地震発生時におけるコールセンターの対策とは?

更新日:2023.08.09コールセンター

地震に備える人

危機管理対策がしっかりしているといわれるコールセンターですが、東日本大震災では業務を継続するために苦労した現場も少なくありません。その様な状況においても、コールセンターは顧客からの電話を受け付けることが望まれます。そこで今回は、東日本大震災における実際の経験を踏まえながら、弊社を含むコールセンター事業者が業務を停止しないためには、どんな事前対策が望まれるかについてご説明します

地震の時でも確実に機能するコールセンターを構築するために

地震発生で起きること

地震発生時、まずコールセンターの業務に大きな影響を及ぼす事態として施設への被害が挙げられます。電話端末やパソコン機器が壊れていなくても、棚が倒れるなど室内の状況が荒れていると簡単には業務を再開できません。

施設に大きな問題がなくても、スタッフが出勤できなくなる場合もあります。会社から遠い場所に住むスタッフなどは、交通機関が通常通りに復旧するまでは通勤が難しくなるでしょう。また本人が無事でも、家族に被害が出ていれば仕事どころではないかもしれません。コールセンターは人手不足に見舞われる可能性が高く、シフト調整には苦労すると考えられます。

業種によっては、普段よりコール数が増加する恐れもあります。水道やガスが止まり不自由な生活を強いられている被災者からは、いつライフラインが復旧するか問い合わせが途切れないでしょう。物資の流通量が少なくなれば、十分に商品を揃えられない店舗などから次回の配送予定について、物流関係に確認する電話が増えても不思議ではありません。

地震が発生すると多少なりとも施設の安全性は失われ、多くの場合、人員確保にも困難をともないます。その一方で、通常の数倍まで着信がふくれ上がる可能性も否定できません。それでもコールセンターは緊急時のホットラインとして機能することが求められるため、これまでの経験を踏まえた上で対策を立てる必要があります。

東日本大震災の例

東日本大震災では、特に被害の大きかった地域に限らず一時的な業務停止に追い込まれるコールセンターが少なくありませんでした。

交通機関などの問題とともに、業務に大きな支障を与えた要因のひとつが、業務に大きな支障を与えた要因のひとつが、電力供給の問題です。一定期間にわたり首都圏などでは計画停電が実施されたため、自家発電の設備を持たないコールセンターは業務を継続できないなどの影響を受けました。問い合わせ窓口によっては、コンピュータサーバを安全に起動あるいはシャットダウンするため業務時間の変更や短縮を避けられなかったといわれています。

電力を供給する設備

食料の調達も、東北地方の被災地域を中心として深刻な問題になりました。物資がスムーズに流通せず、多くの飲食店などが開店できなくなったためです。かろうじて食料を販売している店舗には大勢の人が殺到し、商品を購入するまでに数時間かかることも珍しくなくなります。そのためコールセンターでは、電話対応に臨むスタッフとともに食糧の買い出しを担当するグループを編成する必要が生まれたのです。

東日本大震災では、施設のダメージが比較的小さかったコールセンターでも、通常運営が厳しくなる事態に見舞われています。災害時に普段通りの業務体制を維持するためには、日頃からの備えを強化しておくことが大切です。

BCP対策とは?

BCPとはBusiness Continuity Plan(事業継続計画)の略であり、緊急時にも業務を停止しないための事前準備を意味します。

多くのコールセンターでは、どんな時でも電話対応することが求められます。東日本大震災の経験を生かすなら、計画停電などがあっても営業時間の縮小は好ましくありません。どこのコールセンターが業務停止に追い込まれても、その他の窓口が業務を代替できる体制づくりが不可欠です。いくつも拠点があれば、数カ所のコールセンターが十分に機能しなくなっても残りの施設がフォローできます。

人手不足を避ける方法としては、スタッフ間の連絡網を準備しておくことも有効です。いつ誰が出勤できるか速やかに確認できれば、シフト調整に役立ちます。また異なる職場に勤務しているスタッフ同士でも連絡を取れれば、いち早く人員に余裕のあるコールセンターからオペレーターを回せるでしょう。

コールセンターは、緊急時になると普段以上の着信を受ける場合もあります。それでも業務を遂行するためには、各拠点がお互いに支え合える体制を整えておくことが欠かせません。

>>BCPについて詳しく知りたい方はこちら

大切なチェックリストの作成

災害対策として、チェックリストの作成も大切です。日頃から準備を怠っていないか点検しておけば、何か起きてから慌てる必要はありません。たとえば各種設備の安全性に問題がないか、あるいは食料の備蓄は足りているかを確認します。

各種設備については、保管場所や設置方法に目を向けます。さまざまな備品を棚の上に置いておくと、頭上から落ちてくる可能性があり危険です。ホワイトボードやロッカーは、揺れが大きいと倒れてくるかもしれません。オフィス内の安全を確保するためには、できるだけ高い場所には備品を置かないことです。また、背の高いものは固定したほうが無難です。

用意された非常食

災害の規模によっては食料の確保も難しくなるので、ある程度の非常食を用意しておくとよいでしょう。緊急時には一時的であっても水やガスの供給が止まるかもしれないため、調理に手間のかからないものが望まれます。また、買い替える回数を減らすためには賞味期限が長いものを選んだほうが得策です。

チェックリストでは、これらの対策が実践されているかを定期的に調べます。しっかり事前に準備しておくと、有事の時にも落ち着いた行動を可能にします。危機管理センターの機能を持つコールセンターでは、特にチェックリストの作成が求められるのです。

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