テレワークの労務管理方法について

2020.07.24ビジネス豆知識
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まだ新型コロナウイルスが収束しないなか、政府は感染防止のため企業にテレワークの導入を促しています。ただテレワークにはメリットだけでなくデメリットもあり、なかでも企業を悩ませているのは労務管理の問題です。仕事の効率や生産性を維持するには、この課題への対処を怠れないでしょう。そこで今回は、テレワークにおける労務管理はどうすればよいか、また働きぶりの適切なチェック方法などをご紹介します。

テレワーク

 

テレワーク導入が抱える問題

テレワークの導入時、多くの企業が不安視している問題は労働時間や仕事の生産性についてです。

 

労働時間の把握が難しい

テレワークは、通常勤務と異なり個々の従業員の動きに経営者側の目が届きません。出退勤や休憩する時間を従業員に一任すると、労働時間の把握は難しくなります。

通常、多くの職場では休憩を含め勤務時間が決まっており、従業員がスケジュール通りに働いているか、上司は直接確認できます。休憩時間でないのに、個々の都合で好き勝手に休まれる心配はありません。

テレワークは、本来の職場から離れた場所で作業する労働スタイルです。在宅勤務なら、それぞれの自宅が仕事場になります。上司や同僚は一緒に働いていないため、いつ仕事しているのか、目の前ではチェックできません。

労働時間の把握の難しさから、テレワークの導入に伴う出退勤管理は企業にとって大きな課題になっています。

 

業務成果を確認しにくい

テレワークの導入により従業員の勤務場所が別々に離れると、業務成果の確認も簡単ではありません。

普段、職場では終業時に上司が従業員から業務成果について報告を受けるケースがよく見られます。従業員が近くで作業していれば、時間を見つけ仕事の進捗状況を聞くことも面倒ではないでしょう。

テレワークになると、終業時に業務成果の報告を受けるには通常より手間がかかります。たいてい、連絡方法は電話やメールが中心でしょう。作成した資料などを添付できる業務でなければ口頭説明にとどまる可能性があり、業務成果は確認しにくいと考えられます。

作業内容が目に見える形で示されない場合、問題なく仕事が進んでいるか、あるいは生産性が落ちていないか多少なりとも不安は残るでしょう。

 

不公平感を生む恐れあり

テレワークは働き方の選択肢を広げる方法ですが、仕事の内容によっては適用できない場合があります。会社側が労働時間や業務成果を適切に確認しないと、出社している従業員は不公平に感じるかもしれません。

労働時間の確認を怠った場合、仮に従業員が仕事をさぼっていたとしても給料は通常通り発生することになります。これでは、テレワークできない従業員から不満が出ても仕方ないでしょう。

業務成果が分からない場合、業績評価に影響すると考えられます。1日に成し遂げた作業内容を資料や数字ではっきり示せれば、とくに問題ありません。一方、口頭説明だけが頼りになると正当に評価されない可能性があり、この場合も不公平感の発生につながります。

テレワークに伴う問題を避けるには、導入前に企業がきちんと対策を検討しておくほうが無難といえます。

 

労務管理に関するガイドライン

企業が従業員のモチベーションを保ち、生産性の維持・向上を図るには適切な労務管理が不可欠でしょう。その際、ガイドラインがあれば参考になると考えられます。

 

厚生労働省によるガイドライン

厚生労働省は、新型コロナウイルスが問題化する以前の2018(平成30)年に働き方改革の一環としてテレワークについてガイドラインを作成していました。

そのなかで、職場がテレワークを導入すれば通勤時の負担軽減、業務の効率化、時間外労働の削減につながると評価しています。同時に仕事とプライベートが両立しやすく、子育てや介護を支援できるメリットもアピールしています。

ただ、企業や労働者にとって魅力的なテレワークですが長所ばかりではありません。とくに厚生労働省が注視する問題は、労働時間にからむ課題です。ガイドラインでは、適切な労務管理の実施がテレワーク普及の重要な前提条件であると位置付けています。

 

適切に労務管理するには

企業が適切に労務管理を進めるうえでは、まず法律にしたがう必要があります。テレワークを実施する場合、労働基準関連で適用される主な法令は労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法や労働者災害補償保険法です。

労働基準法によれば、原則として労働時間の把握はテレワーク実施時に企業側が背負わなければならない責務となっています。労働時間を適正に管理するため厚生労働者が推奨する方法は、パソコンなどを活用した客観的な記録です。

設備的な都合で自己申告制を避けられない場合、ガイドラインをふまえ何らかの措置を取る必要があると指摘しています。

 

テレワークでよく生じる問題

テレワークを実施した際、中抜け時間をどう処理するかが多くの職場でよく生じる問題です。ガイドラインでは、代表的なケースについて法的な扱い方を示しています。

テレワークのため就業場所を変える場合、勤務中であれば本来の職場から移動する時間は実働時間や休憩時間に含める処置が妥当です。移動が職場による指示なら労働時間、従業員の任意であれば休憩時間として扱う傾向にあります。

テレワークに伴う就業場所の移動には、さまざまなケースが見られ一律ではありません。トラブルを避けるため、どんな扱い方が望ましいかパターンごとに職場で話し合っておくとよいでしょう。

 

企業に求められる労務管理の方法

テレワークが抱える問題を防ぐため労務管理の方法で企業に求められるポイントは、主に労働時間の記録、作業状況の把握、給与システムとの連動の3つです。

 

労働時間の記録

労務管理において、労働時間の記録は不可欠です。少なくとも、各従業員の始業時刻、終業時刻、休憩時間についてのデータは欠かせません。

すべての従業員の勤務時間が固定されている場合、記録作業に多くの手間はかからないでしょう。新型コロナウイルスの感染予防として時差出勤やフレックス制が採用されているなら、柔軟に対応できるシステムが必要になると考えられます。

従業員によって通常の勤務時間が異なると残業時間にも違いが生じ、給与計算が難しくなる場合もあるため慎重に処理しなければなりません。

 

作業状況の把握

作業状況を把握する方法としては、従業員による報告や通信機器を用いた手段が挙げられます。

従業員から報告を受ける場合は、電話やメールによる終業時の連絡が一般的でしょう。明確な作成資料や数字を示せないケースでは、よくコミュニケーションを取るスタイルがおすすめです。営業職であれば、口頭説明が十分でなくてもGPS機能の活用により移動先を細かく把握できるといわれています。

作業状況の把握は労働時間ほど簡単ではありませんが、いろいろ工夫すれば業務成果を適正に評価できるでしょう。

 

給与システムとの連動

給与システムが労働時間や作業状況の記録と連動していると賃金計算の手間は減り、ミスを防ぎやすくなると考えられます。

テレワーク時、とくに残業代の計算ではミスが起こるといわれています。始業時間が一律でないと、従業員によって残業に該当する時間帯も変わるためです。給与システムは、テレワークの労働スタイルに対応したタイプが適していると考えられます。

 

テレワークでは個々の従業員の仕事場が離れるため、これらの労務管理を円滑に進めるにはITツールの導入によるネットワーク環境の整備が望ましいといえるでしょう。

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