電話対応マニュアルの作り方とは?作成手順と3つのポイントを紹介

更新日:2022.07.07電話代行

電話対応マニュアル作成手順と3つのポイント

電話対応マニュアルとは、電話対応のマナーや基本的なスクリプトなどを記載したものです。電話対応マニュアルを作らなければ、クレームに対して適切に対応できずに、会社の信頼失墜を招く危険があります。本記事では、マニュアルに含めるべき内容や作成の手順、意識すべきポイントをご紹介します。ぜひ参考にして、業務に役立つ実践的な電話対応マニュアルの作成に役立ててください。

電話対応マニュアルの必要性

電話対応マニュアルの必要性

電話対応マニュアルが必要とされる大きな理由は、電話対応のクオリティが企業のイメージまで左右する場合があるためです。電話を受けた担当者が優しく丁寧かつ適切に応対することで、電話を掛けた方に「マナーのある会社だ」という印象を持ってもらうことができます。

反対に事務的な対応や煩雑な対応をしてしまうと「不愛想でぶっきらぼうだ」というイメージを持たれかねません。電話対応がいい加減なだけでクレームの原因となり、会社の信頼が簡単に失墜してしまう可能性があります。

掛かってきた電話にきちんと対応するためには、電話を受けた担当者が企業を代表して適切な電話対応ができるよう、マニュアルの整備・運用が求められます。

電話対応マニュアルに入れるべき内容

電話対応マニュアルに入れるべき内容

電話対応マニュアルに入れるべき基本的な項目は、電話対応の心構えやビジネスマナー、自社商品・サービスの情報、シーン別のトークスクリプトなどです。ここでは、各項目における記載内容や例文を紹介します

電話対応をするうえでの心構え

電話対応における基本的な心構えは、次の3つです。

  • 企業の代表として電話に出る
  • 明るくハキハキと話す
  • 適切な敬語や敬称を使う

電話を掛けてくる方は、兼ねてより付き合いのある取引先の他、初めて問い合わせをしてきた方などの可能性もあります。この場合、電話対応のクオリティは会社に対する第一印象に直結します。そのため電話対応マニュアルには、「電話を受けた担当者の対応が会社の印象にも関わる」という責任感を持つように明記しておくことが大切です。

話し方は通常と比べてワントーン高めで、ゆっくり話すようにルール化しておくのがおすすめです。電話は話す相手の顔が見えないため、ストレスなくやり取りを交わすためにも、対面での会話以上の配慮を心がけるよう推奨する内容にしましょう。

電話対応におけるビジネスマナー

電話対応マニュアルには、基本のビジネスマナーについても記載しておく必要があります。電話対応の中でも最初に重要となるビジネスマナーは、3コール以内に受話器を取ることです。電話に出るのが遅れたからといって、大きなトラブルに発展するとは考えにくいですが、社員教育が疎かな会社だと思われる可能性はあります。

電話対応マニュアルを作る際は、3コール以内に電話に出ること、もしも出るのが遅れてしまった際は「大変お待たせしました」」などの一言を沿えることをルールとして記載しておくとよいでしょう。

また電話はなるべく電話を受けた者からは切らず、切るとしても丁寧に受話器を置くよう、マニュアルに記載しておいてください。電話を掛けた方が先に切ることは一般的なマナーとして定着していますが、ときには相手側が受話器を置こうとしないケースもあり得ます。この場合、電話を受けた担当者の方から「ありがとうございました。失礼いたします」と伝え、対応を促すのが有効です。

その他、社内の目上の人物を呼ぶ際の、敬称の付け方もルール化しておきましょう。社外の人との対話の中では、社内の人物を呼ぶ際に「〇〇課長は、席を外しております。」などと役職を付けてはいけません。社内の人物は、どんなに役職が高くても名前だけで表現するのがビジネスマナーとなります。

上記の内容を踏まえて、企業として統一しておきたいレベルの内容を、電話対応マニュアルに記載しておくようにしてください。

自社商品やサービスの情報

顧客から企業へ掛かってくる電話は、商品・サービスに対する問い合わせや申し込みが中心となります。したがって、問い合わせに対して正しい情報提供を行えるよう、電話対応マニュアルに整理した情報を記載しておくことが重要です。

商品・サービスの基本知識はもちろんですが、どのような内容の問い合わせが入るかわからないため、電話対応マニュアルには商品やサービスのこれまでのラインナップやそれぞれの特徴など、網羅的で細かな情報を記載しておくことが求められます。

シーン別のトークスクリプト

電話対応マニュアルには、シーン別のトークスクリプトを記載しておき、電話を受けた担当者がそれを見ながら対応の判断をできるようにしておきます。

ここでは一般的なトークスクリプトの例をシーン別に3つご紹介します。

〈電話を取ったタイミング〉

(例)「お電話ありがとうございます。□□□□株式会社の△△△でございます。」
※3コール以上鳴った場合は、最初に「お待たせいたしました。」と付け加える。

〈相手の担当者の名前を聞く際〉

相手方が会社名・名前を名乗らない場合は、ご自分から確認する必要があります。
(例)「わたくしは□□□□株式会社の△△△と申します。お名前を頂戴できますでしょうか?
こちらが先に名乗ってから、相手へ質問を投げかけるのがマナーです。

