NPO法人はどうやって設立する?期間や費用、メリットは?

2019.10.23ビジネス豆知識
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市民活動の活性化を目的に、1998年に施行されたのが「特定非営利活動促進法(NPO法)」です。近年はさまざまな分野で活動するNPO法人が増えており、その存在意義が増しています。そこで今回は、NPO法人の基礎知識や設立要件、法人化するメリットとデメリットを解説します。

NPO法人

NPO法人とは?

NPOは「Non Profit Organization」の頭文字からなる略称であり、日本語で「特定非営利活動法人」と呼びます。“非営利”とあるように、株式会社や合同会社(LLC)とは違って営利目的の団体ではありません。今一度、NPO法人の特徴をおさらいしていきましょう。

□20の活動分野における社会貢献を目指した「法人」
□一定の条件下において営利活動も認められている
□活動範囲を超える収益が発生した場合は、団体の構成員に分配できない
□活動範囲を超える収益が発生した場合は、社会貢献活動の費用に充てられる

度々、「NPO法人は有償案件を請け負ってはならない」と勘違いされることがあります。NPO法人は非営利団体とはいえ、すべての活動が無償ではありません。団体の構成員にも生活があるため、一定の利益がなければNPO法人の存続が困難になります。よって後述する NPO法人の活動分野においては、一定の営利活動が認められています。

ただし、活動範囲を超える収益が発生した場合のみ、制限がかかります。例えば株式会社は、営利活動で得た収益は株主や役員に分配することができます。一方のNPO法人は、利益追求が活動軸ではないため、団体の構成員などへの分配が認められていません。事業で得た利益は、さらなる社会貢献活動に充てられることとなります。

もし社会貢献活動と営利活動を両立したいのであれば、NPO法人化せず株式会社・合同会社として活動すると良いでしょう。NPO法人にはメリットがある一方、その分だけ制約も存在するためです。今後NPO法人の設立を検討している方は、本当にNPO化する必要があるのか再考してみましょう。

 

NGOとの違いは?

NPOと混同されるものにNGO(Non Government Organization)があります。こちらは日本語で「非政府組織」と呼び、基本的な活動方針はNPOと相違ありません。ただしNGOは、海外を拠点に国際的な活動をする団体となります。国内で社会貢献活動を行うNPOと違うのは、グローバルか否かです。どちらも社会貢献に取り組む団体ではあるものの、活動範囲が異なる点を覚えておきましょう。

 

NPOの設立要件とは?

NPO法人の設立には、大きく分けて2つの要件が定められています。

 

1.指定の活動分野(業種)に相当するか

NPO法人は、法律で定められた20種類の活動分野のどれかに相当しなければ、設立が認められていません。以下をご覧下さい。

【NPO法人 20分野の活動】

□保健、医療又は福祉の増進を図る活動
□社会教育の推進を図る活動
□まちづくりの推進を図る活動
□観光の振興を図る活動
□農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
□学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
□環境の保全を図る活動
□災害救援活動
□地域安全活動
□人権の擁護又は平和の推進を図る活動
□国際協力の活動
□男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
□子どもの健全育成を図る活動
□情報化社会の発展を図る活動
□科学技術の振興を図る活動
□経済活動の活性化を図る活動
□職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
□消費者の保護を図る活動
□前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
□前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

※出典:内閣府NPOホームページ,活動分野(https://www.npo-homepage.go.jp/qa/seido-gaiyou/katsudou-bunya

現在検討している事業が上記20分野に当てはまるか、確認してみましょう。なお、1団体あたり複数の分野で展開しても問題ありません。

 

設立時に10名の社員が必要

NPO法人の設立には、「10名以上の社員(団体構成員)が必要」とされています。同団体における社員とは、「議決権を持つ会員」を指します。一般な会社員と異なり、社員全員が平等の立場で総会に出席するのが基本です。

また設立要件には、社員になる(あるいは退会する)ために不当な条件を課さないことも定められています。活動に賛同した方がいつでも入会でき、いつでも退会できるオープンな組織でなくてはなりません。

