニック・ビジネスサービス株式会社」が行った検証によると、緑視率と心理的リラックス効果は、相関関係にあることがわかりました。同検証では、「植物がある部屋」と「植物がない部屋」、各部屋で過ごした際のストレス平均値を比較しました。詳細は以下の通りです。

□植物を置かない部屋:1(ストレス平均値)
□植物を置いた部屋:0.89(ストレス平均値)

「植物のない部屋」で感じるストレス平均値を1とした場合、「植物がある部屋」では0.89%まで低下しました。「植物には癒やし効果がある」とよくいいますが、それを科学的に裏付けた結果です。
オフィスには、さまざまなストレッサーが潜んでいます。話し声やキーボードタイピングによる騒音、他者からの視線、空気(匂い)などが代表的です。これらの要因から集中力が下がり、業務効率も悪化することが容易に想像できます。

「それならたくさんの植物を置けば良い」と思うかもしれませんが、実際は異なります。国土交通省が平成17年に行った社会実験調査によると、「緑が多いと感じ始める」緑視率の割合は、25%でした。緑視率の高まりにつれて、「安心感」「安らぎ」「潤い」などを感じやすいとのことです。
一方で、これは“緑が気になってくる割合”ともいえます。緑視率が一定を超える場合、多すぎる緑量から作業に集中できないケースが考えられます。緑視率が高ければ良いとは、一概にはいえません。

「豊橋技術科学大学」の松本名誉教授らが行った調査によると、人のストレス値がもっとも低下し、パフォーマンスを発揮できる緑視率は10%~15%とのことです。つまり集中力アップを目的に植物を設置するならば、この範囲内で緑視率を調整するのがベストといえます。無論、最適な緑視率はオフィスによって異なるため、専門業者とともに検討するのが確実です。

参考:コモレビズのエビデンス化
https://www.pasona-pbs.co.jp/comorebiz/evidence/

参考:都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/04/040812_3/01.pdf

オフィスでも育てやすい観葉植物の特徴

オフィスで育てる観葉植物は、以下のポイントを意識して選びましょう。

□水やりの手間が少ない品種
□乾燥に強い品種
□耐陰性のある品種
□耐暑性あるいは耐寒性のある品種
□花が咲かない品種
□背が高すぎない(大きすぎない)品種
□落葉しにくい品種

植物にとってオフィスは、劣悪といわざるを得ない生育環境です。空調により乾燥しやすいほか、室内温度が変化しやすかったり、自然光が入りにくかったりします。一般に丈夫とされる品種でなければ、すぐに枯れてしまうでしょう。
また、管理のしやすさも重要なポイントです。頻繁に水やりが必要な品種は、従業員の負担となります。さらに背が高すぎる品種、花が咲く品種、葉が落ちる品種も避けたいところです。部屋が狭く感じたり、床一面に花びらや葉が散乱したりすることがあります。

おすすめのオフィス観葉植物5選

ここでは、おすすめのオフィス観葉植物5選をご紹介します。育てやすく管理に手間のかからない品種ばかりですので、ぜひオフィスに設置してみてはいかがでしょうか。

サンスベリアハニー

サンスベリアは、その姿から“虎の尾”と呼ばれる観葉植物です。丈夫で枯れにくく、縦に葉が伸びるため床に散らばりません。通常のサンスベリアも良いですが、おすすめはミニタイプのサンスベリアハニーです。手のひらサイズの観葉植物なので、デスクなどの狭いスペースでも容易に育てられます。

カポック

生育環境への順応性が高く、非常に育てやすい品種です。数ある観葉植物の中でもトップクラスの丈夫さを誇り、耐暑性・耐寒性・耐陰性を持ちます。オフィスの立地から自然光を取り入れにくい場合は、カポックから育ててみると良いでしょう。また、この品種は種類が多く、見た目のバリエーションも豊富です。育てやすさはどれも変わらないため、見た目で選んでも問題ありません。

アルテシマ

さまざまな樹形で目を楽しませるインテリア性の高い品種です。カポック同様の耐陰性があるため、日陰に設置しても元気に育ちます。ただし、オフィス観葉植物としてはサイズの大きい部類に入ります。部屋の広さやレイアウトを加味して検討したいところです。

パキラ

観葉植物の定番品種であるパキラは、オフィスインテリアにも最適です。生命力が旺盛な品種であり、管理を多少怠っても難なく育ちます。その太い幹から「木を育てている」感覚に近い品種です。なお、パキラは中国で「発財樹」と呼ばれています。風水的な“金のなる木”であるため、“験を担いで”設置するオフィスは少なくありません。

モンステラ

ハード型の大きな葉が印象的な品種です。この品種は直射日光を嫌うため、日陰で育てるのが基本となります。また他品種に比べて水やりの頻度が少なく、管理の手間を省けます。

非常に育てやすい反面、葉が上下左右に広がったり、元のサイズが大きかったりするのが難点です。部屋の広さと相談し、設置することをおすすめします。

水やりが必要ない「フェイクグリーン」のススメ

オフィスの緑化を進める場合、フェイクグリーン(造花)の設置もおすすめします。なぜなら、オフィスの緑化には初期費用とランニングコストがかかるためです。通常の観葉植物を設置すると、植物の購入費に加えて害虫駆除費用、剪定費用が発生します。これらは専門業者に委託するのが一般的ですが、相応のコストがかかります。
一方のフェイクグリーンは、維持管理の手間がほとんどありません。水やりや温度管理が不要なほか、葉が落ちないため剪定の必要がありません。さらに虫が寄ってくる心配がないのもメリットです。本物の土ではないので、衛生面も良好といえます。

ただし、従業員の集中力アップを目的に緑化する場合、フェイクグリーンでは効果が半減する可能性があります。昨今の調査で判明したものの、人は目の前の植物がフェイクと分かった段階で「ストレス軽減効果がなくなる」という報告があります。当然個人差はあるでしょうが、本物かどうかを重視する方は、一定数いるはずです。
とはいえ、近年流通するフェイクグリーンの質感は、本物と似つかないほど精巧です。どうしても気になる方は、フロアに設置するものは本物の植物を、壁や天井付近に設置するものはフェイクグリーンと使い分けるのがおすすめです。これについても専門業者と話し合い、さまざまなコストを考慮して決めていきましょう。

まとめ

“働き方改革”の動きが広まる今、オフィス環境の再構築に取り組む企業は増えています。オフィスの緑化も、その施策のひとつです。植物をビジネスシーンにうまく取り入れ、従業員のパフォーマンス向上や生産性向上を目指してはいかがでしょうか。

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