会社員なら知っておきたい!給与支払いの基礎知識
更新日:2023.03.09スタッフブログ会社員なら誰もが待ち遠しい給料日ですが、実際の支給日や振込タイミングは企業・会社によって異なります。毎月当たり前の様に受け取っていても、給与がどの様な法律に基づいて支給されるのか、知らない方は少なくありません。そこで今回は、会社員なら知っておきたい給与支払いの基礎知識や残業代の計算方法、知って得する給与のマメ知識をいくつかご紹介します。
目次
給与計算の基本となる“賃金支払いの5原則”とは?
一般企業における給与計算は、労働基準法(24条)に定められた“賃金支払いの5原則”に基づき行われます。“賃金支払いの5原則”とは、「通貨払いの原則」「直接払いの原則」「全額払いの原則」「毎月1回以上払いの原則」「一定期日払いの原則」といった5原則の総称です。それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
1.通貨払いの原則
通貨払いの原則とは、私達が日常的に使っている「通貨」で給与を支給することを指します。例外を除き、貴金属や旅行券といった現物での支給は認められていません。ただし、支給方法にはいくつかの選択肢があります。まず挙げられるのが、現金支給です。もっとも確実な支給方法ですが、労働者によっては不便に感じるケースもあります。そこで、相手側の同意さえあれば、銀行振込で支給することが可能なほか、証券口座への送金も認められています。
2.直接払いの法則
支給する給与は、労働者に直接支払う義務があります。企業と労働者の間に介入し、給与を受け取ることは禁止されています。例えば、子どもが稼いだ給料を、親が勝手に受け取ることはできません。たとえ親を代理人に指定したとしても、労働基準法においてはその権利が無効化されます。ただし、さまざまな事情により労働者本人が給与を受け取れない可能性もあります。その場合は、家族が「使者」という扱いとなり、本人ではなく家族名義の口座に振り込むことが認められています。
3.全額払いの原則
原則、支給する給与は全額払いでなくてはなりません。分割払いなどは認められておらず、一括支給が義務付けられています。一方で、給料からの“天引き”に関しては、本原則の適用外となります。例えば、国民年金保険料、健康保険料、社会保険料、各種控除の差し引きが認められています。
4.毎月1回以上払いの原則
雇用側には、毎月1回以上の頻度で給与を支払う義務があります。この原則に基づき、1ヶ月半に1回、2ヶ月に1回という頻度で支給すると、法律違反となります。逆に1ヶ月に2回以上の給与支給があっても問題ありませんが、分割払いは禁止されています。
5.一定期日払いの原則
労働者に支給する給与は、毎月同じ期日に設定しなければなりません。企業によって支給日は異なるものの、「毎月25日」「毎月10日」「月末」などが多く見られます。なお、「第3金曜日」「第2月曜日」といった曜日での指定も可能です。
残業代の正しい計算方法とは
「定時を超えたら残業代が発生する」と考えている方も多いのでは?この認識は正しいですが、厳密には「所定労働時間」が過ぎたら残業代が、「法定労働時間」を過ぎたら割り増し賃金が発生します。あらためて、残業代の正しい計算方法を覚えておきましょう。まず、労働時間には企業側が定める所定労働時間と、労働基準法で定められた法定労働時間の2種類があります。一般に知られる1日8時間かつ週40時間労働は、法定労働時間にあたります。あくまでも所定労働時間は、法定労働時間内に定める必要があるわけです。
例えば、9時〜17時までの所定労働時間を定める企業があるとします。休憩時間は1時間に設定しており、実労働時間は7時間です。同企業において、18時まで働いた場合は、1時間分の残業代が発生します。仮に20時まで働いた場合、1時間分の残業代に加えて、25%を上乗せした2時間分の割り増し賃金が支払われます。
このケースでいうと、18時まで働いた1時間分は「法定内残業」という扱いになります。残業代は発生しますが、基本賃金をベースに計算されます。一方、18時〜20時までの時間は、法定労働時間を超えた「法定外残業」となります。企業側は、時給換算した賃金に25%上乗せした残業代を支払わなければなりません。このように、残業代の金額は法定内残業か、法定残業かによって変動することを覚えておきましょう。
最速で引き出せるのは午前9時!? 給与に関するマメ知識
待ちに待った給与振込日ですが、「気づいたら振り込まれていた」という人も多いのではないでしょうか?給与の振込時間についても、法律で定められています。ここでは、一般企業における給与が振り込まれる時間帯や、最速で引き出せる時間帯についてお話します。
銀行の営業開始時間=引き出し可能時間
大手銀行の場合、営業開始時間である午前9時が給与の引き出し可能時間となります。なぜなら一般企業の多くは、給料日の数日前〜1週間前に振込手続きを済ませているためです。これにより、当日の深夜から営業開始時間までに口座へ一斉振込が行われます。厚生労働省の出先機関である「労働基準監督署」は、従業員の給与は「当日の午前10時までに引き出せる様にしておくべき」と指導しています。午前9時に給与を引き出せるのも、その指導にあわせた形です。
ただし、小規模な会社の場合は、経理担当者が手作業で振込対応にあたることもあります。すべての企業・会社の給与が、午前9時に引き出せるとは限りませんので、事前に給与支払い規定を確認しておきましょう。なお、ネットバンクや24時間営業のコンビニATMでは、午前9時前に引き出せますが、深夜・早朝は引き出し手数料が割高となるため注意して下さい。
給料日が休日なら「前営業日」に振り込まれる
給料日が土日・祝日と被った場合、銀行の前営業日に振り込まれるケースが大半です。例えば、給料日が毎月25日と仮定して、当月の25日が土曜日だったとします。その場合の給料日は、銀行の前営業日である24日です。ただし、企業によっては週明け後の月曜日や、祝日の翌日・翌々日に給与を振り込むこともあります。大抵は雇用契約書の給与支払い規定に明記されていますので、しっかりと確認して下さい。
15時を過ぎても振り込まれない場合は要注意
当日の15時を過ぎても振り込まれない場合、トラブルが発生している可能性があります。考えられる要因として、銀行側のシステムエラー、企業側の対応ミス、給与の支払い遅延、給与の不払いなどが挙げられます。システムエラーはともかく、支払い遅延などは労働基準法違反となる恐れがあります。
早急に経理担当者へ確認を取り、対応してもらいましょう。なお、一般的な銀行では、15時以降の給与振込は翌営業日に反映されます。この場合、給料日当日に振込は済ませているため、給与の支払い遅延にはあたりません。
いつもより給与が多い時は、経理担当者に問い合わせを
給与の金額がいつもより多い時は、その理由について確認が取れるまで、手を付けないことをおすすめします。まずは当月分の給与明細を確認し、基本給の変動や新しい手当の有無をチェックして下さい。とりわけ過去の明細と変わらない場合、企業側の入金ミスが考えられます。
実際に入金ミスが発生したら、企業側の指示で返還を求められます。もし返還できなければ、詐欺罪や窃盗罪に問われる可能性があります。いずれにしても、身に覚えのないお金には、手を付けないのが無難です。
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