調査報告書に見るテレマーケティング業の実態
更新日:2022.03.16スタッフブログ一般社団法人日本コールセンター協会は、2007年度からテレマーケティング・アウトソーシング企業を対象とした実態調査を実施しています。調査結果からは、コールセンターの需要が高まる一方、人員配置は以前から指摘されているパート・アルバイトが中心という状況が変わっていないことを確認できます。そこで今回は、電話対応サービスを提供する企業のあり方について考える参考材料として、テレマーケティングの需要、従業員構成、業務対象、および1日平均コール数などの調査結果をご紹介します。
目次
日本コールセンター協会が調査したテレマーケティング業の実態
テレマーケティングの需要
日本コールセンター協会の調査によれば、調査を開始した2007年~2017年におけるコールセンターの売上高合計は以下の通りです。
調査年 | 売上高(百万円) | 前年比(%) |
---|---|---|
2007 | 449,518 | × |
2008 | 533,548 | 118.69 |
2009 | 554,445 | 103.91 |
2010 | 534,997 | 96.49 |
2011 | 575,938 | 107.65 |
2012 | 644,756 | 111.94 |
2013 | 704,585 | 109.27 |
2014 | 698,155 | 99.08 |
2015 | 740,009 | 105.99 |
2016 | 772,556 | 104.39 |
2017 | 820,001 | 106.14 |
2010年と2014年は前年より減少していますが、いずれも翌年には数字が回復しており、全体的には上昇傾向を示しています。回答した企業数は一定でないものの、毎年50社前後です。回答企業が大幅に増えた結果、売上高合計も上昇したとは考えにくい、といえます。この点もふまえ調査開始から約10年の売上高を見る限り、テレマーケティング業の需要は増加傾向にあると考えて差し支えないでしょう。
なお、2015年と2016年は、売上高が1億~5億円未満および50億~100億円未満の企業が比較的に多数を占めていますが、2017年は5億~10億円未満の企業数も伸びています。
テレマーケティング企業の従業員構成
テレマーケティング企業における従業員構成の比率は、パート・アルバイトが中心となる場合が多くあります。
この傾向は、側近の2015年~2017年度の調査でも顕著であり、いずれの年もパート・アルバイトは8割以上と回答した企業が最多です。次いで5~8割未満であり、多くの企業ではパート・アルバイトが従業員全体の大半を構成していると理解できます。
調査年 | 8割以上 | 5~8割 | 3~5割 | 3割以下 | なし |
---|---|---|---|---|---|
2015 | 17 | 8 | 2 | 8 | 9 |
2016 | 16 | 14 | 2 | 11 | 8 |
2017 | 18 | 10 | 6 | 7 | 9 |
それに対し正社員は、1~2割と回答した企業が最多でした。次いで1割未満、2~3割未満の順であり、この分析が始められた2010年以降、調査結果に目立った変化は認められません。開始から約10年が経過していますが、その間に正社員の割合を増やすための大きな動きはなかったといえます。
調査年 | 5割以上 | 3~5割 | 2~3割 | 1割以下 | 非公開 |
---|---|---|---|---|---|
2015 | 3 | 1 | 8 | 11 | 5 |
2016 | 3 | 3 | 9 | 15 | 4 |
2017 | 2 | 4 | 10 | 14 | 7 |
スーパーバイザーの配置割合は、オペレーター10~14人もしくは6~9人に1人が圧倒的でした。専任トレーナーやQC・QA担当者は、いずれも「いない」が「いる」を上回っています。このうちトレーナーは、SVあるいはQC・QAを兼任している場合も少なくありません。
一般的に、これらの役職は正社員が、オペレーター業務はパート・アルバイトが担当します。従業員構成の現状を考えれば、数少ないスーパーバイザーがトレーナーやQC・QAを兼任しながら多くのオペレーターの指導を任されても不思議ではありません。
電話応対業務における対象の割合
コールセンターが電話応対する対象は、大まかに一般家庭の個人消費者とビジネス市場の取引相手などになる一般企業の2種類です。前者が対象であればB to C(Business to Consumer Telemarketing)、後者の場合にはB to B(Business to Business Telemarketing)と呼ばれています。
コールセンター協会はB to CとB to Bの割合も調査していますが、2017年の結果は「B to Cのほうが多い」という回答が過半数におよびトップです。過半数を割る年もありますが、常にトップの座は変わりません。「B to Cのみ」、「ほぼ同じ」、「B to Bのほうが多い」と答えた企業もありますが、いずれも少数です。また「B to Bのみ」は、2010年以降の数字が0~1にとどまっています。ほとんどのコールセンターでは、一般企業に対応しながらも個人消費者が主なサービス対象になっていると考えられます。
同時に、着信があるまで待機するインバウンドとコールセンターから電話をかけるアウトバウンドの割合も調査されました。こちらは「インバウンドのほうが多い」という回答が過半数であり、「インバウンドのみ」、「ほぼ同じ」、「アウトバウンドのほうが多い」と答えた企業は1ケタ止まりです。多くのコールセンターにおいて、お客様からの問い合わせなどを受け付ける電話対応が中心になっていると解釈できます。
1日の平均コール数
2017年度までの調査結果に限ると、1日の平均コール数は特定の範囲に集中する傾向は見られません。インバウンドの場合、2017年は1001~3000件が最多の8社ですが、2008年は1社のみです。アウトバウンドでは、2017年だけでも1~100件、101~300件、および1001~3000ともに最多の5社で並んでいます。
問い合わせ窓口として設定している対応チャネルに目を向けると、いずれの年も電話・FAX・Eメール・Webともに受け付けている会社が過半数を占めています。電話のみという会社は、決して多くありません。
コールセンターの売り上げが伸びる傾向にある一方、1日の平均コール数が必ずしも増加していないという調査結果は、通信手段の多様化を反映しているのかもしれません。
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