もしもし検定過去問 2級技能第五問「敬語分類の正しい選択」
更新日:2022.10.31スタッフブログ今月から始まりました真夏企画「あなたはこの問が解けるか!?」と題しまして、日頃は3・4級の問題を出すところを、上位級である1・2級の問題を紹介し皆様をとさらなる高みへ導こうと考えています。
前回ではマナーの問題を紹介しましたが、どこが2級だという問題だったかもしれません。確かに電話応対についての内容で、3級などでも出てきそうな問題でした。ですが、1級2級の中には、3級や4級も含まれている訳ですから、出てきてもおかしくない問題なのです。しっかりと誤りがないよう問題へと取り組むようにしましょう。
では、今回の特集第五問の問題はこちら
▼もしもし検定 二級技能問題5
設問
下記のそれぞれの文例のうち、下線を引いた部分の敬語分類が間違っているものがあります。次の中から1つ選びなさい。
- 「あす部長のお宅に伺います」は謙譲語Ⅰである
- 「これからA社との打ち合わせに参ります」は謙譲語Ⅱである
- 「課長のおっしゃったとおりにいたします」は尊敬語である
- 「これが新製品の説明書です」は美化語である
電話応対技能検定専門委員会(編)(2013年)
『電話応対技能検定(もしもし検定)2/1級過去問題集』(公益財団法人日本電信電話ユーザー協会)
問題へのアプローチを解説
これまでの3・4級の問題区分でも「日本語」というものはあり、今回の問題と同様に、尊敬語や謙譲語の正しい使用方法などを尋ねる問題もありました。ですが、今回はそこからさらに一歩進んで、利用している言葉が「尊敬語」や「謙譲語」であるのか、それらの区分をしっかり自分の中で理解できているのかを見る問題となっています。実際のところ、尊敬語や謙譲語の使い方がしっかりと認識していないからこそ、誤った日本語を使う人が増え、それらを指摘する声が叫ばれています。この機会に、しっかりと尊敬語や謙譲語の使い方を学んでみてください。
もしもし検定の解答
正解:4
電話代行のオペレーターによる徹底解説
さて、今回の選択肢で「美化語」という言葉が気になった人はいませんか?この「美化語」について習っていないと、思っている方は2007年以前に学生生活を終えている社会人です。実は2007年に文化審議会にて「敬語の指針」の改定が行われました。
これまでは
- 「尊敬語」
- 「謙譲語」
- 「丁寧語」
の3つの分類だったのですが、改定によって次の5分類に再編成がなさました。
- 「尊敬語」
- 「謙譲語Ⅰ」
- 「謙譲語Ⅱ」(丁重語)
- 「丁寧語」
- 「美化語」
そのため、美化語以外にも謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱは違いが設けられています。2007年以前に学生を卒業されているビジネスマンの皆様は、改めて日本語について学びなおそうという意欲が刺激されたのではないでしょうか。
それでは問題の本題へと入りまして、問題の正解は選択肢4となります。美化語というのは「お水」「お薬」など、相手に直接関係のない言葉につけて、上品にすることを言います。そのため、今回のように語尾に「~です」「~ます」をつける場合には、これまで通りの丁寧語となります。それではそれぞれの選択肢も見ていきたいと思います。
1.「あす部長のお宅に伺います」は謙譲語Ⅰである
謙譲語Ⅰです。これは謙譲語でも相手や第三者へと向かって使われる言葉のことを言います。この場合には、向かう先が「部長」となっているので正解です。
2.「これからA社との打ち合わせに参ります」は謙譲語Ⅱである
謙譲語Ⅱです。これは謙譲語でも相手や第三者などに向かわず、自分側の行為などに使われます。「行く」という自分の行為になるので正解です。
3.「課長のおっしゃったとおりにいたします」は尊敬語である
尊敬語はそのままです。「言う」の尊敬語は「おっしゃる」なので正解です。
4.「これが新製品の説明書です」は美化語である
これが正解。美化語ではなく丁寧語となります。
敬語以外にも、様々な情報がこうして変わっていきます。学生時代に学んだことが正しいとばかり思うのではなく、新しい情報にアンテナを張り、常に新しい知識に更新できるようにしておかないと、話している内容が実は誤っているということが起こります。
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