ビジネス実務法務検定とは❘資格取得の方法とメリット
更新日:2024.05.13スタッフブログビジネス実務法務検定は、様々なビジネスシーンで必要になる法律知識が学べる検定です。近年は、企業の間ではコンプライアンス(法令遵守)の意識が高まる傾向にあり、ビジ法が活かせる場面は増えていると考えられます。この機会に資格を取得すれば、就職・転職やキャリアアップに役立つでしょう。そこで今回は、検定試験の概要を解説し、試験の難易度・合格率や資格取得に向けた勉強方法、資格取得後のキャリアなどをご紹介します。
目次
試験の概要
ビジネス実務法務検定試験は、ビジネスの場で必要になる法律知識の習得につながる試験です。
試験日程・申込期間
2024年の試験日については、東京商工会議所から次の通りに発表されています。
IBT方式・CBT方式の2級・3級
2級と3級は、試験方式の区別なく、6月後半~7月初めと10月末頃~11月前半の2回にわたり実施される予定です。
<第55回>
【申込期間】5月17日(金)10時~5月28日(火)18時
【試験期間】6月21日(金)~7月8日(月)
<第56回>
【申込期間】9月20日(金)10時~10月1日(火)18時
【試験期間】10月25日(金)~11月11日(月)
CBT方式(統一試験):1級
1級はCBT方式のみであり、12月初め頃に実施予定となっています。
<第56回>
【申込期間】11月5日(火)10時~11月12日(火)18時
【試験日】12月8日(日)
いずれも、受験サイトに登録したうえ試験会場や受験日時を選び、受験料を支払うと、申込み手続きは完了です。
東京商工会議所 ビジネス実務法務検定試験|受験案内・お申込み (参照 2024-04)
受験資格や受験料
ビジ法の検定試験は、学歴・年齢・性別・国籍の制限なく受験可能です。1級~3級まで、試験方式を問わず、とくに受験資格はありません。また、2級と3級は併願可能であり、IBT方式とCBT方式のいずれも2級から受験できます。さらに、1級(CBT方式)は、2級試験の合否結果に関係なく誰でも試験を受けられます。
受験料の金額は、次の通りです。
IBT方式 | CBT方式 | |
---|---|---|
3級 | 5,500円(税込) | 5,500円(税込)+CBT利用料 2,200円(税込) |
2級 | 7,700円(税込) | 7,700円(税込)+CBT利用料 2,200円(税込) |
1級 | – | 9,900円(税込)+CBT利用料 2,200円(税込) |
CBT方式は試験会場に設置されたパソコンで受験する方式であり、受験料にはパソコン機器の利用料が含まれます。
東京商工会議所 ビジネス実務法務検定試験|受験案内・お申込み (参照 2024-04)
難易度、合格率は?
ビジネス実務法務検定の難易度は、多肢選択式の2級・3級が比較的に低く、1級は論述式で難しくなる傾向があります。
3級の合格率・難易度・勉強時間
ビジ法3級の合格率は、ここ1~2年の試験結果を見る限り、約50~80%に達する状況です。2022年度は、第1シーズン(第51回)が86.7%、第2シーズン(第52回)が80.3%の合格率でした。全2回の合計値は83.2%であり、両シーズンの合格率は、どちらも8割を超えています。2023年度に目を向けると、第1シーズン(第53回)が47.8%、第2シーズン(第54回)は53.2%でした。全体合計は50.7%であり、それぞれの合格率は、両シーズンを通じて5割前後となっています。
以上の結果をふまえると、2023年度の合格率は2022年度より下がっていますが、3級の難易度は低めであるといえるでしょう。なお、資格関連の情報サイトによると、3級合格に必要な勉強時間は45~60時間が目安といわれています。
2級の合格率・難易度・勉強時間
ビジ法2級は、ここ1~2年の合格率が、およそ30~50%です。2022年度の結果を見ると、第1シーズン(第51回)は52.9%、第2シーズン(第52回)は50.6%に達しています。全体合計は51.6%となり、すべての数値が5割以上に届いています。2023年度の合格率は、第1シーズン(第53回)29.2%、第2シーズン(第54回)38.7%となりました。両シーズンの合計は34.4%であり、全体的な合格率は約3割~4割ほどに達しています。
2級は3級より難易度は上がりますが、3人に1人程度の合格率です。なお、資格関連のサイト情報を参考にすると、2級合格には60~100時間以上の勉強が必要になると見られています。
1級の合格率・難易度・勉強時間
ビジ法1級試験の合格率は、ここ1~2年に限ると約10%です。2022年度の第2シーズン(第52回)は8.9%となり、2023年度の第2シーズン(第54回)は10.5%でした。いずれの年度も試験は年1回であり、両年の合格率は1割前後にとどまっています。以上の試験結果を見ると、1級は10人に1人ほどしか受からないレベルであり、難易度は高いと判断できます。2023年度の合格者が3級7,903/15,603人、2級3,978/11,569人に対し、1級は49/467人でした。
