会社員でも節税できる?ふるさと納税の基礎知識
更新日:2023.03.23スタッフブログ2008年に創設された公的制度のひとつに、「ふるさと納税制度」があります。自分の意思で寄附する自治体を選べるほか、2,000円の自己負担額で豪華返礼品がもらえるなど、さまざまなメリットがある制度です。一方、その特徴や具体的な仕組みを理解している人は、まだまだ少ないようです。今回は、ふるさと納税の基礎知識と申し込み手順、税金控除までの流れをご紹介します。
目次
ふるさと納税とは?
ふるさと納税は、「生まれ育った故郷に貢献にできる制度」「自分の意思で選んだ自治自体を応援できる制度」として、2008年に創設された寄附金税制です。“納税”という名称ではあるものの、その実態は“寄附”と“税額控除”を組み合わせたものになります
ふるさと納税制度が創立された背景には、若者の都会への移住があります。例えば、地方で生まれ育った若者は、大学進学や就職を機に上京します。ふるさとで出産・育児・教育・医療といった行政サービスを受けて育ったにも関わらず、大人になってから納税するのは、現住所がある自治体です。つまり、都会の自治体は税収を得るものの、ふるさとの自治体には税収が入らないわけです。
こういった事情が問題として取り上げられたのは、2007年のことです。当時の総務大臣が「今は都会に住んでいても、自分の意思で『ふるさと』に納税できる制度があっても良いのでは」と申し立てます。事実、同様の考えを持つ方々は、一定数存在しました。税収入に悩む自治体とふるさとに納税したい方、両者をつなぐ仕組みとして誕生したのが、ふるさと納税制度なのです。
ふるさと納税の3つの魅力
ふるさと納税には「社会貢献」「返礼品」「税金の控除」といった3つの魅力があります。一つひとつ見ていきましょう。
1.社会貢献
ふるさと納税の寄附先は、自分の意思で自由に選べます。生まれ育ったふるさとはもちろん、現住所とは異なる自治体にも寄附可能です。また、複数の自治体への寄付はもちろん、同じ自治体に複数回に寄附しても問題ありません。これは寄附先の指定や寄附回数に制限がないためです。
地方自治体の多くは、寄附金の用途を公式サイトに明記しています。例えば、「子育て支援制度の拡充」「自然環境の保全」「高齢者福祉事業」などが挙げられます。寄附金の使い道を比較した上で、本当に応援したい自治体に寄附することも可能です。寄附金でふるさとを支援しつつ、社会貢献もできるのが同制度の魅力といえるでしょう。
2.返礼品
多くの自治体は、寄附に対する感謝の気持ちとして、返礼品を用意しています。返礼品はバラエティに富んでおり、地元の特産品・名産品やグルメ、ホテル宿泊券や農業体験など、自治体によって異なります。一方、自治体による返礼品の用意は、義務ではありません。記念品や感謝状のみを送ったり、お礼を一切用意しなかったりする自治体もあります。
ここ数年は、返礼品目当てで寄附する方が増えているようです。寄附した金額以上の返礼品を用意する自治体さえあり、これが物議を醸したこともあります。例えば、大阪府・泉佐野市の2017年の寄附金受け入れ額は、135.5億円でした。
全国1位の受け入れ額となった背景には、高級グルメや宿泊券といった豪華すぎる返礼品があります。その還元率は、寄付額の4割程度です。日本政府は、「返礼品の還元率を寄付額の3割以下」にする旨を自治体に通知していたため、そのルールを破ったことになります。国から名指しで批判された同自治体は、返礼品の見直しを迫られました。
ただ、寄附する側に関しては、特筆すべきデメリットはないといえます。返礼品目的で寄附しても問題はなく、むしろ「返礼品で寄附先を選べる楽しさ」もあります。
3.税金の控除
ふるさと納税には、税制面でのメリットがあります。具体的な内容としては、寄附金額から2,000円の自己負担額を引いた金額が、翌年度の所得税・住民税から差し引かれます。例えば、特定の自治体に20,000円を寄附した場合、「20,000円-2,000円=18,000円」が控除対象となります。実質2,000円で豪華な返礼品をもらえるほか、税金の控除まで受けられるのが大きな魅力です。なお、控除額には上限があり、家族構成や年収により変化します。上限を超えても寄附できますが、自己負担額が2,000円以上となる点に注意しましょう。
ふるさと納税の申し込み手順
ふるさと納税は、以下の手順に沿って申し込むのが一般的です。
1.自治体の選定
2.寄附
3.返礼品の到着(返礼品がない場合もある)
4.確定申告orノンストップ特例で控除申請
5.税金控除
寄附する自治体は、検索エンジンでヒットする「ふるさと納税サイト」から自由に選ぶことが可能です。「さとふる(https://www.satofull.jp/)」、
「ふるなび(https://furunavi.jp/?utm_source=vc&utm_medium=affiliate&utm_campaign=default)」
などが広く知られています。サイト内には「ランキングで選ぶ」「返礼品から選ぶ」「地域から探す」といった項目があるため、寄附先を探す際に便利です。
寄附する自治体が決まったら、寄附を申し込みます。「ふるさと納税サイト」上で申し込むのが簡単ですが、自治体に直接連絡することも可能です。ネットショッピングと同じ感覚で利用できるため、「ふるさと納税サイト」の利用が簡単かもしれません。
その後、返礼品とは別に「寄附金受領証明書」が自治体から送付されます。詳しくは後述しますが、税金の控除申請に必要な証明書なので、必ず保管しましょう。控除申請については、確定申告かワンストップ特例制度のどちらかを選びます。
税金控除を受けられる仕組み
ふるさと納税により、税金控除が受けられるのは先述しました。それには「確定申告」あるいは「ワンストップ特例制度」の申請が必要です。ここでは、ふるさと納税によって税金控除を受けられる仕組みと、2つの控除申請についてお話します。
確定申告とワンストップ特例制度の違い
確定申告で税金控除を申請する場合、申告書類に「寄附金受領証明書」を添付し、税務署に提出します。寄附金受領証明書は、寄附先の自治体が発行する領収証の様なものです。税金控除を申請する際に必要となるため、忘れずに保管しておきましょう。また確定申告で申請する際、所得税と住民税、両方が控除対象となります。
一方のワンストップ特例制度では、寄附する毎に各自治体に申請書を提出します。確定申告との違いは、1年間で5自治体しか寄附できないことです。控除対象は住民税のみであり、寄附金額から自己負担額(2,000円)を除いた金額は、住民税から全額差し引かれます。
また1年間で5自治体とはいえ、ひとつの自治体に複数回寄附しても1カウントです。「特定の自治体にしか寄附する気はない」という方は、気にならないでしょう。ワンストップ特例制度はとても便利な仕組みです。とりわけ確定申告をしない会社員には、同制度の利用をおすすめします。
ただし年収が2,000万円を超える方、1年間で6自治体以上に寄附した方、各種控除を受けたい方は、会社員であっても確定申告が必要です。確定申告とワンストップ特例制度は併用できないため、どちらか一方を選ぶことになります。
ふるさと納税は社会貢献性が高く、それでいて個人にもメリットがある制度です。創立から10年以上が経過し、近年は返礼品を理由に人気を博しています。しかし、実際にふるさと納税を利用したことがある方は、決して多いとはいえません。具体的な仕組み、利用するメリットを把握している方もまた、多いとはいえないでしょう。本記事を参考に、今年はぜひふるさと納税制度を利用してみてはいかがでしょうか。
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