 

NPO法人の設立手順

NPO法人は、以下の手順に沿って設立申請を行います。

1.設立に必要な書類を提出(提出先は都道府県・市町村の担当窓口)
2.審査・認証
3.登記手続き

上記3ステップが基本となります。一つひとつ解説していきましょう。

 

1. 設立に必要な書類を提出

NPO法人を設立するにあたって、以下の書類を所轄庁の担当窓口に提出します。

□定款(法人の名称や活動分野などを記したもの)
□役員名簿
□役員の就任承諾書の謄本
□役員の誓約書の謄本
□役員の住民票など
□設立主旨書
□立証要件に適合したことを示す書面
□設立の意思決定を示した議事録
□事業計画書(設立年度および翌年度分)
□活動予算書(設立年度および翌年度分)

2. 審査・認証

こちらは所轄庁側のステップであり、申請側は待機期間となります。たいていは申請から3カ月以内に認証、あるいは不認証の通知が届きます。

 

3.登記手続き

認証された場合、原則2週間以内に法務局で登記手続きを行います。その後、法務局が発行する設立登記完了届出書と登記事項証明書、財産目録などを各都道府県の所轄庁に提出します。注意したいのは、通知から6カ月以内に登記手続きを行うことです。期間に間に合わなければ認証を取り消される可能性があります。認証されたら、速やかに登記手続きを完了させましょう。

 

NPO法人を設立するメリット・デメリット

活発に活動していてもNPO法人化せず、社会貢献活動に取り組む任意団体は数多く存在します。そういった中でNPO法人にするメリットは何があるのでしょうか。ここでは、NPO法人を設立するメリット・デメリットをお伝えします。

 

社会的信頼が得られる

最大のメリットは、法人格の優位性をフル活用できることです。例えば、団体のオフィスにおける賃貸契約、通信回線の契約など、法人ならではの特権が活かせます。また行政からの委託事業や助成金の利用時など、法人格が応募条件となるケースも少なくありません。社会貢献活動においては、任意団体より有利になることが多いでしょう。

同じく一般社団法人や一般財団法人に比べ、社会的信頼性が高くなります。NPO向けの助成金制度も多く、資金調達がしやすくなるのも特徴です。団体設立時は任意団体でも構いませんが、いずれは法人化した方が有利になるといえます。

 

設立費用が少額で済む

NPO法人の設立には、株式会社や合同会社の様な資本金・出資金の条件がありません。登記手続き時の登録免許税なども必要なく、設立費用が少額で済みます。加えて税制面でも有利になるケースが多く、収益事業を展開していない団体のみ、法人住民税が免除されることもあります。

 

NPO法人化のデメリットもある?

NPO法人化による大きなデメリットはありませんが、以下の点には注意しておきましょう。

□NPO法人は設立に時間がかかる
□会計処理が複雑になりがち
□活動分野が指定されている
□設立時に10名以上の社員が必要

NPO法人の設立には、最低でも3カ月の期間がかかります。株式会社や合同会社の設立が1週間~2週間程度で済むため、設立に時間を取られるのがデメリットといえるでしょう。またNPO法人の場合、一般企業とは異なる会計処理が求められます。所轄庁に提出する書類も複雑であり、慣れるまで時間がかかるかもしれません。設立要件に指定されている活動分野、また人員のハードルも、人によっては高く感じられるでしょう。NPO法人化を検討している方はメリット・デメリットを考慮し、団体にとってより良い選択をしていくのが大切です。

 

参考:

http://www.npoweb.jp/modules/faq/index.php?content_id=14

https://npo-marketing-labo.com/contents/procedure-to-establish-an-npo-corporation

https://sogyotecho.jp/npo-corporation/?sp=morehttps://suke10.com/article/11562

https://suke10.com/article/11562

https://www.freee.co.jp/kb/kb-npo/merit_and_being_careful/#content4

https://www.npo-homepage.go.jp/qa/seido-gaiyou/katsudou-bunya

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