これらの人数を見ても、1級試験は、2級・3級に比べて難易度がかなり高いといえます。なお、資格関連サイトの情報によれば、1級試験で合格するには200~250時間ほどの勉強が必要とのことです。それぞれの試験で合格率に差は見られますが、難易度の違いを問わず、いずれも容易に合格できるとはいえませんでしょう。そのため、しっかり勉強してから、試験本番に臨むことをおすすめします。
東京商工会議所 ビジネス実務法務検定試験|ビジネス実務法務検定試験とは (参照 2024-04)
資格取得に向けて
ビジネス実務法務検定の資格取得に向けて勉強する場合、自分に合う方法を選ぶのが得策です。
ビジネス実務法務検定取得のメリット
ビジ法の資格を取得する主なメリットは、ビジネス関係の法律知識が身につき、今後のキャリアに活かせるところです。近年ビジネスの場では、かつてに比べてコンプライアンスの意識が高まる傾向にあります。いずれの業務でも、ビジネスパーソンにとって法律関係の知識は必須といわれています。
ビジ法の試験に備えて勉強を進めれば、法的問題を解決に導く専門知識が身につくでしょう。検定試験に合格した場合、仕事関係の法律知識に通じていることの証しになると考えられます。多くの企業は実践的な法律知識がある人材を求めているため、ビジ法の資格取得は将来的なキャリアアップにつながると期待できます。
勉強方法
ビジ法の資格取得に向けた勉強方法は、独学や通信講座を受ける方式が代表的です。独学の場合、自分でテキストや参考書を準備し、仕事の後や週末に勉強するケースが多く見られます。この方法はペース配分が簡単ではないといわれ、しっかり自己管理して計画的に勉強する姿勢が大切になってきます。
通信講座は、自宅に学習教材が届き、各自のペースで勉強する方法です。独学に近いといえますが、通常は講座ごとの学習期間が定められているため、計画的に勉強しやすい特徴があります。なお、ビジ法の検定試験を扱っている東京商工会議所では、公式のテキスト・問題集や通信講座を用意しています。
受験資格について
ビジネス実務法務検定の資格については、何級から取得すればよいかで迷うことも少なくないでしょう。現在の検定試験は、いずれの等級も受験資格の条件は設けられていません。2級・3級は併願可能であり、これらに合格しなくても1級を受験できます。そのため、最初から1級に挑戦しても問題はありません。
ただし、1級は年1回であり、合格率が1割前後と難易度が高めの試験です。しっかり勉強していても、試験の雰囲気に慣れていないと、緊張のあまり本来の力を出せなくなる可能性があります。1級試験でも過度に緊張せず実力を発揮するには、第1シーズンで2級・3級を受けて試験の雰囲気を確認しておくのがおすすめです。
資格取得後のキャリアについて
ビジネス実務法務検定の資格は、就職・転職や法務・総務部門の業務で活かせるといわれています。
3級が活かせる場面
ビジ法の3級が活かせる場面は、主に就職・転職活動を進める時です。東京商工会議所によると、3級は、ビジネスで必要な基礎的法律知識の習得が基準と説明されています。また、3級取得がおすすめされている対象者は、就職・転職に備えて企業の活動を学びたいビジネスパーソンや就活生です。以上をふまえた場合、3級の資格取得者は法律関係の基礎知識があると見なされ、就職や転職で有利になると見込まれます。
2級が活かせる仕事
ビジ法の2級が活かせる仕事は、管理職や法務・総務関係の業務です。2級については、法律の実務知識を有しているレベルが、資格取得の基準に設定されています。また、東京商工会議所がおすすめする対象者は、企業の管理職・法務・総務やコンプライアンス関係の担当者です。さらに、ビジ法の2級取得後は、ビジネスコンプライアンス検定・知的財産管理技能検定や司法書士・行政書士に挑戦する選択肢もあるといわれています。
1級が活かせる職種
ビジ法の1級が活かせる職種としては、法務・総務部門の責任者や弁護士が挙げられるでしょう。1級の場合、資格取得の基準は、ビジネス全般にわたり業務関係の法律知識があるレベルと認識されています。同時に、様々な業務で法律知識を応用できる能力も求められています。これらの点をふまえ、1級取得が望ましいとされる対象は、法務・総務部門の責任者や弁護士・司法書士です。
この資格を取得すれば、ビジネスに関わる法律知識の専門家として、幅広く活動できると考えられます。それぞれ仕事関係で活かせる場面は異なるため、各々の立場・状況に応じて、どの等級を取得するか選ぶとよいでしょう。
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