アンガーマネジメントをビジネスシーンに活かそう

2020.03.04ビジネス豆知識
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いま、多くの会社ではいじめやパワハラが大きな問題になっています。その対策として注目されているのが、アンガーマネジメントです。上司が身につけると、部下がミスした時でも怒りに流されず冷静に注意できるといわれています。職場で部下に怒鳴ってばかりで雰囲気を悪くしているとお悩みなら、この方法を導入するとよいかもしれません。そこで今回は、アンガーマネジメントの知識や身につけ方、メリットなどをご紹介します。

アンガーマネージメント

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りの感情に振り回されず自分でうまくコントロールする方法です。

日本で注目された背景

アンガーマネジメントは、もともと1970年代にアメリカで開発されました。当時、この手法が実施されたのは精神療法を受けている方のほか、教師や看護師など辛くても「笑顔でやさしく」を求められた職業の従事者です。

1980年代には教育分野でいじめや暴力の予防教育として発展し、ビジネスやスポーツの分野にも広がっていきます。

日本でアンガーマネジメントが注目された主な要因のひとつは、企業におけるパワーハラスメントです。最近は、かつてと異なり上司が感情にまかせて部下を叱るのは問題視されています。その影響もあり多くの企業ではアンガーマネジメントを社員研修に取り入れ、パワーハラスメントの予防につなげています。

アンガーマネジメントが目指すもの

現在、アンガーマネジメントは研修やメンタルヘルスなどいろいろな形式で企業に導入されていますが、いずれも目指すものは感情のコントロールにより適切に行動できる様になることです。

目的を達成するうえで、まず求められるのは感情および行動の抑制です。心に怒りが発生した時、感情に流されず心身を落ち着かせる必要があります。自分を制御するとともに、怒りを引き起こす考え方にも目を向けることが大切です。怒りの原因となる考え方は改善し、柔軟な思考方法を習得するとストレスを受けても怒りを覚えにくくなります。

他者を尊重する姿勢も、アンガーマネジメントにとって重要といわれる要素です。自分とは異なる価値観を認めることで、最終的に良好な人間関係の構築も目指せます。

怒らないことではない

アンガーマネジメントはあくまで怒りのコントロールであり、まったく怒らなくなることではありません。

どこでも無闇に怒るのは好ましくないものの、無理に感情を抑え付け、ストレスをため込むのも問題です。大量のストレスが重い負担になり精神のバランスを崩してしまったら、健康を害する恐れもあります。

この点をふまえ、人によってはアンガーマネジメントには2つの意味があると指摘しています。ひとつは以前からいわれる「感情のまま怒りを爆発させないこと」、もうひとつは「上手に怒りを伝えること」です。

ビジネスの場において両者をうまく実行できれば、部下を大声で叱りつけ職場の雰囲気を悪くするといった事態を避けられるでしょう。

アンガーマネジメントの身につけ方

アンガーマネジメントを身につけるうえで効果が見込める方法をいくつか挙げると、6秒間カウント、別の場所に移動、音を立てずに行動です。

6秒間カウント

6秒間カウントは、何かをきっかけに怒りを感じ始めたら6秒を数えながら静かにやり過ごす方法です。

心に怒りが芽生えホルモン物質のアドレナリンが体内に分泌されると、ヒトは興奮・攻撃態勢になります。アドレナリンが体内をめぐる時間は6秒間と考えられており、その時間を乗り切れば怒りに対処しやすくなるわけです。

普通に1から6まで数えるだけでは、怒りから意識をそらすのは簡単ではありません。できればカウント方法も100、99、98・・・や2の倍数を数えるといった具合に工夫すれば次の数字を考えることに意識が向き、感情を静めるのに効果的です。

しばらく別の場所に移動

あまりに怒りが大きく6秒をカウントする余裕がない場合、しばらく別の場所に移動する方法もあります。

怒りの感情は、常に同じレベルというわけではありません。時には、一瞬で抑えきれないほどの怒りがわき出ることもあります。その場にとどまっていると6秒も経過しないうちに怒りをぶつけてしまう恐れがあるので、どこかに離れるのが賢明です。

