エレベーターの中で電話はあり?なし?

更新日:2023.05.30スタッフブログ

エレベーターの中で電話をする人

今回は、「エレベーターの中で電話するのはマナー違反?」というテーマでお話させていただきます。電車や病院、図書館といった場での電話NGは常識ですが、エレベーターの場合はどうなのでしょうか?周りへの影響や、ビジネス上の問題点について考えていきましょう。

ビジネスの電話はどこでする?

海外ではエレベーター内の会話は当たり前。日本では・・・

「エレベーターピッチ」という言葉があります。この言葉は、海外のある国に伝わる逸話から生まれました。その内容を簡単にご紹介しましょう。
「とある起業家が、プロの投資家と同じエレベーターに乗り合わせた。そこで彼がいわれたことは、“自分が持っているビジネスプランの魅力を、エレベーターが目的の階に到着するわずかの時間で説明できなければ、その事業は失敗するだろう”」

この逸話は、ビジネス目的を達成するうえで、コミュニケーション技術がいかに大切かを唱える話として有名です。
この話からもうひとつ分かることは、ビジネスマン同士がエレベーターの中で会話する風景は、海外において珍しくない、ということ。エレベーターが目的階に到着するわずかの間ですら、ビジネスを巡ってさまざまなやり取りが行われている実態がうかがえます。

日本の場合はどうでしょうか?日本社会において突然、見知らぬ人から声をかけられることは、ビジネスの世界に限らずほとんどないといえるでしょう。特に、エレベーターという空間は、不特定多数の人が供用する公共性の高い場所。そんなところで不用意に話しかけると、不審者扱いされるのが日本社会の現実といえるかもしれません。

深刻な「情報漏洩」という問題

果たして、ビジネスマン同士がエレベーターの中で電話する行為は、マナー違反にあたるのでしょうか?エレベーターに「携帯電話の使用はお控え下さい」という注意書きがあれば、もちろんルール違反。ルールがなかったとしても、社会常識に照らせば、その行為はあまり好ましいとはいえないでしょう。
まずひとつ問題となるのが、騒音です。エレベーターには、ほかの人も一緒に乗り込んできます。多くの人が乗り合わせる中、大声で話せば、もちろん迷惑ですし周囲への配慮に欠ける行為として非難されても仕方ありません。

また、情報漏洩という問題もあります。不特定多数の人がいるエレベーター空間で取引先の個人情報や交渉における秘密事項を話せば、マナー違反どころか法律に抵触する恐れもあります。たとえ犯罪被害や悪用につながらなかったとしても、信用を大きく損なう行為として批判されるでしょう。
エレベーターに乗っている時間はほんの数秒、長くても数十秒です。その間に電話がかかってきたら、再コールをお願いするか、折り返し電話をかけるか、いずれにせよ降りてから対応するのが無難です

電話NGの場所といえば?

エレベーター以外でも、携帯電話の使用を控えたほうがよい場所はいくつかあります。基本的に、公共性の高い場所での使用はNGと考えてよいでしょう。

携帯電話の使用を控える場所

電車

車内アナウンスにあるとおり、電車内の携帯電話使用は基本、認められません。ほかの乗客の迷惑になるからです。電車の中だと、電話の声も聞き取りにくくなるため、自然と大きな声が出てしまうことに。話している本人は気づかなくても、その声は間違いなく周りに届いています。迷惑をかけないためにも、携帯電話の使用は電車を降りてからが望まれます。

病院

病院も、携帯電話の使用はNGです。携帯電話が受信する電波は、医療機器の動作に少なからず影響を与えます。病院には人工呼吸機やさまざまな検査機器、オペ設備など人命に直結する重要な機器がたくさん備えられています。使用可能エリアが明記されている病院もあり、それ以外の場所で使用すれば職員や看護師さんに注意を受ける可能性が大です。

図書館

図書館は、公共の施設であり、みんなが静かな環境の中で利用するための場所です。その様なところで携帯電話を使い、大きな声で話し出したら非常識と思われるでしょう。着信音が鳴り響くだけでも静寂な雰囲気を壊してしまうため、館内に入ったらマナーモードにする、または電源オフにするなどの対応が大切です。

飛行機

飛行機の離陸後は、携帯電話の電源をオフにする様に促されます。この理由も病院と同じで、携帯電話の電波が飛行機の電子制御装置などに影響を与える可能性があるからです。そのため、電波を出す機器類の使用は一切禁止となります。

問われるのは“想像力”

エレベーターなど公共性の高い場所で、マナーに準じた行為ができるかどうかは、想像力の有無と無縁ではありません。「ここで電話すると、間違いなく周りに迷惑をかける」「うかつに電話に出たら、取引先の大切な情報が外に漏れてしまうかもしれない」こうした想像力が働くことによって、マナー違反の手前で踏みとどまれるのです。

想像力は、電話秘書にもっとも求められるスキルといえます。お客様の情報を知る手がかりが電話しかない電話秘書にとって、いかに想像力を働かせながら言葉を選ぶかが大きく問われます。声のトーンや話し方からお客様の表情・心情を想像し、話をリードしなければなりません。電話秘書にとっての想像力は、円滑なコミュニケーションを実現するための欠かせない土台ともいえる大切な要素です。

今回は、「エレベーターの電話はマナー違反か?」というテーマでお話させていただきました。電話秘書としていえることは、マナー行為もオペレーションも、大切なのは想像力だということ。こちらの記事で、ビジネスマナーを見直す機会にしていただければ幸いです。

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