携帯電話の進化に貢献した北欧のスマートフォン市場について

2018.02.28スタッフブログ
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世界に台頭した北欧携帯電話メーカー

携帯電話からスマホへ、その進化の歴史をたどる」でも紹介していますが、日本は「ガラケー」と呼ばれるほど独自の携帯電話文化を育んできました。そんな日本にとっては、あまりなじみのない話かもしれませんが、世界的に見て携帯電話の進化は北欧のメーカーが支えてきたといっても過言ではありません。
今回は、携帯電話の進化に貢献してきた北欧企業や、北欧における昨今のスマートフォン市場情勢についてご紹介します。

スウェーデンの首都ストックホルム

北欧の携帯電話メーカーとは?

北欧諸国(アイスランド・フィンランド・ノルウェー・スウェーデン・デンマーク)は、世界的にもモバイル・ブロードバンド普及率が高いことで知られています。スウェーデンは2012年の時点でEU27カ国中首位の97.5%という高い数字を出しており、続く2位、3位もフィンランド、デンマークと北欧勢が上位を独占しています。

フィンランドのノキア(Nokia)スウェーデンのエリクソン(Ericsson)など、世界有数のモバイル端末メーカーを擁しています。これらの企業の知名度は国内で高くないものの、北欧企業がモバイル分野に強いということは、世界では常識です。日本は独自の文化で携帯電話利用者を増やしてきた歴史を持つ、世界的に見て非常にまれな国ですが、海外ではどこの国でも携帯電話の歴史を語る上でノキアとエリクソンの2社は欠かせない存在なのです。

エリクソンはソニーとのジョイントベンチャーとして“ソニー・エリクソン” を設立し、2001年から2012年までたくさんの携帯端末製品を世に送り出してきました。ソニーのWALKMANやCyber-shotなど、すでに浸透しているブランド力を活かし、グローバル市場での差別化に成功しましたが、2012年に合弁を解消しました。

ノキアが2000年に発売した「Nokia 3310」は、世界で最も普及した携帯電話といえるでしょう。アップルがiPhoneを発売した2007年当時は、ノキアはiPhoneを競争相手とはみなしておらず、他機に先駆けた機能を搭載した革新的な製品で大きな成功を収めました。しかし、ノキアはフィーチャーフォンでの実績をスマートフォンの領域に発展させることができず、2014年に端末事業を売却します。

現在は両社とも端末事業を手放していますが、両社のブランドイメージやこれまでの業績は、いまだ北欧の消費者の心に深く刻まれている様です。

フィンランドの首都ヘルシンキ

北欧におけるiPhoneの人気

北欧メーカー衰退の背後には、iPhoneの成功があります。2008年に「iPhone 3G」が北欧市場で発売されると、瞬く間に人気に火が付きました。iPhoneのシンプルかつディテールにこだわったデザインは、北欧のデザイン文化にも通じるものがあった様です。中でもデンマークでの人気が非常に高く、5割以上の市場シェアを占めています。

またiPhoneは、ノキアが得意としていた、操作が分かりやすく使いやすいユーザーフレンドリーなインターフェース、静電容量方式のタッチパネルを搭載したことによって、子どもやお年寄りまで幅広い年齢層からの支持獲得にも成功しました。アップルはその後も、ノキアがスマートフォン分野でなし得なかった機能の開発や、高品質なアプリストアの展開など、iPhoneを中心とした顧客を囲い込むシステムの構築を成功させていきます。

スウェーデン・デンマーク・フィンランドでiPhoneの価格が米国の1.2~1.3倍(日本は1.07倍)なのは、消費者にとってそれほど魅力的な端末であることを表しています。

北欧でも人気があるiPhone

昨今の北欧スマートフォン事情

北欧では、スマートフォンを利用したオンライン決済の普及がかなり進んでおり、キャッシュレス社会の先駆けともいえます。スウェーデン・ノルウェー・デンマークの3国は、GDPに対する現金の使用比率が5%を下回り、スウェーデンに至っては2%と非常に低くなっています。つまり、決済現場ではほとんど現金が使われていないということです。今では「現金お断り」の店舗が増えており、現金で鉄道やバスには乗れないほどだといいます。

スウェーデンを例に見てみると、決済方法はクレジットカードや「Swish(スウィッシュ)」というスマートフォンのモバイル決済アプリが主流です。Swishは、携帯電話の番号と個人認証だけで直接自分の銀行口座から支払いすることができるという画期的な決済システムです。スウェーデンの6つの主要銀行が共同開発しており、スウェーデンのパーソナルナンバーと銀行口座さえあれば、お店やレストランでの支払いはもちろん、その場でお金の貸し借りもできてしまいます。今では他の銀行も続々と参加し、個人間のみならず企業やNGOなどの組織への決済も扱う様になり、一気に普及しました。2012年のサービス開始以来5年で国民の半数以上がSwishを利用しているといいます。

モバイル先進国ともいえる北欧諸国のスマートフォン市場や、昨今のスマートフォン事情についてご紹介しました。携帯電話の進化を語る上で、北欧を代表するメーカー2社の存在は欠かせません。今では端末事業を手放していますが、北欧消費者の両社への思いは消えることはなく、復活を心待ちにしている方も少なくない様です。これからもスマートフォン市場ではどんな製品・サービスが誕生するのか、あるいは北欧の携帯メーカーにチャンスはあるのか?携帯電話を巡る今後の情勢に目が離せません。

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