にぎやかな場所では、高ぶった気持ちを落ち着かせるのは困難と考えられます。周りの声や雑音がストレスになり、さらに怒りを増幅させるかもしれません。移動場所を選ぶなら、静かに過ごせるトイレや人通りの少ない廊下がおすすめです。

音を立てずに行動

音を立てずに行動とは、とにかく無音で動き続けることを意味します。目安の時間は、およそ10分間です。

普段は、自分でも気づかないうちに多くの音を出しています。パソコンのキーを叩く音、立ち上がる時に椅子を動かす音、部屋を歩く音、キャビネットから書類を取り出す音、机の引き出しを開ける音など具体例は数えきれません。

怒りを感じたら、すべての音を出さない様に行動するわけです。それを心がけると、意識は自分の動きに集中します。10分くらい無音の行動を継続すると、いつの間にか怒りの感情も静まっているとのことです。

アンガーマネジメントを身につける際には、これらに加え気持ちの切り替えや、周りに完璧を求めない心がまえ、ストレスを受け流す姿勢なども大切といわれています。怒りを感じた時にはこれらの方法を実践し、高ぶった感情を落ち着かせることに役立てて下さい。

アンガーマネジメントのメリット

ビジネスシーンにおいてアンガーマネジメントがもたらす主なメリットは、心身ともにストレス軽減、コミュニケーションの円滑化、いじめやパワハラの防止です。

心身ともにストレス軽減

アンガーマネジメントが身につくと感情のコントロールが可能になり、ストレスの軽減につながります。

仕事では、ほとんどの場合にミスがつきものです。とはいえ何かトラブルが起きれば、怒り以外にも不安や焦りといった気持ちが生まれます。いずれも基本的にはネガティブな感情であり、そのまま放置すればストレスの原因になります。

アンガーマネジメントの方法を上手に使えると、自分がどんな感情に支配されているか認識しながら気持ちを整理していけます。多少の怒りを感じても、その感情を言葉や行動に移すことなく静められます。

怒りの感情は身心に大きな影響を及ぼさないうちに消えていくため、そこから生じるストレスも軽くて済むわけです。

コミュニケーションが円滑化

仕事のミスを叱る場合、感情的に怒鳴るより落ち着いて伝えたほうが相手の心には届きやすいといわれています。

仕事に限らず、よく耳にするのが怒りは怒りを誘うという話です。怒りの感情は周りに伝染する場合があり、職場では上司に叱られた部下が逆に怒ってしまうケースも見られます。部下に心を閉ざされたらミスの防止は望めず、上司が叱った意味は薄れます。

怒りをコントロールし落ち着いた口調でミスの原因や改善点を指摘した場合、部下の怒りを誘発する心配はありません。周りからも、感情的にならず冷静に話せる人物として見てもらえるでしょう。

怒鳴るのでなく適切な言葉で説明する姿勢を示せば、ミスした本人だけでなく周りも受け入れやすくなりコミュニケーションの円滑化を図れます。

いじめやパワハラを防止

いじめやパワハラは、通常、嫌悪する相手に向けられる行為です。アンガーマネジメントの方法と用いると怒りの感情が嫌悪感に発展する事態を避けられ、いじめやパワハラの防止につながります。

部下がミスしても、多くの上司は最初のうちなら冷静に注意できます。指示に従わず何度も同じミスが続いたら、徐々に怒りを覚えるでしょう。場合によっては怒りの感情に嫌悪感が伴い、いじめやパワハラと受け取られるレベルまで怒り方は過剰になります。

アンガーマネジメントの方法を心得ていると、嫌悪感が生じる前に怒りの感情を抑えられます。ミスを繰り返す部下にも嫌悪感を抱くことなく温かい気持ちで助言できるため、いじめやパワハラを防げるはずです。円滑にビジネスを進めるためにも、ぜひアンガーマネジメントを身につけてみてはいかがでしょうか。

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