働き方改革関連法が施行!企業が取り組むべき対策とは?

2019.10.03業界関連情報
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2019年4月から随時施行されることになった働き方改革関連法。すでに施行開始している項目もありますが、従業員を雇用している企業すべてが対象となっているため、早急に内容を把握して対応する必要があります。働き方改革関連法が施行されることによって働き方はどの様に変わっていき、それに対して企業はどう対応すべきなのでしょうか?具体的な内容や企業が取り組むべき対策についてご説明いたします。

有給休暇を取得した男性

働き方改革関連法とは?

2018年6月29日、労働基準法・労働安全衛生法・パートタイム労働法・労働契約法・労働者派遣法の法改正が成立しました。これらの法改正を総称して働き方改革関連法案と呼びます。その中でもこれまでと比べて大きく変わった制度をいくつかご紹介します。

残業時間の上限を厳格化

これまでも通常時の残業は月45時間、年360時間までと義務付けられていました。しかし、特別条項を設けた場合は臨時的残業が許容され、なおかつ法律上はその上限が定められていませんでした。

これからは、これまでと同様に特別条項を適用した場合は月45時間を超える臨時的残業が許容されますが、法律で年720時間、月100時間未満を上限と定めました。これを超えて残業させることは、違法となり罰則が与えられる様になります。

有給休暇の指定義務化

雇用した日から数えて6ヵ月間勤務を継続し、かつ勤務日の80%以上働いた従業員に対して事業主は、年10日分の有給休暇を与える義務があります。しかし、これまでは従業員自らが申し出なければ有給を取得することができませんでした。そのため、上司や同僚にどう思われるかなど会社での立場を気にしてしまい、有給を取得できないまま失効してしまうというケースも多かったようです。

これからは、年10日以上の有給休暇の権利がある従業員に対しては、最低でも年に5日は取得させることが企業に義務付けられます。有給休暇取得を義務化させることで従業員の精神的な負担を減らし、気兼ねなく有給を取得できる様にするのが狙いです。それでも有給休暇取得の少ない従業員に関しては、企業側が本人に希望日を確認したうえで取得日を指定して与える必要があります。こちらも違反した場合は罰則の対象になります。

同一労働同一賃金

仕事内容や責任の度合いが正社員と契約社員やパート社員などの非正規社員とで異なる場合、それにともなう待遇差を設けることは認められていました。しかし、これまではどの様な待遇差が不合理とされるのかの判断基準が不明瞭でした。非正規社員が正社員との待遇格差を理由に訴訟を起こし、会社に賠償を求めるという事例も少なくないといいます。

同一労働同一賃金のルールでは、どの様な場合に「不合理な待遇差」にあたるかどうかの線引きがこれまでよりも明確にされています。

月60時間を超える残業の割増率の変更

2010年4月以降、大企業では残業時間が月60時間を超える分には50%の割増賃金を支払うことが義務付けられましたが、中小企業には適応されていませんでした。つまり、中小企業では2010年4月以降も時間外労働に対する割増賃金は、60時間を超えたとしても25%のままだったのです。しかし、2023年4月からはこれが中小企業にも適応することになります。

労働時間の把握義務の明確化

企業にはこれまでも従業員の労働時間の把握義務は課せられていましたが、その把握方法はあいまいなままでした。また、管理監督者やみなし労働時間制の適用者は対象外とされていました。改正後は、労働安全衛生法に労働時間管理義務が明記され、具体的な把握の方法などが厚生労働省令で定められました。労働基準法ではなく労働安全衛生法に加えられたのは、労働者の健康管理を目的としているためです。そのためすべての労働者が対象となっています。タイムカードやパソコンの使用時間の記録など、客観的で適切な方法により把握しなければならないとされています。

高度プロフェッショナル制度を新設

高度プロフェッショナル制度とは、一定の条件を満たした労働者に対し、労基法の労働時間の上限や休憩を与える義務、割増賃金支払い義務などの規制から外すことができるという制度です。柔軟な働き方が可能になる、仕事さえ終わってしまえば数時間で家に帰れる様になるなどの前向きな評価がある一方、残業代ゼロで働かせ放題になる、過労死促進法案など批判の声も上がっています。ただし本人の同意がなければ適用されないため、対象者は賢明な判断が必要となります。

働き方改革関連法のポイント

今回の法改正では、高度プロフェッショナル制度を除いて、これまでなかった制限や罰則が設けられる様になりました。そのため企業は、労働時間の削減に努め、労働者の心と体の健康を重視しなければなりません。働き方改革関連法は、育児や介護との両立など多様化している働く方のニーズに合わせて、労働者自ら多様な働き方を選択できる社会の実現を目的としています。少子高齢化や労働人口の減少など、長年続く日本の社会問題をも見据えての対策と考えられますが、労働環境を見直し、生産性を上げることはこれからの社会にとっても大きな課題となることでしょう。

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