〈確認のため保留にする際〉

内容の確認のため、担当者へ取り次ぎする場合は、電話を保留にします。
(例)「●●●●(担当者の名前)でございますね。少々お待ちください。」
取り次ぎ先を間違わないために、担当者の名前を復唱することが重要です。社内の人間なので、復唱の際は呼び捨てにします。

電話対応マニュアル作成の流れ

電話対応マニュアル作成の流れ

電話対応マニュアル作成の基本的な手順は、以下のとおりです。

  • 1.アジェンダの作成
  • 2.アジェンダに基づく内容の整理
  • 3.使いやすい記載方法の検討
  • 4.下書きの作成
  • 5.本誌の作成

アジェンダは議題に挙げる基本事項をまとめた計画資料です。電話対応マニュアルを作成するにあたり、アジェンダを作る意義は、資料に記載すべき内容を明確に把握し、作業者や電話対応マニュアルの利用者へ準備を促すことにあります。

アジェンダができたら、電話対応マニュアルの完成形、作成のために必要な作業時間なども想像しながら、必要な内容を整理していってください。電話対応マニュアルの記載方法は、どのような順番で記載するのか、どのような項目でまとめるのかといったことを考え、現場で使いやすい体裁に整えます。

計画が固まったら、下書きの作成に入りましょう。下書きができたら、実際に現場で使ってみた上で、必要に応じて改善します。問題となる点がなくなったら、本誌を作成して完成となります。

電話対応マニュアル作成の3つのポイント

電話対応マニュアル作成の3つのポイント

次に、効果的なマニュアルを作るために、押さえるべきポイントを紹介します。

  • 現場での見やすさ・使いやすさを考慮する
  • 運用開始後は定期的に改善する
  • クレームやイレギュラーに対する対応も記載する

の3つです。それぞれの詳細は以下の通りです。

現場での見やすさ・使いやすさを考慮する

マニュアル作成の本来の目的は、担当者がスムーズに業務を遂行できるようになることです。そのためには、使いやすさや見やすさが非常に重要だといえます。文章だけですべて説明すると見づらくなってしまうため、レイアウトやデザインへの工夫が必要です。

具体的には、図表を増やし一目で確認しやすくする、余白を持たせて文章を配置する、重要な箇所は強調するといった配慮が求められます。見やすさ・使いやすさを向上させる有効なテクニックは、業務の全体的な流れをフローチャートを用いて紹介することです。

フローチャートとは、業務やシステム操作の一連の流れや手順を図式化したもののこと。通常は業務の内容を手順に沿って記載し、枠で囲み、矢印でつなげていきます。フローチャートを作っておくと、電話を受けてから切るまでの流れを即座に確認できるため、担当者が作業のイメージを理解しやすくなります。

また電話対応マニュアルの構成は、目次を見ただけで何がどこに書かれているかわかるような工夫が必要です。電話を受けた担当者が実際にマニュアルを見るのは、ある業務の進め方が分からずに作業が中断したり、トラブルに見舞われたりするパターンがほとんどと考えられます。

すぐに情報を入手したいと考えている状況のため、「顧客情報の登録方法」「顧客情報の変更方法」というように、目次を見ただけで確認すべき場所がわかる記載方法が理想的です。

運用開始後は定期的に改善する

電話対応マニュアルは、最初から完璧な状態を目指さすのではなく、ある程度の内容が完成したら、定期的に改善していくことを念頭に置いて運用を開始しましょう。実際のマニュアルの運用・改善方法としては、利用者へのヒアリングが効果的です。

現場でマニュアルが役に立っているか、使いづらい箇所や分かりづらい部分はないのか、質問を通して意見を吸い上げていきます。集めた意見を可能な限り反映させることで、より清廉したマニュアルへとブラッシュアップできます。

また、マニュアルは定期的な更新が必要です。時間の経過によって新たなツールが登場する場合もあれば、より適した作業方法が見つかることがあります。一回作ったマニュアルをそのまま放置していると、徐々に現場の実態と合わないものへと形骸化し、使えなくなる可能性があります。

情報を収集してその内容をベースに変更作業を行い、変更版を公開した後も定期的に利用者の意見を募るというように、PDCAサイクルを意識した計画の立案・実行が必要です。定期的なアップデートを続けることができれば、いつまでも使えるマニュアルとして組織に定着するでしょう。

なお更新作業を行う際は古い方のマニュアルもすぐには捨ててしまわないように注意してください。更新版を公開した後に不備が発覚したり、以前の方が良かったとの意見が多数出て、元のバージョンに戻したりする可能性もゼロではないためです。

クレームやイレギュラーに対する対応も記載する

クレームを受けたときに対応方法が明確になっていないと、電話を受けた担当者が混乱し、その場しのぎの対応でごまかすなどとして、事態がこじれてしまう可能性があります。

このようなことを招かないためにも、クレームやイレギュラーな事態への対応方法もマニュアルに記載しましょう。記載内容を充実させるためには、実際に起きてしまったクレームを追記していったり、商品やサービスの販売を通して気が付いたクレームの可能性と解決方法を記録していったりすることが大切です。

ポイントを押さえた電話対応マニュアルを作りましょう

本記事でご紹介したポイントを押さえて、現場で活用できる電話対応マニュアルを作成しましょう。作成手順や盛り込むべき内容など知識を得て、実践する心構えが重要となります。どうしてもマニュアルの作成や内容社内周知が難しいという場合は、電話対応業務自体をアウトソーシングしてしまうのも一つの方法です。

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