何をすれば良い? 合同会社を設立するときの流れ
2017.04.06スタッフブログ会社といえば、株式会社や有限会社をイメージされますが、合同会社という言葉を聞いたことがあるでしょうか。近年、少ないコストで手軽に設立できるため合同会社を設立する起業者が増えています。ここでは合同会社のメリットやデメリットを中心に、合同会社設立の流れについてご紹介いたします。
合同会社を設立するメリット・デメリット
合同会社を設立するメリットとしては、少ない費用で容易に会社を立ち上げることができる点が大きいと言えます。また登記に必要な手続きも株式会社に比べて簡素化されています。さらに決算公告義務もないため、会社運営にもそれほどコストがかからない点も優れています。
次に責任の範囲が限られるという点もメリットの1つです。個人事業主の場合は全責任を無限に負わなければなりませんが、合同会社の場合は有限会社や株式会社と同じ範囲での有限責任です。そのほか定款に設定や変更が自由であったり、社員間だけで会社の方針などを決めることもできます。
デメリットとしては、ネームバリューが低いことがネックと言えます。そのため、株式会社に比べると人材確保の観点や、取引先からのイメージが低く見られてしまうことがあります。また、社員が出資者を兼ねているため、社員間で会社の方針を決められる反面、争いごとやトラブルが起きると解決が難しく、会社運営ができなくなるリスクがあります。もちろんこのままでは株式上場はできませんし、株式を発行して増資することはできませんので注意しましょう。
合同会社を設立するときに必要な費用
合同会社を設立する費用は6~10万円程度です。内訳としては登記を行うための登録免許税が6万円と、定款に貼る収入印紙代が4万円だけです。定款の認証や登記は必要ないため、株式会社に比べると半分以下の金額で登記が可能です。
また紙の定款にせず、電子定款にした場合は4万円の印紙税も不要になるため、最も安い場合は6万円で設立することができますが、電子定款の作成には専用の設備や機器が必要になりますので、予算と相談して決めるようにしましょう。最近では電子定款の作成を代行して行っている会社もありますので、検討してみてください。
合同会社を設立するための流れ
基本的な流れとしては株式会社を設立するときの流れと同じですが、従業員数が少ない場合や、実質一人で会社を立ち上げる場合などは、比較的スムーズに立ち上げることができると言えます。それでは順を追ってご説明していきたいと思います。
①会社の基本事項を決める
まずは会社の基本事項を決めましょう。基本事項の内容としては以下のようなものがあります。
- 商号(会社名)
- 所在地
- 事業目的
- 代表者
- 社員や役員(出資者)
- 出資金
- 資本金
- 事業年度(決算月)
②定款の作成
基本事項が決まったら、次に定款の作成を行います。定款は会社の決まりごとや約束事などを定めたもので、ある程度内容は自由に決めることができますが、法律に基づいた一定のルールがあるので注意しましょう。各項目ごとに第〇章という形で内容を決め、それに沿って第〇条という形式で詳細を記述していきます。
③資本金の払込み
会社の代表者の個人口座に資本金を払い込み、通帳に記帳します。資本金は1円から設定することができますが、現実的ではありませんので、しっかり会社運営ができる金額に設定しましょう。記帳したコピーのほか、払込証明書が必要です。
④登記申請を行う
会社の所在地を管轄する法務局へ行き、登記申請を行います。必要な書類としては「設立登記申請書」「本店及び代表社員資本金決定書」「代表社員就任承諾書」「印鑑届出書」「払込証明書」の5つとなります。それほど難しいものではありませんので、ひな形などを参照に誰でも作成することができます。
⑤合同会社設立後の各種届出
登記を行えば会社として設立はしますが、その後の各種届出も大切です。まずは法務局で印鑑カードを受け取り、印鑑登録証が発行できるようにしてください。その後は税務署で法人設立の届け出や青色申告の承認申請を行います。そして各都道府県の税事務所や役場で社員の給料や税金関係の届け出を行い、雇用保険や社会保険関係の手続きも必要ですから、ハロワークや年金事務所でも届出を行うようにしてください。法人の銀行口座の開設なども行っておきましょう。
⑥合同会社として運営開始
ここからが本当の始まりとなります。しっかりとした会社運営ができるように、社員一丸となって会社を軌道に乗せましょう。合同会社から株式会社に変更することも可能ですので、必要に応じて検討してください。
合同会社は株式会社に比べるととても設立しやすいですが、注意点もあるためしっかりと内容を把握することが大切です。上記のメリットやデメリット、設立の流れを参考にしながら合同会社の設立をすすめていってください。
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