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コールセンター業界は2018年問題をどう対処したのか

 

2018年は、労働契約法と派遣法の改正による影響を最初に受けた年であり、『2018年問題』として話題となりました。政府は有期雇用者や派遣社員などが抱える雇用問題を解決しようと乗り出しており、多くの企業が対策に追われることとなりました。

派遣社員は3年で派遣先に直接雇用されるか、派遣元で無期契約としなければならなくなり、有期契約労働者は通算5年の勤務で無期契約を申し込むことができるというルールが設けられ、最初の期限が2018年にまとめて到来したからです。

コールセンター業界も例に漏れず、有期契約労働者や派遣労働者を用いることが多いので、この法改正による影響を強く受ける業種といえます。今回は、コールセンターを取り巻く雇用事情や、コールセンター業界がどのように2018年問題と向き合ったのかをご紹介します。

コールセンターの2018年問題

コールセンター業界を取り巻く雇用の事情

コールセンターが派遣やアルバイト、有期契約労働者を活用する理由として最も多いのは、自社で求人募集を行ったとしても、目標とする人数に到達できない、慢性的な人手不足を抱えているといった理由を挙げる企業が多数を占めています。一般的に、電話対応がつらい、冷たく当たられることがあるといったイメージがつきまとい、求人を出しても人手が集まりづらくなっているからです。

そのため、他の事務系の仕事と比べると時給が高く設定されることも多く、採用の基準も以前より引き下げられてきています。学生アルバイトや、家庭の事情などで時短勤務を希望する労働者などが多く集まり、正社員のみで構成されているコールセンターは比較的少ないのが現状です。

高い離職率

そして、オペレーターとして雇用されたとしてもすぐに離職してしまうことも多く、定着しづらいのも特徴です。一般的に離職率が20%や30%を超えると多いと言われていますが、「月刊コールセンタージャパン 2017年9月号」による調査では、新人の離職率が31%以上と答えたコールセンターが全体の48%にのぼっています。そのうち離職率が51%以上と回答したコールセンターも29%存在し、厳しい状況におかれていることがうかがえます。ただし、新人の離職率が10%以下と回答したコールセンターが全体の30%存在するため、センターごとの格差も大きいといえます。

様々な雇用形態・雇用期間の人材が存在する

顧客との接点を持つという大事な窓口でありながら「コストセンター」と揶揄(やゆ)され、人件費などの削減を迫られることや、時期によってコール数(かかってくる電話の本数)が変動するなどの理由から、全員を常時雇用の正社員とすることが難しいことが少なくありません。その上、WebページのFAQやよくある質問の改善、AI、botなどによる自動返信が普及し、将来的には業務量の減少が予想されているため、これから採用を増やす決断をすることも容易ではありません。

業界に対するマイナスイメージから応募者がそれほど多くない上、コールセンター側にとってもオペレーター全員を雇用期間を定めない正社員とすることが難しいという現実があります。どうにかその場しのぎであっても人員不足をカバーする目的と、コストダウンや応対品質(応答率、応答時間など)の改善を試みようとした結果、あらゆる雇用形態・雇用期間のオペレーターがコールセンターに存在することになるのです。

コールセンターの雇用形態

2018年問題はどのように対処したのか

ここからは、月刊コールセンタージャパン(2018年10月号)の調査をもとに、コールセンター業界がどのように対処したのかをご紹介します。

有期契約社員への対応

『希望者については全員、無期契約社員とした』と答えた企業は35%にのぼっています。また、『全員が派遣なので派遣先に一任した』も22%、『基準を設けて無期雇用化する』も10%と、雇用を継続したい方針が多数派であることがわかります。そして、『3月までに契約を解除した』はわずか2%と、雇い止めに該当する対応がほとんど行われなかったという結果が出ています。

契約社員への対応

  • 希望者は全員、無期契約社員とした……35%
  • 3月までに該当者との契約を打ち切った……2%
  • 評価基準を設け、希望者のなかで基準をクリアしたスタッフは無期契約化したが、
    下回ったスタッフは契約を解除した……10%
  • 希望者がいなかった……7%
  • 全員派遣社員なので派遣先に一任した……22%
  • その他……24%

