もしもし検定過去問:第三十三問「許可を得ない撮影」

更新日:2022.10.31スタッフブログ

カメラを持った男性

「もしもし検定の過去問を電話代行サービス(株)のオペレーターが解説」のコラム、第三十三回目となります。前回に前半だけを紹介した問題区分の「電話応対」について、残りの到達目標を紹介させて頂きたいと思います

  • 電話の受け方:電話を受けるときの基本を知り、適切な電話の受け方ができる。
  • 電話の取り次ぎ:電話の取り次ぎ方を知り、適切な電話のと取り次ぎができる。
  • 伝言メモの書き方:適切な伝言メモを書くことができる。

前回とあわせて紹介させて頂きましたが、前半を読み返して頂くと、そこに書かれている内容は基本に忠実な内容ばかりです。当然と言えば当然です。受けるのが3級、4級という基本的な知識を問われる下位級だからです。これが1級、2級という上位級になると、さらに厳しい基準がいろいろと含まれてくると予想ができます。基本的な部分で点を落とさないように、しっかりと内容の把握と応用問題への適応ができるようになっておきましょう。

▼もしもし検定の過去問題33

設問

カメラで個人を本人の許可なく撮影し利用することについて、誤っている記述を、次の中から1つ選びなさい。

  1. カメラで撮影した映像も、それによって特定の個人が識別できるのであれば、「個人情報」に当たる。
  2. 個人情報取扱事業者は、映像を取得するに当たり、利用目的をできるだけ特定し、その範囲内で取り扱うことが必要となる。
  3. 偽りその他の不正な手段によって個人情報を取得してはならないことから、個人情報取扱事業者は、不正の意図をもって隠し撮りする等の行為をしてはならないと解される。
  4. 学校の運動会の様子を保護者がカメラで撮影する場合など、個人情報取扱事業者でない者が、私的な目的で撮影する場合も、個人情報保護法の対象となる。

公益財団法人電信電話ユーザー協会(編)(2013年)
『電話応対技能検定(もしもし検定)3・4級公式問題集』(日本経済新聞出版社)

問題へのアプローチを電話代行のオペレーターが解説

カメラでの撮影というのは、直接的に電話応対には関わってきませんが、以前にも紹介しましたが、上記のような法律の知識も一般常識として必要となるため、法的知識として出題されることがあります。さて、選択肢に出てきた「個人情報取扱事業者」をご存知でしょうか。なかなか聞き慣れない言葉ですが、個人情報保護法には、次のような記載があります。

この法律において個人情報取扱事業者とは、個人情報データベース等を事業の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。

  • 国の機関
  • 地方公共団体
  • 独立行政法人等(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第59号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)
  • その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者(第2条第3項)

つまり、個人情報を取り扱っている事業者を特定するための条文ですが、内容まで覚える必要はありません。個人情報を取り扱っている事業者、という感覚で問題ないと思います。

もしもし検定の解答

正解:4

電話代行のオペレーターによる徹底解説

今の世の中、SNSなどで簡単に写真を公開し共有できてしまいます。もしかすると、その写真に写り込んでしまったために、トラブルに巻き込まれる可能性もあるわけです。そのため、個人を特定できる写真にも注意が必要です。さて、選択肢をそれぞれ見ていきます。

1.カメラで撮影した映像も、それによって特定の個人が識別できるのであれば、「個人情報」に当たる。

個人を特定できるなら写真もまたその対象となります。そのため、正しいと言えます。

2.個人情報取扱事業者は、映像を取得するに当たり、利用目的をできるだけ特定し、その範囲内で取り扱うことが必要となる。

利用目的の記載は重要です。勝手に流用されては問題となりますので、しっかりと契約書や利用規約などにある条文はチェックするようにしましょう。これも正しいです。

3.偽りその他の不正な手段によって個人情報を取得してはならないことから、個人情報取扱事業者は、不正の意

図をもって隠し撮りする等の行為をしてはならないと解される。

隠し撮りはいけません。注意点は「不正の意図を持って」という部分です。たまたま写り込んでしまったという場合には、裁判所による判断が必要になるケースがあります。そのため、こちらも正しいと言えます。

4.学校の運動会の様子を保護者がカメラで撮影する場合など、個人情報取扱事業者でない者が、私的な目的で撮

影する場合も、個人情報保護法の対象となる。

アプローチで紹介した「個人情報取扱事業者」は「個人である保護者」とは明らかに異なります。紹介した条文にも「事業の用に供している者」とあるように、事業者が対象となっているだけで、個人は対象とはなっていません。今回のように個人で撮影された場合には「個人情報保護法の義務規定」の対象とはならないので、これが誤りとなり、設問の正解となります。

個人情報の注意点としては、みだりに公開したり、不特定多数が閲覧出来る状態にすることが問題となります。SNSなどへの投稿の際には、十分な注意が必要ですので、ご留意頂ければと思います。

次回のもしもし検定過去問は『もしもし検定過去問:第三十四問「敬語の正しい使い方」』です。

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