ソース:月刊コールセンタージャパン
2018年10月号

派遣社員への対応

派遣社員の対応としては、希望者に対して全て自社雇用にする予定と答えた企業が34%(正規、非正規を問わず)、すべて派遣会社に無期雇用してもらう予定と答えた企業は36%と、全体の70%が法律をクリアした上で、雇用の安定化を図る対応をとったことがわかりました。反対に、該当するスタッフを入れ替える予定という回答は9%にとどまり、今後も同じオペレーターを引き続き雇用したいという意思が読み取れる結果となっています。

ただし、無期雇用の派遣社員はコールセンターに雇われているのではなく、派遣会社に雇われているため、雇用に対して一抹の不安や不満が残るかもしれません。

派遣社員への対応

  • 希望するスタッフはすべて自社の直接契約(正規、非正規含む)とする予定……34%
  • すべて派遣会社に無期雇用してもらう予定……36%
  • 該当するスタッフを入れ替える予定……9%
  • まったく未定……5%
  • 派遣法改正についてよく知らない……1%
  • その他……15%

ソース:月刊コールセンタージャパン
2018年10月号

正社員の比率が増加

違う視点から行った調査でも、雇用の安定化が進み始めていることがうかがえます。一般社団法人日本コールセンター協会による「2018年度 コールセンター企業 実態調査」による正社員の割合を調査した数字をご紹介します(年によって回答した企業や数に差があり、あまり正確に比較することはできませんがご了承下さい)。

2017年と比べ、正社員の割合が2割未満と答えたのは、合計で33社から23社に減少しました。同時に、2~3割未満と答えた企業は、10社から5社に減っています。

それ以上の割合を見てみると、3~5割未満と答えた企業は4社から12社へ増加、5割以上と答えた企業は2社から4社に増えています。2017年まではあまり改善がみられない傾向にありましたが、全体的に正社員の割合が増加した方向にシフトしているといえるのではないでしょうか。

コールセンターにおける正社員比率の推移

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
5割以上 1 3 5 3 3 2 4
3~5割未満 6 6 3 1 3 4 12
2~3割未満 11 9 7 8 9 10 5
1~2割未満 15 21 27 21 21 19 13
1割未満 9 11 5 11 15 14 10
非公開 5 5 4 5 4 7 9

ソース:一般社団法人日本コールセンター協会『2018年度 コールセンター企業 実態調査』

改善の傾向がみられた雇用情勢

コールセンター業界では、今のような人手不足が叫ばれる以前から課題となっていました。これまでは「応対品質の向上」を最大の課題としていることが多かったものの、2017年の時点で「オペレーターの採用・育成」や「スーパーバイザーの採用・育成」がそれを上回り、人手不足がより深刻化している様子がうかがえます。

以前よりもさらに売り手市場に傾き、労働者がより働きやすい職場を選べるようになったのも、人手不足に陥る理由のひとつです。東京商工リサーチによると、2018年の人手不足関連による倒産件数が過去最高の387件を記録し、これからも魅力ある職場を提供できない企業の淘汰が進むと予測されます。

これからのコールセンターがとるべき進路

今回の法改正によって方針を新たにし、オペレーターに安定した雇用を提供できれば、コールセンターにとっても人員確保という課題をクリアしやすくなります。オペレーターも雇用や賃金の不安が取り除かれると、公私共に安心して生活を送ることができ、より長期間働きたいと思えるようになるでしょう。

また、長期間オペレーターとして勤務すると、自然と個々のオペレーション能力が向上します。電話応対のノウハウを積み重ねることができ、情報共有や問題点の洗い出しなども容易になるため、応対品質の改善が進めやすくなるという副次的効果も生まれます。新人教育を行う時間や求人広告費などの各種費用も削減できるため、いわゆる派遣切りや雇い止めといった、人員の入れ替えを進めるような動きは、これからも大きくは増えないのではないでしょうか。

有期契約労働者、派遣労働者、いずれも雇用の安定化を図る方向での動きがみられ、正社員も増加する傾向が確認できました。これからもリストラなしに雇用を続けられるかはわからないという不安は残るものの、2018年は、業界を取り巻く雇用情勢に改善がみられた1年だったといえます。

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